いまやテレビCMで耳にするまでになったという意味では、普及したと言っていいはずの「ハイレゾ」。でも、このハイレゾファイルの再生を実践している方はどれほどいるでしょう。そもそも、ハイレゾって何? とどれだけの方が説明をできるでしょう。

そこで、ハイレゾの基本を改めて記すとともに、いい音を聴くためのハイレゾ再生方法を紹介するのが『ハイレゾの教科書』。読めば間違いなくハイレゾの再生を実現できる、「絶対再生保証」の一冊です。

上記の通り、「ハイレゾとは何か?」から始まり、音源の“タグ”管理の仕方やバックアップの方法までを網羅。

ファイル「再生」という意味でもっとも気になるはずのハードウェアの選び方については、おすすめの5パターンを掲載。USB入力を装備したD/AコンバーターをPCと接続するもよし、PCレスで利用できるネットワークオーディオプレーヤーや、“ミュージックサーバー”と呼ばれる機器を使うもよし。

つまずきがちなPCやネットワークの設定については、動画による解説で対応! 必ずご希望に合ったハイレゾ再生のスタイルが見つかります。

『ハイレゾの教科書』より、「本書の目的」

高品質なハイレゾ再生の世界は、オーディオファイルに至高の体験をもたらしてくれる。しかし、ここ日本において「ハイレゾ黎明期の導入は失敗に終わった」と僕は考えている。なぜなら、そもそも無形の存在であるデジタルファイルの取り扱い方について、オーディオ業界全体で共有できる明確な指針がなかったからだ。

もう少し具体的に言うと、まずCDからデジタルファイル再生への架け橋となる「CDリッピングの手法」について、未だに業界全体で共通認識として持っている最適解がない。そしてハイレゾ音源そのものについても、ダウンロードから再生までの一連の流れや保存方法、さらにデジタル楽曲ファイル最大の特徴である音楽データと共に格納される“タグ”情報編集について、最適な手法を示すことができないままになっているのが現状だ。

日本のオーディオ界では、メーカー、販売店、ユーザーの三者が、それぞれ個別に手探りでデジタルファイル再生の最適スタイルを探すところから、ハイレゾの普及がスタートしてしまった。これは、羅針盤がない状態で、しかも目的地がはっきりとわからない航海を、多くの人が同時に始めたようなものだ。

僕は何人かのオーディオユーザーにデジタルファイル再生の方法を教えた経験があるのだが、「簡素かつていねいに教えれば、覚えてもらうのは決して難しくない」と感じている。実は、本書のベースとなっているのは、その時に僕が自作したマニュアルの一部。

本書では、ハイレゾ再生とCDリッピングの手法について「どうすれば一番楽に作業できるのか」をイチから解説している。しかも大切なページにはQRコードを入れており、それをスマートフォンで読み取ればそのまま動画による解説をご覧いただける。

端的に言うと、オーディオ業界全体で共有できる明確な指針=「ハイレゾ再生の最適解」を示したのが本書だ。ハイレゾ再生の世界における羅針盤のような一冊となるよう思いを込めている。

昨今では、一般向けにスタジオマスタークォリティのハイレゾファイルが発売されている。音源の品質を最重要視するオーディオファイルにとって夢のような時代だ。そして世の中には、CDリッピングやダウンロードをスムーズに行なえるオーディオ製品が多数登場している。本書ではそれらの使い方も含めて解説した。

さらに申し添えておきたいのは、ハイレゾ再生のための最新ハードウェアは、とても高い安定性を獲得しているということ。これでハイレゾ再生への障壁は完全に無くなった。初めての方も、一度諦めてしまった方も、ぜひ本書をお供にハイレゾ再生を実践してほしい。その先には、CD時代までのオーディオ観を変えるかもしれない、素晴らしい体験が待っている。 (土方久明)

『ハイレゾの教科書』詳細はこちら▼
https://www.stereosound-store.jp/fs/ssstore/3078

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