ドラマやバラエティ、ドキュメンタリーなどのテレビ番組や、映画、web、モバイルコンテンツといった多くのコンテンツ制作を手掛けている総合制作会社・共同テレビジョンが開発したサウンドバー「KARA×KARA」が現在、応援購入サイト・Makuakeにてプロジェクトを実施している(12月27日現在・目標金額達成済)。ここではその製品の開発の背景をインタビュー。実際の音質もチェックしてみた。

画像: カラオケもテレビも高音質で楽しめる。Android TV搭載のサウンドバー「KARA×KARA」

 まず、製品の概要を説明すると、本機はサウンドバーでありながらAndroid TV OSを搭載しているのが特徴。一般的にサウンドバーと言えば、テレビと組み合わせて音声を強化する製品、と捉えられがちだが、本KARA×KARAはその逆。いい音を楽しむという点は従来と同じだが、サウンドバーにテレビを接続していい音でコンテンツ(映像)を楽しむ、という使い方となる。つまり主がサウンドバー、従がテレビという関係になるのだ。

▲トップメニューは、Android TVでお馴染みのアイコンが並ぶデザイン。「KARA×KARA」を実行すると、カラオケが楽しめるようになる(別途、登録と契約が必要)

 では、なぜ制作会社が製品を開発したのか? という点だが、同社はもともと新技術や新規格(フォーマット)の導入・運用には積極的で、映像制作会社の中では珍しく8K撮影のシステムも対応済みということからも、その先進性が読み取れるだろう。そうした技術的な背景があって今回、サウンドバーの製品化が実現したことになる。

 さて、そのKARA×KARAの開発を手掛けたのは、同社 プロデューサーの神﨑茂氏。氏は音楽番組の制作も手掛けていて、現場での“音”を知っていることから、なんとかその音を自宅でも楽しんでもらいたい、という想いから2019年にKARA×KARAの開発に着手したという。国内の音響メーカーと共同で開発にあたり、“臨場感のある音”をコンセプトに製品化を進め、結果、2.1ch仕様のサウンドバーとして結実した。

▲本サウンドバーの開発担当、共同テレビジョン・ゼネラルプロデューサーの神﨑茂氏

 と書くと、フツーのサウンドバーと思われがちだが、そこには神崎氏のこだわりが詰め込まれていて、スピーカーは実に6基(トゥイーター×2、フルレンジ×2、サブウーファー×2)が搭載されていて、それを駆動するアンプは左右それぞれに搭載(つまり計2基)されている。筐体に関しては、実に4回も金型を改修して、余計な共振のない仕上がりを目指したということだ。

画像: ▲底面にはサブウーファーが2基、内蔵されている

▲底面にはサブウーファーが2基、内蔵されている

 近年ではサウンドバーでもドルビーアトモスに対応するなど、3次元立体音響をサポートする製品も多いが、本KARA×KARAが目指すのは、ステレオ再生による音質と音場の創造。実際にその音を聴いてみると、サウンドバー前面、つまり正面に向かって直線的に音が出てくるのが分かる。音の広がり(=音場)は比較的抑制されているが、50インチクラスの薄型テレビの画面幅ぐらいの空間には、音が充満しているのが感じ取れるようになっている。Wアンプ仕様だけあって、音の厚みもある。そして定位感もよく、特に映画コンテンツを観る場合、セリフは画面中央に定位してくれるので、画・音の一致感は高い。一人、あるいは数名(2、3名)での視聴であれば、充分な音響空間を作ってくれそうだ。

 ベースにした“音”は、同社のMA(音声編集)ルームに設置されている特注のスピーカーとか。実際に開発途中のサウンドバーをその部屋に持ち込み、MA用スピーカーとなるべく同じ音(音質)になるように、チューニングを重ねていったのだという。つまり、番組制作サイド=クリエイターが“意図した音”を、自宅で楽しめる製品ということになる。

画像: ▲共同テレビジョンのMAルーム。設置されているログオーディオ社の特注スピーカー(奥のテレビの両側にあるもの)の音に近づけるよう、チューニングを行なったという

▲共同テレビジョンのMAルーム。設置されているログオーディオ社の特注スピーカー(奥のテレビの両側にあるもの)の音に近づけるよう、チューニングを行なったという

 さて、本サウンドバーの特徴はそれだけではない。製品名にKARA×KARAとあるように、カラオケも楽しめるようになっている。ということで、先述したようにAndroid TV OSが搭載されているのだが、一般的なCPUだとカラオケメニューが重たくてサクサク動かない……。そこで、メニューが軽快に動くようにCPUも強化されており、結果、カラオケだけでなく各種映像配信サービスも、素早い動作・反応で、楽しめるようになっている。

▲マイクは2本を同梱。無線通信の低遅延化の実現に、約2年かかっているという

 ちなみに、カラオケもできるサウンドバーと書くと、一種キワモノ的な印象も受けるが、カラオケ機能にも、共同テレビの持つ技術が存分に投入されている。一般的なカラオケでは、ワイヤレスマイクの遅延が50msほどあるという。それだと音の遅れが分かってしまう、ということで、番組収録で使っているUHF仕様のワイヤレスマイクの技術を援用して、本製品では26.4msに短縮しているそうだ。特許申請中という。

▲スマホアプリでの遠隔操作も可能

▲専用のリモコンも付属する。ボタン配置、種類も使いやすいようにまとめられており、そこにも神﨑氏のこだわりが詰まっている

 カラオケ機能は、JOYSOUNDと提携していて、およそ12000曲がラインナップされており、順次人気の曲が追加されていく(毎月100曲)ということだ。
※カラオケ機能を使うには、登録・契約が必要

画像: ▲カラオケアプリのメニュー画面。JOYSOUNDと提携して、およそ12000曲の音源が用意されている。順次人気のコンテンツが入れ替わっていくそう

▲カラオケアプリのメニュー画面。JOYSOUNDと提携して、およそ12000曲の音源が用意されている。順次人気のコンテンツが入れ替わっていくそう

KARA×KARAの主な仕様
ユニット:20mmトゥイーター×2、44×80mm楕円形フルレンジ×2、サブウーファー×2
再生周波数特性:40Hz~20kHz
最大出力:100W(総合)
無線対応:Bluetooth、Wi-Fi(2.4gHz、5GHz)
接続端子:HDMI出力(ARC)×1(HDCP2.2サポート)、アナログ音声入力×1(3.5mmステレオミニ)、デジタル音声入力×1(光)、USB端子×1、LAN端子×1、
寸法:W916×H80×D115mm
質量:4.098kg
付属品:電源アダプター、マイク2本、リモコン、単4乾電池×6、HDMIケーブル、製品ガイド/アプリ取説

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