新しい映画体験ができると話題のDolby Cinema(ドルビーシネマ)対応劇場が、JRさいたま新都心駅近くの「MOVIXさいたま」内に4月26日(金)オープンする。本日、そのパフォーマンスを体験出来る先行内覧会が開催されたので参加してきた

画像: 劇場最後尾からスクリーンを臨む。ほどよい傾斜が設けられ、シートに座っても前の人の頭が気にならない

劇場最後尾からスクリーンを臨む。ほどよい傾斜が設けられ、シートに座っても前の人の頭が気にならない

 MOVIXさいたまは2004年にコクーン新都心が誕生した際にオープンした歴史を持つ、松竹マルチプレックスシアターズが運営する劇場だ。現在でもトップクラスの売り上げ実績を持っているそうで、熱心な固定ファンがいることは間違いない。

 松竹マルチプレックスシアターズではその実績を踏まえ、さらに映画ファンに最高の体験をしてもらいたいという思いも込めて、ドルビーシネマを導入したそうだ。改装は昨年12月にスタートしたが、ドルビーが求める基準をクリアーして劇場が完成したのが半年が過ぎたこのタイミングだったという。

 その条件とは、「ドラマチックな映像」「心揺さぶるオーディオ」「究極のシアターデザイン」の3つ。

 「ドラマチックな映像」とは、レーザープロジェクターによるドルビービジョンの再現だ。一般的な映画館はコントラスト比が1800:1前後というが、ドルビーシネマでは100万:1を実現している。輝度も14フィート/ランバート(48nits)に対し31フィート/ランバート(108nits)と従来の2倍以上の値となる。

 もちろん黒はしっかり沈むので、これまでの劇場とは桁の違う体験ができることだろう。今回解説をしてくれたドルビージャパン大沢幸弘氏も「これまで皆さんは本当の黒を観ていなかったのです」と自身たっぷりに紹介してくれた。

 スクリーンサイズは幅13.92×高さ5.8mとのこと。スクリーンのタイプ(シルバーかマットかなど)は公表していないそうだが、にじり寄って観察した限りではマットに近い印象だった。それもあってか、レーザープロジェクターで目に付きやすいスペックル(ちらつき感)もほとんど気にならなかった。

画像: シートの間隔も広く、ゆったりと座って映画の世界に浸れるはず。肘掛けも左右に設けられている

シートの間隔も広く、ゆったりと座って映画の世界に浸れるはず。肘掛けも左右に設けられている

 「心揺さぶるオーディオ」はもちろん、ドルビーアトモスのことだ。今回の劇場では、作品以外の情報ができるだけお客さんの目に入らないようにとの配慮から、フロント、サラウンド、サラウンドバックスピーカーやサブウーファーはスクリーンや壁の裏に埋め込まれている。

 それもあり、スピーカーのチャンネル数等は公表していないとのことだった。ただトップ(天井)スピーカーは露出しており、左右に各8基、合計16基が取り付けられていた。そのスピーカーは「SLS 3-Axis Speaker MA460/480AS」というモデルで、ドルビーがトップスピーカー用として推奨している製品だ。

 ちなみにドルビーアトモスの劇場用仕様書によると、トップスピーカーは左右の壁面スピーカーを結んだ直線上に配置するのが一般的とされているので、そこから推測するとサラウンドスピーカーも8基前後取り付けられているだろう。サラウンドバックはスピーカーの間隔から左右各2基くらいと思われる。

 「究極のシアターデザイン」は、劇場内に一歩足を踏み入れると納得できる。壁面もダークなトーンで光を反射しないし、シートもすべて黒仕上げだ。さらにシートは通常よりも座面が大きく、前後の間隔も広い。

 細かいことだが、隣のシートとの間の肘掛けが各シートの左右に配置されており(つまり座席の間に肘掛けがふたつある)、映画を観ている時に隣の人と肘がぶつかるということはない。もちろんドリンクホルダーも左右どちらを使ってもいい。

 こういった“ゆとり”を作るために、もともとは420席あった空間ながら、ドルビーシネマでは290席(プラス車椅子用2席)に変更されている。

画像: 写真では分かりにくいが、照明の横にアトモス用のトップスピーカが各8基並んでいる

写真では分かりにくいが、照明の横にアトモス用のトップスピーカが各8基並んでいる

2時間をあっという間に感じさせる映画体験

 さて内覧会ではドルビーシネマを支持しているハリウッド映画人からの推薦コメントに続き、様々なトレーラーが上映された。

 それらの作品の中には既に他の劇場やUHDブルーレイで見たことがあるタイトルも含まれていたが、色の深さや光の再現、コントラストの力感などはやはり別格。3Dコンテンツも明るさが取れていて、メガネ越しでも不満はない。

 3Dメガネはドルビー3D用の色偏光タイプで、2台のプロジェクターで右目、左目それぞれの映像を投写する仕組だ。それもあり、3D上映時も従来の約2倍の14フィート/ランバートを実現しているそうだ。

画像: ドルビー3D用のメガネ。ダイクロイックミラーを使って右目、左目用の映像を識別する仕組

ドルビー3D用のメガネ。ダイクロイックミラーを使って右目、左目用の映像を識別する仕組

 それらのデモコンテンツに続き、『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』本編が上映された。これは2時間半近い作品で、僕自身映画館と自宅で既に3回ほど観ている。しかし今日の映像と音はそういったことを気にさせない説得力を持っていた。宇宙空間の黒の沈みと星々の細かさ、さらに宇宙船や登場人物の衣装と鎧(特にサノスのグローブ)の光沢はこれまで観たことのないレベルだ。

 これを観てしまうと、最新作の『アベンジャーズ/エンドゲーム』もドルビーシネマで体験するしかないと思ってしまう。実際26日のオープニング作品が『〜エンドゲーム』なので、MOVIXさいたままで足を運ぶ価値は充分あるだろう(まんまと策にはまったようで癪だけど)。

 今後もドルビーシネマでは『名探偵ピカチュウ』『ゴジラ キング・オブ・モンスターズ』『アラジン』などの注目作の上映が予定されている。関東圏の映画ファン上映スケジュールをこまめにチェックしていただきたい。なおドルビーシネマは通常料金プラス500円(3Dの場合はプラス900円)となる。

画像: ドルビービジョン用のレーザー光源プロジェクターを2基備えている

ドルビービジョン用のレーザー光源プロジェクターを2基備えている

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