放送サービス高度化推進協会(以下、A-PAB)は、1月24、25日の両日、都内で「4K8Kワークショップ2019」を開催。これは、昨年12月1日に本放送が始まった「新4K8K衛星放送」に関する専門家を招き、それぞれの観点から放送(4K)に対する感想、知見などを語ってもらおうというセミナー。
25日の11:25からは、弊社「月刊HiVi」や「ステレオサウンドONLINE」に寄稿いただいているオーディオ&ビジュアルライターの鳥居一豊氏による「一般視聴者はこう感じた。新4K8K衛星放送についての印象と期待。」と題したワークショップが行なわれた。
鳥居氏は自宅に別掲のようなホームシアターを構築しており、最新の音響フォーマットであるドルビーアトモス、DTS:Xはもちろん、新4K8K衛星放送についても、対応チューナーを4Kの有機ELディスプレイと組み合わせて、日々、視聴・体験しているそうだ。
ワークショップでは、放送開始以後に視聴した各局の番組をジャンルごと--ドキュメンタリー、音楽、ドラマ、バラエティ、ショップチャンネルなど--に分類して、4K&HDRで視聴した感想を語っていた。
そのコメントを抄録すれば、「HDに比べてさらに一段上の精細感がある」「その場にいる感覚が味わえる」「色の豊かさ、深さをより感じる」というもので、単に映像が綺麗とか、美しいという概念を超え、「実在感や(その場の)雰囲気を体感できる」と絶賛していた。料理が映し出されれば「食欲がわき」、風景が映し出されれば「旅行している感覚が得られた」そうだ。
ちなみにショップチャンネルには驚いたそうで「羽毛の断面が映し出された時、多層的に編み込まれている羽の種類の違いが確認できた!」と感嘆しきりだったという。
量販店のテレビ売り場なども定期的にチェックしているそうで、4Kテレビを見るために、あるいは購入相談するために訪れる人は、老若男女問わず盛況だそうで、市井でも4Kへのニーズは「高い」のを実感しているそう。それは、テレビの販売台数の構成比や金額といった統計にも、4K優位という結果として表れている。
最後に、主にコンテンツ制作者へ向けて「見たいと思うようなコンテンツの、さらなる拡充」を要請して、鳥居氏の会は締めくくられた。ちなみに鳥居氏は、「大好きなF1が春から4K放送されるので、それまでに左旋対応する予定」だとか。