画像: 高橋ユキヒロ Saravah Saravah! CD(日本コロムビア/COCB54275)¥3,000+税 LP(日本コロムビア/COJA9341)¥3,800+税

高橋ユキヒロ
Saravah Saravah!
CD(日本コロムビア/COCB54275)¥3,000+税
LP(日本コロムビア/COJA9341)¥3,800+税

去る10月24日、日本コロムビア/BETTER DAYSより、高橋ユキヒロの『Saravah Saravah!』がCD、LPおよび配信でリリースされた。『Saravah!』は1978年6月キングレコード/セブン・シーズから発売された高橋ユキヒロのファースト・ソロ・アルバム。当時、高橋が在籍していたサディスティックス活動中に誕生したヨーロッパ志向の強い作品だ。『Saravah!』は東京・芝浦にあったアルファレコードのAスタジオでレコーディングが実施された(ミキサーはキングレコードの千葉精一)。今回発売される『Saravah Saravah!』は、長年倉庫に保管されていたオリジナル『Saravah!』のマルチトラックテープを見つけ出し、その演奏パートと新録音による高橋のヴォーカル・パートを新たにミックスした“新装盤”となる。ニュー・ミックスは、先述したアルファ・スタジオにも在籍しイエローマジックオーケストラ(YMO)や高橋とも縁の深いエンジニアの飯尾芳史が担当している。新規のミックス作業は、飯尾エンジニアの現在の拠点となる東京・目黒「モウリアートワークスタジオ」で実施された。

40年前のマルチチャンネル・テープに
新規ヴォーカルをミックスしたことで、
やっとアルバムが完成した感覚ですね

高橋ユキヒロ(以下・高橋) 当時、キングレコードに安藤さんっていうディレクターがいて、BUZZや小林啓子さんなどを担当して、レコーディングなどでお世話になっていました。78年は僕はまだサディスティックスで活動中でしたが、ちょうど何か新しいことをやりたいと考えていた時期に安藤さんに「ソロ・アルバムをつくらない?」と声をかけてもらい、つくったのが『Saravah!』でした。

ーYMOはまだ結成されていない?

高橋 そう。2月中旬に僕は教授=(坂本龍一)と細野(晴臣)さんの自宅に呼ばれて、コタツを囲みながらYMO結成のあの会合を開いています。ほぼ同時期に『Saravah!』のレコーディングを済ませ、3月には鋤田(正義)さんとジャケット写真の撮影のためパリに行きました。4月に細野さんの『はらいそ』、6月に『Saravah!』、10月に教授の『千のナイフ』、11月にYMOのファーストアルバムと、78年はまさに怒涛の年ですね。

ーキングレコードから発売されたアルバムなのにどうしてアルファのスタジオで録音されたのですか?

高橋 はっきりとした経緯は覚えてませんが、細野さんの『はらいそ』(74年4月発売)に収録の「ファム・ファタール」をYMOメンバーでレコーディングし、アルファのスタジオを使っていたので気に入っていたのかも。アルファは最新機材も揃っていましたし。

ー今回のアルバムはマルチトラック・テープが見つからなければ、実現しなかった企画ですね。

高橋 LPのカッティングに使用される2チャンネルのTDマスターは保管されてても、おおもとのマルチトラック・テープは破棄されていたり、行方が分からないケースもあって。『Saravah!』のマルチトラック・テープは幸運にもきちんと保管されていて、よかった。これは僕が26歳の時に制作したアルバムですが、まだ歌いはじめの時期で自分のヴォーカルにずっと不満を持っていました。(山下)達郎や(吉田)美奈子のコーラスは素晴らしいのに、自分のヴォーカルはこれではマズいんじゃないかと。その後、ソロでも23枚のアルバムを作り、自分の歌唱法もずいぶん確立されてきたので、今回録り直すことができ、やっと完成した感覚ですね。

ー40年ぶりに演奏を聞き返して、どんな風に感じられましたか?

高橋 参加メンバーの演奏がとてもテンションが高くて、とにかく上手い。4リズムはせーので録音しているんですが、みんなここぞとばかりにめいっぱいプレイしている様子が伝わってくる。細野さんがここまでバリバリとベースを弾いている演奏は、ちょっとないんじゃないかな。

ー当時のレコーディングはどのくらい時間を費やしたのですか?

高橋 1ヶ月半程度。バッキングの演奏を録り終えた後、歌入れを1日2曲のペースで進めていきました。アレンジを一緒にやっていた教授と話し合いながら、「長いロングトーン・ギターなら、和田アキラ君(プリズムで活動中)でしょ」とかやりとりをしながら進めました。いま聞き返しても、教授のアレンジが抜群にいい。

ー参加メンバーを拝見すると、そうそうたる面々が勢揃いしています。

高橋 ギターの松木恒秀さんを除いて、ほぼ全員20代か30代の若手でした。みんな、スタジオ・ミュージシャンとしては売れっ子で、サディスティックスの頃は多い日は朝から晩まで1日に5つくらいのセッションをこなしていました。78年は『Saravah!』をつくり、YMOを結成することになって、それまでとは違う忙しさに突入していった時期ですね。

ー今日はありがとうございました。

画像: 1978年に発表したファースト・ソロ・アルバムのマルチトラック・テープと新規録音したヴォーカル・トラックをミックスし、アルバム『Saravah Saravah!』を完成させた

1978年に発表したファースト・ソロ・アルバムのマルチトラック・テープと新規録音したヴォーカル・トラックをミックスし、アルバム『Saravah Saravah!』を完成させた

高橋ユキヒロ
Saravah Saravah!
CD(日本コロムビア/COCB54275)¥3,000+税
LP(日本コロムビア/COJA9341)¥3,800+税
〈収録曲〉
1.VOLARE (NEL BLU DIPINTO DI BLU) / ボラーレ
 作詞・作曲/D.Modugno・M.Treppiedi・F.Migliacc
2.SARAVAH! / サラヴァ!
 作詞・作曲/高橋ユキヒロ
3.C'EST SI BON / セ・シ・ボン
 作詞/中原淳一 作曲/A.Betti・A.Hornes
4.LA ROSA / ラ・ローザ
 作詞/高橋ユキヒロ 作曲/加藤和彦
5.MOOD INDIGO / ムード・インディゴ
 作詞・作曲/D.Ellignton・A.Bigard・I.Mills
6.ELASTIC DUMMY / エラスティック・ダミー
 作曲/坂本龍一
7.SUNSET / サン・セット
 作詞・作曲/高橋ユキヒロ
8.BACK STREET MIDNIGHT QUEEN / ミッドナイト・クィーン
 作詞/高橋ユキヒロ、クリス・モズデル 作曲/高橋ユキヒロ
9.PRESENT / プレゼント
 作詞・作曲/高橋ユキヒロ

LIVE情報
高橋ユキヒロ<Saravah! 40th Anniversary Live>
2018/11/24(土) 開場17:00 開演18:00
東京・東京国際フォーラム・ホールC

公式HP
http://columbia.jp/artist-info/takahashiyukihiro/info/61552.html

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