PIEGA(ピエガ)から、2016年に発表されたダイポールシステム&アコースティックレンズ搭載の大型スピーカー「Master Line Source 2」。今回そのスリムバージョンとなる「Master Line Source 3」(MLS3=マスターラインソース3)が誕生した。本体価格は¥5,000,000(ペア、税別)で、12月7日に発売される。
MLS3はダイポール型スピーカーシステムで、その設計・開発に際して、いくつかの新しい技術革新が生みだされた。そのひとつがLine Source Driver(ラインソース・ドライバー)のコンパクト化だ。
ラインソース・ドライバーはダイナミックかつハイスピードな特性を備えており、広い再生周波数をカバーしている。その結果、様々なジャンルの音楽を、音楽的でかつ臨場感のあるサウンドで再現してくれるそうだ。MLS3では新型ラインソース・ドライバー“111”を4基、縦一列に配置している。
このラインソース・ドライバーにマッチするよう、18cm UHQD低域ドライバーも新開発されている。低域再生における最大の課題は、新しいドライバーを小ぶリなエンクロージャー容積でどこまで活かせるかだったが、そのために最新の振動膜素材によるエッジ、ボイスコイル、シャーシといった部品の構成・素材を細かく吟味して設計したという。
さらにMLS3は、通常のスピーカーのようにリビングにも設置できるよう考えられている。4つのラインソース・ドライバーのサウンドが前方へ放射されると同時に、後方に放射されるサウンドエネルギーは精巧に設計された音響レンズを経由して拡散音場に変換される。この音響レンズの回折と反射効果により背面にもサウンドが広大に放射されるので、MLS3は30cm前後まで後方壁への近接設置も可能となっているのだ。
また、ドライバーが持つ低歪み性能を充分に発揮するため、ハウジング内の振動を確実に消し去るための細かな注意も払われている。具体的にはスピーカーのバッフル面はソリッドアルミの塊から切削加工され、高い安定性とダンピング特性を備えた。さらに、その10mm厚のバッフル面は本体エンクロージャーに接着されている。
Master Line Source 3の主なスペック
●型式:3ウェイ3スピーカー
●使用ユニット:ラインソース・ドライバー×4、180mm UHQDウーファー×2、180mm UHQDパッシブラジエーター×2
●能率:92dB/W/m
●インピーダンス:4Ω
●再生周波数特性:28Hz〜50kHz
●クロスオーバー周波数:550Hz、3.75kHz
●寸法/質量:W343×H1650×D362mm(スパイク取付け時)/65kg
※カラリング:シルバー、ブラック、ホワイト、ゼブラウッド