先程製品情報をお届けしたBang & Olufsen(B&O)の新製品2モデルの発表会が、21日夕刻に東京現代美術館の1Fエントランスホールで開催された。

画像: 77インチの4K有機ELテレビ「Beovision Harmony」は、電源のオン/オフでスピーカーの形態が変化する

77インチの4K有機ELテレビ「Beovision Harmony」は、電源のオン/オフでスピーカーの形態が変化する

 会場内には、木材を斗組(ますくみ)と呼ばれる宮大工の手法(神社仏閣で屋根を通常の建屋よりも大きく張り出させる際の支えとして使われる)で組み上げた台座が設けられ、その上に77インチの4K有機ELテレビ「Beovision Harmony」とサウンドバーの「Beosound Stage」が設置されていた。

 今回の2モデルはともにオーク仕上げが準備されているが、そのウッド調の仕上げと木材の組み合せがマッチしており、日本建築の佇まいとデンマークの家具調デザインの相性のよさをうかがわせてくれた。

画像: トークショウの司会を務めた、俳優の別所哲也氏

トークショウの司会を務めた、俳優の別所哲也氏

 今回の会場には、俳優で国際短編映画祭代表の別所哲也氏、B&Oデンマーク本社コンセプト マネージャーのKresten BjornKrab-Bjerre氏、建築家(スキーマ建築計画)の長坂常氏、俳優・映画監督のオダギリ ジョー氏という豪華ゲストが招かれており、それぞれの立場からBeovision Harmonyの魅力について語ってくれた。

 司会も務めた別所氏は、「国際短編映画祭の代表を勤めていく中で、映画も音が重要ということを認識しました。今日は、音や空間がどのようにつながっていくかを語り合いたいと思います」と切り出した。

 続いてKresten氏はB&O社の成り立ちから説明した後、「B&Oでは、音を聴くという目的を美しいビジュアルで語ることが必要だと考えています」と、同社に受け継がれているDNAともいうべきポイントを紹介した。

画像: B&Oデンマーク本社コンセプト マネージャーのKresten BjornKrab-Bjerre氏

B&Oデンマーク本社コンセプト マネージャーのKresten BjornKrab-Bjerre氏

 Kresten氏によるとBeovision Harmonyは、77インチというサイズながら、リビングに自然に溶け込む点に留意したそうだ。先の紹介記事にも書いたとおり、大画面テレビは使っていない時にどうするかが問題になる。今回は、それを解決するためにデザイン事務所と協議し、モニターを収納/オープンする仕組みを搭載した。

 電源オフでは、本体前面のスピーカーユニットは縦方向に並んで、その後ろに4K有機ELモニターが格納されている。この状態でもBeovision harmonyはサウンドシステムとして使用可能で、各種ストリーミングサービスも楽しめる。

 テレビ放送や映画作品を楽しむ時は、スピーカーユニットが左右に90度回転し、その上側に有機ELモニターがせり上がってくる。ちなみにこの開閉動作は約15秒で完了するそうだ。

画像: 建築家(スキーマ建築計画)の長坂常氏

建築家(スキーマ建築計画)の長坂常氏

 続いて登場した長坂氏は、今回の会場デザインや、23日から始まる伊勢丹新宿本店のウィンドウディスプレイを担当したそうだ。それを踏まえ、今回の会場では「音がループしていく感覚を表現したい」と考えたという。

 先述した斗組による木組は、それが構成するグリットが和のイメージを醸しだし、そこから音がループしていくイメージを表現していたのだろう。

 最後に登場したオダギリ ジョー氏は、自身が映画監督を務めた経験から、映画の見方に言及した。

 オダギリ氏は「映画が好きでこの仕事をしていますが、最近は劇場に行けず自宅でDVDを見ることも増えてきました。でもそうなってくると、映画とは大きなスクリーンで、いいスピーカーと5.1chで作品を表現できる総合芸術だったんだということを再確認したのです。一番の問題は音で、自宅であれだけの迫力を再現するのは難しいですね」と話した。

