TCLジャパンは本日午後発表会を開催し、日本市場で同社製4K液晶テレビの販売を本格スタートすると発表した。新製品は3シリーズ7モデルで、それぞれの型番と価格は以下の通りだ。
65X10 市場想定価格20万円前後(10月中旬発売)
65C8 市場想定価格12万円前後(9月20日発売)
55C8 市場想定価格9万円前後(9月20日発売)
65P8S 市場想定価格10万円前後(9月20日発売)
55P8S 市場想定価格7万円前後(9月20日発売)
50P8S 市場想定価格6万円前後(9月20日発売)
43P8B 市場想定価格5万円前後(9月20日発売)
TCLは、1981年に創業した中国発の総合家電メーカーで、その社名は、「The Creative Life」の頭文字を組み合わせたものだという。その名の通りイノベーティブな製品を多く送り出しており、TV、携帯電話、ヘッドホンなど製品ジャンルも多数揃えている。ちなみに2018年のワールドワイドでのテレビ販売台数で同社はサムスンに次いで第2位を達成したそうだ(出荷数ベースの市場シェア10.9%)。
1999年から世界展開をスタートし、2015年9月には日本法人のTCLジャパンを設立、2017年からはアマゾンでテレビの販売を開始している。そして翌年の4Kテレビの販売(アマゾンと一部量販店)を経て、今回の日本市場への本格参入に至ったわけだ。
同社テレビの特長は、パネル、モジュール、本体といったパーツをすべてTCL内部で製造する垂直統合を実現している点だという。ちなみにディスプレイパネルの製造はグループ会社のCSOT(華星光電)が手がけており、CSOTは65/70/85インチの8Kパネルが製造できるラインも持っているとのことだ。
では、そんなTCLが日本市場に向けてリリースした新製品について詳しく紹介しよう。今回の新製品はすべて4K解像度の液晶パネルを搭載し、地デジ/BS/110度CSデジタルチューナーを2基搭載している。ただし4Kチューナーは非搭載なので、4K放送を楽しみたい場合は単体チューナーを準備する必要がある。
また全モデルともアンドロイドTV搭載機で、アプリをダウンロードすれば映像ストリーミングサービスやゲームも楽しめる(別途契約は必要)。もちろんグーグルアシスタントの音声検索や、クロームキャスト機能にも対応済みとなっている。
さて、今回のトップモデルとなる「65X10」は量子ドット技術を採用した「QLED」(Quantum Dot LED)パネルを搭載している点がポイントだ。
量子ドットとは、半導体材料から作られる微細なナノ結晶で、この量子ドットを含んだフィルムをバックライトLEDと液晶パネルの間に取り付けることで、テレビで表示できる色域が拡大されるという。今回の65X10
では同社従来モデルに比べて色域が115%に拡大され、より深く、より多くの色が再現できるようになっているそうだ。
バックライトの前にフィルムを追加すると光の透過率が下がって画面が暗くなってしまうのではないかと心配する方もいるだろうが、65X10では15,000個の直下型LEDを搭載し、ピーク輝度1,500nitsを実現したという。これは一般的な液晶テレビの3倍近い値だ。
さらにそのバックライトを768のゾーンに分けてローカルディミング(部分駆動)を行なうことで、高いコントラスト再現も可能にしている。パネル自体も120Hz駆動なので、動きぼけも少ないだろう。
HDR方式については、HDR10、HLG、ドルビービジョンの3つに対応済み。しかも付属のサウンドバーはドルビーアトモスの再生機能まで備えている。
65X10ではこれらの最先端機能を、日本の“詫び寂び”をモチーフにした、虚飾を排したシンプルなデザインに収めている。このボーダレスなデザインとエッジレス(ベゼルは2mmしかない)が、ユーザーの没入感につながっていくとTCLでは説明していた。
弟機となるC8シリーズは、4K液晶のハイスペックモデルという位置づけで、バックライトを1296ゾーンに分けてローカルディミングを行なうマイクロディミング技術を搭載。さらにHDRに対応するWCG(Wide Color Gamut)を採用することで、鮮やかな色彩やコントラストを再現するそうだ。
付属のサウンドバーはドルビーオーディオ対応で、豊かな音場を再現してくれる。
最後のP8シリーズは4K液晶のベーシックモデルで、マイクロディミング技術やWCGはC8シリーズを踏襲しているが、サウンドバーは搭載されていない。