静寂感と音質を徹底追求したヘッドホン
近年のヘッドホン/イヤホンシーンは「ブルートゥースワイヤレス」と「ノイズキャンセリング」のトレンドを外しては語れない。ヘッドホンがケーブルの呪縛から解放されると取り回しがよくなり、外に持ち出す機会も増えてくる。そして、雑踏の騒音がノイズキャンセリング機能により解消されると、より明瞭な音で音楽を楽しめる。
すなわち場所を問わずどこでも自由に音楽を楽しむためにこれらは外せない2大要素なのだ。
そこに「音質」という3つ目のファクターをプラスしたのが、デノンのAH-GC30である。その特徴は、静寂感と音質を徹底追求した本格志向となる。同社フラッグシップヘッドホンにも使用されるフリーエッジ・ドライバーを、初めてノイズキャンセリングヘッドホンに採用したことが大きなトピック。そのほかブルートゥースで48kHz/24ビット相当での伝送を可能にする高音質コーデック「aptX HD」を採用し、有線によるアナログライン入力や珍しいUSB入力によるデジタル接続も備える。
また、強力なデジタルノイズキャンセリング機能も魅力。「飛行機」「シティ」「オフィス」の3モードが用意され、シチュエーションに合わせて的確なノイズキャンセリングモードが選べる。
試用したブラックモデルは、マット塗装されたハウジングをアルミダイキャスト製のハンガーで支える、質感高いデザインが印象的だ。
aptX HD対応のスマホとブルートゥース接続をして、チャーリー・プース『ヴォイスノーツ』を聴く。強めの側圧により遮音性は良好。全帯域に力があり、バスドラムにもスピード感がある。続いてパソコンとのUSB接続で同曲を試聴すると、絶対的な情報量や空間表現が大きく向上。ノイズキャンセリングをシティモードにすると、一瞬で外部の騒音が消え、音が明瞭になる。
本機は、ブルートゥースの手軽さとノイズキャンセリングの便利さを備えつつ、ワイヤレス以外の接続方法も充実。本格的なハイファイヘッドホンのような音質も実現した逸品と言えるものだ。
Denon/AH-GC30
●形式:ノイズキャンセリング機能付きワイヤレス型ヘッドホン
●使用ユニット:40mm口径
●Bluetoothコーデック:AAC、SBC、aptX、aptX HD
●接続端子:USBマイクロB、3.5mmステレオミニ
●ケーブル長:1.3m
●連続再生時間:約20時間(Bluetooth/ノイズキャンセリングONの場合)
●充電時間:約2時間
●質量:287g
●付属品: USBケーブル(マイクロB端子、1.2m)、キャリングケース
問合せ先:デノン・マランツ・D&Mインポートオーディオお客様相談センター 0570-666-112