フォーカルポイントは、maktar(マクター)ブランドのペン型D/Aコンバーター「SPECTRA X」に関する説明会・試聴会を開催した。

 同社は骨伝導式イヤホンや各種PC周辺機器、スマホケース、モバイルバッテリーなど様々な製品の輸入販売を手がけている。今回のSPECTRA Xもそのひとつで、手のひらに収まるモバイルD/Aコンバーター(DAC)となる。現在クラウドファンディングの募集を行なっており、開始早々に目標額を達成した事も話題を集めた。

※クラウドファンディングのサイトはこちら → https://greenfunding.jp/focal/projects/2907

画像: USB-Cタイプの「SPRCTRA X」を使った試聴システム。ヘッドホンは「Signature DXP」

USB-Cタイプの「SPRCTRA X」を使った試聴システム。ヘッドホンは「Signature DXP」

 SPECTRA Xは、直径11.2mm、長さ89mmの円柱形本体の中に、最大384kHz/32ビットのリニアPCMと11.2MHzのDSD信号のデコードができるDAC回路が内蔵されている。

 さらに本体の片方にはPCやスマホとつなぐためのケーブルが、反対側には3.5mmのヘッドホン/イヤホン用コネクターが準備されている。つまりスマホなどの再生機とヘッドホン/イヤホンの間に本機をつなぐこと、で高品質なサウンドが楽しめるようになるのだ。しかも電源は再生機側から給電されるので、充電の手間もない。

 ケーブルコネクターの仕様は、USB-A、USB-C、Lightning(型番はSPECTRA X2)の3種類が準備されており、それによってクラウドファンディングでの価格が異なっている。

 DACチップにはESSのSABRE 9018Q2Cを採用。さらにXtra SOUNDによる歪み低減テクノロジーを組み合わせることで、よりよい音楽体験を提供するという。

画像: Lightning端子を装備したバージョンの型番は「SPECTRA X2」となる。写真は現在開発中の試作機で、製品版とは仕様が異なる

Lightning端子を装備したバージョンの型番は「SPECTRA X2」となる。写真は現在開発中の試作機で、製品版とは仕様が異なる

 使い方としては、PCやスマホにSPECTRA Xをつなぎ、音楽再生アプリで楽曲を選ぶだけ。説明会ではMacBookにインストールしたPine Playerを使っていたが、DSD 11.2MHzまでストレスなく再生できていた。

 なおその説明会では、SPRCTRA Xにウルトラゾーンのヘッドホン「Signature DXP」「Signature Studio」が組み合わせられ、音源にはUAレコードの『エトレーヌ/情家みえ』の4種類の音源が使われていた。それもあり、会場にはアユートの堀良一さん、e-onkyo musicの祐成秀信さん、麻倉怜士さんも参加して、それぞれの立場からハイレゾの現状と楽しさを紹介してくれた。

 つまり今回の説明会は新製品紹介のためだけでなく、SPECTRA Xのようなアイテムを使って、これまでハイレゾを聴いたことがないユーザーにも広く興味を持ってもらおうという思いが込められていたのだろう。

画像: “極上の音楽体験がその手の中に” maktarのペン型D/Aコンバーター「SPECTRA X」のクラウドファンディングが好調。そのサウンドをじっくり聴き比べてきた

 なお麻倉さんによると今回提供された音源は2017年のレコーディング時にスチューダのA-800テープレコーダーを使い、2インチテープに76cm/秒・24トラックで録音した素材を使っているそうだ。

 そのテープから2ch版を作り、それを再生してDAWのピラミックスでDSD11.2MHzと、384kHz/32ビットファイルを作成。CDマスター用に使った192kHz/24ビットファイルと44.1kHz/16ビットファイルを含めた4種類の音の違いを体験できるようになっていたわけだ。

 麻倉さん曰く、「384kHz/32ビットで収録したDXDファイルからDSD11.2MHzファイルを作ることも多いけれど、今回はすべて同じアナログマスターからダイレクトにハイレゾファイルに変換しています。なので、フォーマットの違いを一番よくわかってもらえることでしょう」とのことだった。

画像: 麻倉さんも「SPECTRA X」の魅力をアツく語ってくれた

麻倉さんも「SPECTRA X」の魅力をアツく語ってくれた

 会場では、マックにつないだSPECRA X & Signature Studioという組み合わせで4つの音源を聴き比べさせてもらった。

 44.1kHz/16ビットは、CDを再生した時よりもS/Nがいい印象で、とてもクリアーだ。ピアノのキータッチなどの細かな情報もきちんとわかる。続く192kHz/24ビットファイルでは、音場が広くなり、ステージまでの距離感がより明瞭になる。ピアノの響きが消え際まで綺麗だ。

 382kHz/32ビット版になると、収録スタジオの中がいっそう静かで、静寂の中からピアノの音がすっと浮き立ってくる印象となる。楽器の配置や情家さんの立ち位置までわかるようだ。そしてDSD11.2MHzではピアノの立ち上がりがスムースで、声の聞こえ方が優しく、耳に心地いい。自然なニュアンスがきちんと伝わってきた。なお384kHz/32ビットとDSD11.2MHz再生時には音量が若干下がってしまうので、Pine Player側でボリュウムを2〜3ステップ上げている。

 こんなに小さなアイテムで4つの音源の違いをしっかり描き出した点も驚きだし、そもそも基本的な音質がしっかりしているのも素晴らしいと感じた次第だ。

画像: 試聴で使った4種類の音源の作り分け方も紹介された

試聴で使った4種類の音源の作り分け方も紹介された

 CDメディアの不振も言われる昨今、音楽再生の手段は間違いなくスマホやPCを使ったファイル再生やストリーミングに移行している。そんな中で、手軽にいい音を楽しめるアイテムを求めているユーザーは多いはずだ。SPRECTRA Xがクラウドファンディングで好調なのも当然かもしれない。

 なおSPRECTRA Xのクラウドファンディングは9月2日深夜23:59終了予定で、実際の製品が届くのは9月以降になるという。それらクラウドファンディングの申し込み分が納品された後に一般販売をスタートするが、こちらは9月下旬以降になるだろうとの話だった。一般販売時の価格はUSB-A/USB-Cタイプが¥24,800、Lightningタイプが¥27,800(どちらも税別)を予定している。

画像: e-onkyo musicでは、現在53,000曲のハイレゾ音源を配信中とのこと

e-onkyo musicでは、現在53,000曲のハイレゾ音源を配信中とのこと

This article is a sponsored article by
''.