画像: 俳優・映画監督のオダギリ ジョー氏

俳優・映画監督のオダギリ ジョー氏

 そんなオダギリ氏は、自身の監督作である『ある船頭の話』に音へのこだわりを詰め込んだそうだ。会場ではその一部がBeovision Harmonyと、Beolab 50を4本使った5.0chシステム(Beovisionharmony はセンタースピーカーとして使用)で再生されたが、虫の音や鳥の声などの自然音もクリアーで、さらにサラウンド効果を活かしたシーンでは、あちこちからささやかれる声に主人公が押しつぶされそうになる様子がうまく再現されていた。

 これを見たオダギリ氏は、「映像では、赤色を漆の朱に近づけたかったのですが、それが明確に出ていました。これくらいの絵や音のクォリティが実現できるなら、家で映画を見てもいいかもしれません」とB&Oのシステムの完成度に満足した様子だった。

 トークの最後にオダギリ氏が「このテレビ、本当に欲しい。部屋にあるだけで単純に自慢したくなる。悩んでいます」と話すと、別所氏も「僕も家族会議をして考えたい」と賛同の意を表していた。

画像: 背面中央にSoundcenterを備え、ここにBDレコーダーなどを接続えできる。Soundcenterの両脇には有機ELテレビを上げ下げするための機構も搭載されていた

背面中央にSoundcenterを備え、ここにBDレコーダーなどを接続えできる。Soundcenterの両脇には有機ELテレビを上げ下げするための機構も搭載されていた

 なお今回の発表会場で、Beovision Harmonyの仕様について確認できたことがあったので、以下で報告しておきたい。

 まず、内蔵されたスピーカーはフロントL/C/Rの3チャンネル構成で、向かって左側のユニットにLチャンネル用のフルレンジ+ウーファーユニットが、右のユニットにはRチャンネル用のフルレンジ+ウーファーに加えて、センターチャンネル用のトゥイーター+ウーファーがマウントされている。

 Beovision Harmony単体でテレビ放送やブルーレイなどを見ている場合、その音声信号(最大7.1chのサラウンドデコード機能を搭載)はすべて3chにダウンミックスして再生される。ストリーミングなどの2ch祖ソースも3chに変換して再生されるとのことだった。

 先述した通り、Beovision HarmonyはBeolabスピーカーと組み合わせることでマルチチャンネル再生ができる。その場合Beovision Harmonyの内蔵スピーカーはセンターチャンネル用のユニットだけが動作し、L/R用のフルレンジ+ウーファーは鳴らない。ちなみにマルチチャンネル時の接続は、BeovisionHarmonyのSoundcenterから各スピーカーにアナログケーブルで信号を送っている。

画像: Beovision Harmonyのリモコン。Soundcenterにつないだ機器については、このリモコンで各種操作が可能になる。入力端子別にテレビの状態(テレビを見るか、音楽再生かなど)やサラウンドモードをメモリーする機能もあり

Beovision Harmonyのリモコン。Soundcenterにつないだ機器については、このリモコンで各種操作が可能になる。入力端子別にテレビの状態(テレビを見るか、音楽再生かなど)やサラウンドモードをメモリーする機能もあり

 有機ELテレビ部分については、基本的に今年のLGテレビ(C9P)と同等で、映像処理についてもB&O独自のイコライジングなどは加えていないという。4Kチューナーをダブルで搭載しており、市販のUSB HDDをつなげば番組録画も可能になる。

 接続端子はSoundcenter部にHDMI入力を4系統、テレビ部分に3系統を備えるなど、外部ソースへの対応も万全だ。Soundcenterにつないだ製品については、BeovisionHarmonyの付属リモコンからの操作も可能になるので(設定が必要)、この機能も活用したいところだ。

画像: 会場には木製のグリットがいくつも組まれており、様々なB&Oの製品がデモされていた。写真は透明スクリーンに投写した映像とBeosound Stageを組み合わせたもの

会場には木製のグリットがいくつも組まれており、様々なB&Oの製品がデモされていた。写真は透明スクリーンに投写した映像とBeosound Stageを組み合わせたもの

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