ハーマンインターナショナルは、六本木のミッドタウン内にあるハーマンストアにて、同社がこの半年の間に発売したJBLブランドのスピーカー新製品のプレス向けミニ試聴会を開催した。

 用意されたのは、昨年9月に発表(発売は11月)された「L100 Classic」(¥456,000+税、ペア)、同年11月発表(発売は12月)の「JBL 4312G」(¥240,000+税、ペア)、そして本年3月に発売されたばかりの新鋭「JBL PARTYBOX 300」(オープン。同社通販サイト価格¥54,880+税)の3台。

 試聴は新しい順に行なわれたので、紹介とインプレッションの記述もそれに倣いたい。まず、最新鋭のJBL PARTYBOX 300は、同社Bluetoothスピーカーの中では最大サイズであり、寸法はH690×W310×D320㎜、質量は15.84kgとなかなかビッグなもの。バッテリーを内蔵しているので、メーカーでは、持ち運びも可能と謳っている。カーキャンピングなどでも使えるようにシガーソケットからの充電ケーブルも同梱する。

画像: 「JBL PARTYBOX 300」。ウーファーユニットの周囲にはLEDライトが埋め込まれており、メロディに合わせて点灯する

「JBL PARTYBOX 300」。ウーファーユニットの周囲にはLEDライトが埋め込まれており、メロディに合わせて点灯する

 仕様は2ウェイで、ユニットは5.7cmトゥイーター×3、16.5cmウーファー×2の5スピーカーを搭載する。トゥイーターについては横置きにしたときの上面に来る位置に2基、縦置きにしたときの上面の2基、つまりL字型に配置されていて、向きを感知して、上面に来る2基が駆動するようにセッティングされている。

画像: 「JBL PARTYBOX 300」の端子部。USB端子はスマホなどへの給電用。USBメモリーに収録した楽曲(WAV、mp3)のダイレクト再生も可能。ちなみに、BluetoothのコーデックはSBCのみ。中央の「L/R」ボタンは、2台を有線接続した際に、LとRチャンネルの切り替えに使う

「JBL PARTYBOX 300」の端子部。USB端子はスマホなどへの給電用。USBメモリーに収録した楽曲(WAV、mp3)のダイレクト再生も可能。ちなみに、BluetoothのコーデックはSBCのみ。中央の「L/R」ボタンは、2台を有線接続した際に、LとRチャンネルの切り替えに使う

 再生周波数帯域は45Hz~18kHzで、さすがは16.5cmウーファーを搭載するだけあって、低音の量感は迫力も充分。バスブースト機能(ボタン)もあり、機能をONでさらに低域を増幅可能だ。

 なお、そのウーファーユニットの周囲にはLEDライトが組み込まれており、製品名の通りパーティ会場などで、音だけでなく光の演出も行なえるようになっている。

 低域の再現性は、16.5cmウーファーユニットを2基搭載しているだけあって、通常モードの再生でも充分にパワフル。腹にズンと来るエネルギーを感じることができる。ワイヤレス接続で2台まで(同じ音を再生する)つなげ、有線接続であれば、2台を使ってのステレオ再生にも対応する。なお、内蔵バッテリーの駆動時間は連続18時間。充電時間は5時間となる。

 JBL 4312Gは、1970年代にベストセラーモデルとなったModel4310シリーズの最新作。JBL創業70周年を記念した「4312SE」をベースに、ラインナップモデル化した製品で、3ウェイブックシェルフ型という構成は引き継ぎつつ、ウーファーは本モデルのために開発されており、「K2 S5800」搭載の「1200FE系ユニット」の特徴を引き継ぎつつ、分解能をより高めているという。後述するL100 Classicも同等品を搭載する。

画像: 「JBL 4312G」

「JBL 4312G」

画像: 「JBL 4312G」(右)と「L100 Classic」(左)。ウーファーのユニット系は同じだが、細部の作り込みが異なっている

「JBL 4312G」(右)と「L100 Classic」(左)。ウーファーのユニット系は同じだが、細部の作り込みが異なっている

 トゥイーターは25mm径でアルミ・マグネシウム合金のドーム型、ミッドは125㎜のパルプコーンで、どちらもSE搭載品と同じだが、ミッドについては生産国が(SEと)異なるという。

 サウンドは、300㎜径ウーファーによる芯のある引き締まった低音が特徴だろう。音像の描き方も見事で、定位感も抜群。女性ボーカルの表現は立体的で、こちらに迫って来るような印象を受けるほどだ。

 L100 Classicは、同社1970年代の大ヒットモデル「L100 Century」をモチーフに、最新技術を投入して製品化された、ミドルサイズのブックシェルフ型スピーカー。こちらも4312Gと同じく3ウェイ構成で、ウーファーユニットも4312Gと同じ300mm径のコーン型(JW300PW-8)だが、マグネットをより強化した仕様で、低域の量感をさらに増すような設計が施されている。

画像: 「L100 Classic」

「L100 Classic」

 その手法はキャビネットにも及んでおり、本体を構成する6面の板厚は各1インチ(2.54mm!)、内部には共振防止のV字ブレーシングも取り付けられているなど、入念な作りとなっている。

 ミッドユニットは4312Gと同等品だが、トゥイーターは4312Gのアルミ+マグネシウム合金に対し、本L100ではチタン振動板に変更されている。というのも、当時(1980年代)は、チタン製がメインであり、デザイン的なモチーフだけでなく、音色についても当時の雰囲気を再現することを目的に、選択されたという。

画像: 「L100 Classic」のトゥイーター。チタン振動板を採用する

「L100 Classic」のトゥイーター。チタン振動板を採用する

画像: 「L100 Classic」の特徴的なグリルの裏側なこうなっている

「L100 Classic」の特徴的なグリルの裏側なこうなっている

 そうした剛性感の高いキャビネットから放出される音は、4312Gのそれをしのぎ、特に低域の解像力は高く、細かいサウンドまで繊細に、それでいて剛毅に再現される。重心も下がり、安定感も抜群の仕上がり。もちろん、低域から高域までの帯域はスムーズにつながり、中でも定位感、音場感は、4312Gのベールを一枚剥いだように、クリアーなものとなっていた。

 なお、試聴はグリル付で行なっており、試しに外してみると、高域の勢いというか、押出し感は増すものの、中域が少し強調されるようで、全体的なバランスを見れば、グリル付が正解という印象だった。

 なお、ここで紹介したL100 Classic、JBL PARTYBOX 300については、ミッドタウンにあるハーマンストアの専用試聴室に常備されているので、一般の方も試聴可能。JBL 4312Gは常設していないが、予め同ストアに連絡を取って予約すれば、試聴にも対応してくれるという。
●ハーマンストア 03-5413-8150(11:00~21:00)

画像: 試聴室にはマークレビンソン製のターンテーブル「No515」もあるので、アナログレコードの再生も可能

試聴室にはマークレビンソン製のターンテーブル「No515」もあるので、アナログレコードの再生も可能

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