去る9月12日(土)、東京・目黒のオーディオショップ、ホーム商会で老舗輸入商社のノアが扱うハイエンド・ハイファイコンポーネントを一堂に集めたスペシャルなイベント「ノア・ハイファイフェスタ」が開催された。普段なかなか揃うことがないシステムというだけあって参加希望者も多く、準備された席はすべて予約でいっぱいという盛況ぶりだった。
今回の試聴機での目玉は、ソナス・ファベールのブックシェルスピーカー「Electa Amator Ⅲ」だ。同ブランドの35周年記念モデルで、1988年に発売された初代モデルのテイストを受け継いだ製品となる。構成は2ウェイ2スピ−カー、バスエフ型で、トゥイーターは28mmのシルクドーム型、ウーファーは180mmコーン型となる。今回は専用スタンドにセットして鳴らしている。
それをドライブするプリ、パワーアンプはブルメスターの「035」「036」という組合せだ。どちらも高さ95mmという薄型モデルあがら、ドイツ製品らしい剛性感のある作りが特徴といえるだろう。なお今回はプリアンプの035にオプションのフォノイコライザーボードを取り付けている。
主なソース機器は、ドクトル・ファイキャルド・アナログのターンテーブル「Firebird」+クラウディオのトーンアーム「ARM-MP12MK Ⅱ」だ。特にARM-MP12MK Ⅱは独自の構造でリニアトラッキング動作を実現していることもあり、来場者も興味深そうにその動作を確認していた。
今回のナビゲーターは株式会社ノア・営業部の関根 葵氏で、試聴会はほぼアナログレコードを使って進められた。『カウント・ベイシー・オーケストラ/C.B.Express』『リッキー・リー・ジョーンズ/パイレーツ』『イーグルス/ホテル・カリフォルニア』といった名盤を順番に再生しながら、各機器の解説やアクセサリーに関する説明が進められた。
中でも来場者の関心を集めていたのは、先述したトーンアームのARM-MP12MK Ⅱで、試聴会の後には、その動作原理や取り付けられるカートリッジについて細かく質問をしている参加者も多かった。
またARM-MP12MKⅡにはレーザー・タンジェント・ツールも付属している。こちらはターンテーブルの横に置いて、レーザー光を照射する。このレーザー光通りに外周から内周まで針先がきちんと直線で動いていることが確認できるというものだ。会場に設置されたARM-MP12MKⅡもスムーズな動きを実現していることが確認できていた。
もうひとつの注目アイテムが、フローティング・アブソーバーのアルト・エクストレーモ、ネオフレックスシリーズだった。これは磁力の反発を使って機器をフローティングした状態にセットできるもの。今回はターンテーブル下に敷くことで、ラック等からの振動を減衰させると共に、本体を水平に設置できているとのことだった。
なお電源にも配慮がされており、ブルメスターの948パワーコンディショナーにそれぞれの製品をつながれていた。
この状態で鳴らしたサウンドは、ひじょうにS/Nがよく、細かな楽器の再現性までとてもクリアーだった。Electa Amator Ⅲはブックシェルフ型ながら高さの表現も見事で、とても豊かな音場が再現できていると感じた。
「ノア・ハイファイフェスタ」は休憩を挟んで正味2時間のプログラムだったが、来場者は皆そのサウンドに集中して耳を傾けていた。中には試聴で使ったレコードをその場で買い求めていく方もいたほどで(ホーム商会では多くのレコードも取りそろえている)、それくらい素晴らしい音が再現出来ていたのだろう。
同店ではElecta Amator Ⅲや035、036をしばらく展示しているそうなので、興味のある方は試聴できるかなどについて、お店に問い合わせていただきたい。
「ノア・ハイファイフェスタ」の試聴機器
●ターンテーブル:DR.FEICKERT ANALOGUE FIREBIRD ¥1,550,000(税別)
●トーンアーム:KLAUDiO ARM-MP12Mk Ⅱ ¥1,250,000(税別)
●MCカートリッジ:acoustical systems Archon ¥380,000(税別)
●プリアンプ:Burmester 035 ¥1,450,000(税別)
●パワーアンプ:Burmester 036 ¥1,380,000(税別)
●パワーコンディショナー:Burmester 948 ¥1,200,000(税別)
●スピーカー:Sonus Faber Electa Amator Ⅲ ¥1,300,000(ペア、税別)
ホーム商会 東京都目黒区鷹番3-21-21
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