Ginza Sony Park(銀座ソニーパーク)では、9月6日(金)より、実験的プログラム第10弾『#010 MUSIC IN THE PARK〜東京スカパラダイスオーケストラと作る音楽の森〜』を開催する。
本プログラムでは、銀座ソニーパークを訪れた方々が様々な体験を通して音楽を楽しむ「音楽の森」が登場。「音楽の森」に散りばめられた仕掛けは、今年デビュー30周年を迎えた東京スカパラダイスオーケストラ(スカパラ)と共に作り上げられている。
数十本の音楽の樹々からなる「MUSIC FAMILY TREE」は、スカパラがこれまでの30年間でコラボレーションや演奏参加してきた120曲を回遊しながら聴いていくもの。1990年代より関わりの多い小沢健二氏や最新コラボアーティストの桜井和寿氏など、幅広いアーティストとの「系譜」とも言える体験型展示は、J-POPの歴史を垣間見ることができる。
そして先日、『#010 MUSIC IN THE PARK』のマスコミ向け内覧会が開催された。そこではスカパラのメンバーと、ソニー企業株式会社 代表取締役社長兼チーフブランディングオフィサー永野大輔氏が登壇し、今回のイベントや音楽にまつわるトークショウが開催された。以下でその概要を紹介しょう。
永野 今日は『#010 MUSIC IN THE PARK』の見どころをメンバーに語ってもらおうと思っています。谷中さん、いよいよですね。
谷中 僕らはソニービルがクローズする時と、銀座ソニーパークがオープンする時にも関わらせてもらったんですが、今回は3回目ということでさらに楽しみにしていました。先ほど展示を見せてもらいましたが、挿絵のない音楽の本というか、絵や映像に頼らずに本を読んでいるような気分になりました。
永野 最初に「音楽の森」というテーマを相談させてもらった時には、どう思われましたか?
谷中 わくわくしました。でも、自分たちのバンド紹介では面白くないので、もっとグローバルに見渡せるものにできるといいと思ったのです。するとギターの加藤から、「FAMILY TREE」というアイデアが出て、そこから広がりました。
永野 銀座ソニーパークの来場者には、特に目的を決めずに来る人も多いんです。今回も、イベントでスカパラの曲を初めて聴く人にも楽しんでもらえるものにしたいと考えています。
そのメインコンテンツが、「MUSIC FAMILY TREE」です。地下2Fにたくさんの木が立っていますが、そこにこれまでのスカパラのコラボ曲105曲と代表曲5曲の合計120曲を聴けるようになっています。ぼく自身も、120曲の立体のアルバムのように感じたのですが、皆さんいかがでしたか?
GAMO 30年ですからね、びっくりするくらいのアーティストとコラボさせてもらっています。これでも全部ではないのですが、こんな人ともコラボしたなぁと改めて思い出しました。すごく感慨深かったですね。
茂木 厳選で120曲は、本当に凄いですね。何よりさすが銀座ソニーパークですね、ヘッドホン120個設置して、全部聴けるようになっているんだから(笑)。30年分のセッションを、思う存分楽しめる空間があるのは、素晴らしいことです。
谷中 先ほど聴かせてもらいましたが、音も凄くよかったよね。
沖 デビュー当時の音源を聴くと、その場面がぱっと甦ってくるというか、不思議なわくわくする空間でした。
永野 会場にはグラスサウンドスピーカーを14個並べて、それぞれでスカパラのメンバーの演奏を再生しています。この真ん中で聴くと、楽曲が綺麗に聞こえますが、耳を近づけていくと各パートだけ、例えば谷中さんのバリトンサックスだけ聴くこともできます。
谷中 恥ずかしいですね(笑)。でもこれは凄い体験ですね。自分なりのミックスが楽しめる画期的なシステムです。
大森 まさにレコーディングの現場、録音スタジオが体験できる、音楽の森と呼ぶに相応しい空間ですね。
永野 続いてB4Fの「ginza paradise record」は、今回のためだけに作ったレコードショップです。加藤さんから、ジャマイカのダンスホールみたいな空間で、レコードを売っていたら楽しいよねというお話があったんです。
加藤 SKAが誕生した1960年代のジャマイカでは、新曲が出来上がるとすぐにレコードにして、DJがダウンスホールでかけていたそうなんです。それを再現できたらいいと。
川上 僕らはレコード、いわゆるビニールで育ってきました。ちょうどデビューする頃にレコードはもう終わりだいわれていたんです。今でもレコードショップはありますが、若い人の中にはレコードに触ったことがない方も多いと思うので、レコードに触れて、ビニール愛を感じて欲しいと思いました。
