マランツから、HDMIセレクターを搭載したプリメインアンプという新しいカテゴリーの新製品となる「NR1200」が発表された。定価は¥78,000(税別)で、10月中旬の発売を予定している。

画像1: マランツから“新しいカテゴリー”の注目モデル「NR1200」が登場。HDMI端子を備え、様々なネットコンテンツも楽しめる、2chハイファイアンプ

 型番の“NR”は“New Receiver”の略で、同社では2009年の「NR1501」以来、薄型AVセンターに使われてきた。6月に発売された「NR1710」は7chパワーアンプを搭載したドルビーアトモス対応モデルだ。

 そんなNRシリーズについて使い方をリサーチしたところ、視聴ソースはテレビ放送やネットワークオーディオが上位にあり、パッケージソフト(ブルーレイ)よりも多かったそうだ。さらに2chアンプとして使っているユーザーが26%もあり、これは大型AVセンター(7%)に比べてもかなり多い数値だ。

 つまり、リビングなどでテレビ放送(レコーダーなども含め)や音楽コンテンツ(YouTubeやSpotifyなど)を日常的にいい音で楽しみたいけれど、サラウンドまでは考えていない、あるいはできないという人がそれだけいるということだろう。

画像: HDMI端子は入力5系統、出力1系統ですべて4K信号を受け付ける。出力端子はARCにも対応する

HDMI端子は入力5系統、出力1系統ですべて4K信号を受け付ける。出力端子はARCにも対応する

 マランツは、それらのリビングでの新しい再生コンテンツに対し、今の製品群では充分に応えられていないとし、今回のNR1200を企画したそうだ。そのための条件がHDMI入力への対応と、ハイファイモデルとしての音質を備えた2chアンプということだろう。

 同社サウンドマネージャーの尾形好宣氏によると、NR1200はAVセンターのNR1710をベースにしており、筐体サイズはまったく同じだという。HDMIの基板もNR1710を流用している。しかしNR1200はあくまでハイファイアンプなので、本機のHDMI端子の対応音声はリニアPCM 2chのみで、ドルビーやDTSなどの圧縮信号は受け付けない。またバーチャルサラウンドなどの再生機能も搭載していないという。

 当然AVセンターとは音づくりも異なる。単純に7chパワーアンプを減らして2ch用にしたのでは、製品としての魅力も出てこないと考えたそうだ。そこでNR1200では3つのテーマを決めて、製品を仕上げていった。その3つとは以下の通りだ。

(1)スリムデザインと機能性
 薄型TVに似合うデザインで、ラックにもすっきり入る

画像2: マランツから“新しいカテゴリー”の注目モデル「NR1200」が登場。HDMI端子を備え、様々なネットコンテンツも楽しめる、2chハイファイアンプ

(2)最先端の接続性と機能性
 4K/60p、HDR(HDR10、HLG)、HDCP2.3対応のHDMI入力を5入力、1出力装備
 HEOSネットワーク対応
 Bluetooth送受信機能(送信機能は後日のアップデートで対応)
 アナログ入力搭載、FM/AMチューナー内蔵
 NASやUSBメモリーからのハイレゾ再生に対応(最大192kHz/24ビット、DSD5.6MHz)

(3)マランツ ハイファイクォリティ
 完成度の高いNR1710の筐体構造を採用
 ダブルディファレンシャル構成のD/Aコンバーター
 オーディオ回路独立巻き線のNR1200専用大型トランス
 新開発カスタムブロックコンデンサー(6800uF)
 パワーアンプ回路を電源部から左右対象に配置することで、クロストークを低減

 D/AコンバーターICはNR1710と同じ旭化成エレクトロニクスのAK4458VN(8ch用)だが、今回はそのうちL/R用に4ch、サブウーファー用に2chの合計6chを使っている。L/Rはそれぞれ2ch分をあてがうことで、ノイズ除去効果を高め、高いS/Nを実現したそうだ。

 またパワーアンプ回路に使われている高音質フィルムコンデンサーは、同社ハイファイアンプと同じグレードのパーツとかで、これはコスト的にAVセンターでは使えなかったものとのことだった。

画像3: マランツから“新しいカテゴリー”の注目モデル「NR1200」が登場。HDMI端子を備え、様々なネットコンテンツも楽しめる、2chハイファイアンプ

 さて今回、NR1200とNR1710で、クラシックや女性ボーカルCDを使ったアナログ接続とデジタル接続の音を聴かせてもらった。

 アナログ接続では、NR1710も勢いのあるサウンドを聴かせてくれるが、NR1200はハイファイモデルを狙ったと言うだけあり、S/Nがぐっとよくなって、ステージの見通しがいい。弦の響きや胴鳴りも迫力がアップする。派和−アンプ回路の余裕が音の違いに出ているのだろう。

 デジタル入力(光)でも、電子オルガンやドラムといった楽器のひとつひとつが明瞭になり、音の粒立ち、解像感の違いがある。全体に音離れがいいので、奥行き方向の情報が出てくる。ディファレンシャルDACによるS/N改善の効果だろう。

 NR1200は薄型テレビ等と組み合わせる製品として、たいへんよく考えられている。ドルビーアトモスなどの映画サウンドをオリジナルの通りに楽しむならNR1710などのAVセンターを選ぶべきだが、もっと手軽にリビングでいい音を楽しむなら最適な選択肢になるだろう。

 なお、NR1200は本対のみでAmazon Musicを試聴でき、先日発表のあったAmazon Music HDも再生できるそうだ。

画像4: マランツから“新しいカテゴリー”の注目モデル「NR1200」が登場。HDMI端子を備え、様々なネットコンテンツも楽しめる、2chハイファイアンプ

「NR1200」の主なスペック

●定格出力:75W×2(8Ω、20Hz〜20kHz、THD 0.08%)
●S/N:98dB
●接続端子:HDMI入力5系統、HDMI出力1系統、アナログ音声入力3系統、フォノ入力1系統(MM)、デジタル音声入力2系統(光、同軸)、2.2chプリアウト 他
●対応ハイレゾフォーマット:WAV、FLAC、ALAC、DSD
●対応サンプリングレート:最大192kHz/24ビット(リニアPCM)、DSD5.6MHz
●寸法/質量:W440×H105×D378mm(アンテナ除く)/7.9kg

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