永野 展示してあるレコードやオリジナルグッズは実際に買えますので、ぜひ手に取っていただきたいと思います。最後に、ファンの皆さんにメッセージをお願いします。
谷中 「東京」の名前をつけたバンドとして、銀座のど真ん中でのイベントに参加させていただけるのは本当に光栄です。銀座ソニーパークは余白を大切にしていると聞きましたが、その余裕は人間の心の中でも大切だなと考えました。
音楽というものは、心の中に余白を作るものなのではないか。そんな音楽と心の中の余白についての文章も書かせてもらいました。B2Fにはそれも展示してもらいましたので、ぜひ読んで下さい。
SKAという音楽も、余白のある、人が関わってくる余地があるからいいのかなとも思います。お客さんやゲストボーカリストが入ってきて完成する音楽を僕らはやっているんじゃないかな。そんな余白を大事にしたバンドとして、こんなスペースや展示ができたのはありがたいです。そして皆さんに楽しんでいただけたら嬉しいです。
この他に、NARGOさんと北原さんによる、金管楽器を学んでいる子供達へのワークショップや、川上さんによるSka Music講座も予定されており、永野さんによると既に多くの応募が集まっているそうだ。
またユニークな展示として、ファンからの質問にメンバーが答える「教えてスカパラ兄さん」や、期間中メンバーが手元に持っているタブレットのカメラからの映像が表示される「スカパラの窓」も気になるところ。銀座ソニーパーク側の様子もメンバーに見えているので、アイコンタクトできるかもしれない(音は聞こえない)。
スカパラは今年でデビュー30周年とのことだが、ということは先述の120本の楽曲には“平成の日本の音楽”の変遷がすべて詰まっていると言ってもいいだろう。ぜひ銀座ソニーパークで、平成の音楽史に触れていただきたい。
『#010 MUSIC IN THE PARK〜東京スカパラダイスオーケストラと作る音楽の森〜』概要
●開催期間: 9月6日(金)〜10月6日(日)10:00〜20:00
●会場:Ginza Sony Park 地下2階〜地下4階
●料金:入場無料
<展示概要>
MUSIC FAMILY TREE(地下2階)
幅広いジャンルのアーティストによる120曲を、回遊しながらヘッドホンで試聴できる。東京スカパラダイスオーケストラが、30年間でコラボレーションや演奏参加してきた、数多くのアーティストたちとの「系譜」とも言える体験型展示。
ginza paradise records(地下4階)
メンバーひとりひとりの想い出の一枚や人生を変えた作品など、様々なジャンルのレコードを揃える限定ショップ。メンバー9人のシルエットをイメージしたショップロゴがデザインされた限定オリジナルグッズも販売。
●営業期間:9月7日(土)〜10月6日(日) 11:00〜20:00※定休日なし
<連動イベント>
ワークショップ「スカパラメンバーと『Paradise Has No Border』を演奏しよう!」(地下4階)
ホーンセクションのNARGO氏と北原雅彦氏を講師に迎え、金管楽器を学ぶ小中高生を対象としたワークショップを開催。楽器演奏や課題曲のポイントを直接指導してもらいながら、課題曲「Paradise Has No Border」を演奏。
●日時:9月21日(土)(1)小学生の部13:00〜14:30、(2)中高生の部15:30〜17:00
●参加費:無料
●参加人数:(1)小学生の部15名、(2)中高生の部30名
●参加方法:9月9日(月)24:00の締め切り後の抽選(詳細は関連サイトを参照)
オープンカレッジ「Park College#05 川上つよしのSka Music講座」(PARK B4/地下4階)
ベーシストの川上つよし氏を講師に迎え、「Ska Music」をテーマに、スカ発祥の歴史や世界のスカなどについてトークショウを開催。
●日時:9月18日(水)20:00〜21:30
●参加費:500円(ワンドリンク、シート付予約券)
●参加人数:50名
●参加方法:9月9日(月)24:00の締め切り後の抽選(詳細は関連サイトを参照)
Tokyo Ska Paradise Orchestra 30th anniversary Park Live in New York(Sony Hall)
この秋、Ginza Sony Parkの「Park Live」が海外に初進出。出演は東京スカパラダイスオーケストラ。ニューヨークにあるSony Hallでのライブを開催。
●日時:10月22日(火)
●開場:18:00、開演:20:00
●場所:Sony Hall 235 West 46th Street, New York, NY 10036
●料金:一般$35、当日$40、特別席$75