去る8月25日(土)、26日(日)の二日間にわたり、東京・蒲田の日本工学院専門学校 蒲田キャンパス 3号館 7Fにて、オープンデベロッパーズカンファレンス(以下、ODC)が開催された。ODCとは、昨今のDevOps(デヴオプス=開発者と運用者が連携してIT系システムを構築する手法)需要の高まりなどを踏まえて、開発者とインフラエンジニアの交流の場として企画されたイベント。昨年に続いて2回目の開催となった今年のODCでは、イギリスで開発された教育用のミニコンピューター基板「ラズベリーパイ(以下、ラズパイ)」を使ったオーディオシステム、通称「ラズパイオーディオ」に関する体験イベント(ハンズオン)などが実施された。

26日(日)午前の開催となった「ラズパイオーディオハンズオン in ODC2018」には、10名を超える参加者が集まり、雑誌「デジファイ」の付録基板やスピーカーユニットとラズパイ基板を組み合せた、手軽に使えるミュージックシステムづくりに挑戦。簡易エンクロージャーとして用意されたダンボール箱に孔をあけ、スピーカーユニットとアンプを取り付けると、早速ラズパイオーディオ化して楽しんでいた。今回の講師は、ラズパイオーディオの会 会員 第1号でもあるODC事務局スタッフの宮原徹さん。宮原さんは情報技術者として会社経営にあたるかたわら、趣味のオーディオに関連した活動にも積極的に取り組んでいる。とくに私たちが苦手とするネットワークやITに関する豊富な知識と経験を活かして、オーディオの不思議を情報技術者の立場から解決してくれる頼もしい存在。今回もわかりやすいスライドが用意され、優しくていねいな説明で、参加者をゴールに導いていた。

ラズパイ基板で音楽プレーヤーソフトを動かし、デジファイの付録スピーカーから音が出はじめると、参加者からは笑顔が。「やっぱりみんなでやると楽しいし、理解が早いよね!」とのコメントを聴くとことができた。

ラズパイオーディオに関連する耳より情報が続々!

昼食を挟んで、午後からはラズパイオーディオに深いかかわりを持つ3名により「夏のラズパイオーディオミートアップ in ODC2018」が行なわれた。まず最初は、自らワンボードオーディオコンソーシアムを立ち上げ、オーディオメーカー各社とともに精力的な活動を展開している海上忍さんによる「ワンボードオーディオコンソーシアムの現在」 そこでは高精度に加工されたラズパイオーディオ用ケースCASE 01の販売が好調であること、こだわりのD/AコンバーターAVIOT DAC 01の音質的な優位性、LUXMANから試作品が公開されているAUDIO OSECHI BOXの設計・開発における苦労談などが語られた。現在、進行中のハードウェアや、ご自身でプログラミングしているという再生アプリの概要にも言及。とくに再生アプリについては、とても多機能でかつ使いやすそうな印象を受けたので、ぜひ早期リリースを期待したい。

続いて登壇したのは、ラズパイオーディオ用のD/Aコンバーター基板Sabreberry DAC 32の開発者として知られるTakazineさんによる「ラズパイ用ハイレゾDAC開発」 始まるやいなや、エンジニアとしての自己紹介もそこそこに、かなり突っ込んだデジタル技術の解説が行なわれた。デジタル領域でジッターが音質に与える悪影響や、D/Aコンバーターチップの使い方あるいはスペックの見方、再生アプリのデモンストレーションなども披露。ラズパイオーディオ周りでは、超有名なTakazineさんの話だけに、来場者は一言一句を聞き逃すまいと終始真剣な表情だった。

Takazineさんのツイッター
https://twitter.com/takazinezone

最後の講演は、秋葉原で「はんだ付けカフェ」の店長を務めた経験もあるという山田斉さん。現在は、主にアクリル加工を手がける会社(販売サイト→工房Emerge+)を切り盛りしており、デジファイ付録基板用のアクリルカバーの製造・販売も行なっていただいていたこともある。山田さんのテーマは「電子工作でラズパイオーディオをちょっと便利に」 簡単にラズパイオーディオの電源を切る基板の紹介や、Bluetoothを応用したリモコンのつくり方が開陳された。「これなら自分にもできそう!」「すっごい便利じゃん」との声も上がり、今すぐ自分のラズパイオーディオに採用したいという声が多かった。

というわけで、ODC2日目の1プログラムとして開催されたラズパイオーディオ ハンズオンとミートアップ。最新情報をたっぷり仕入れたら、早速自分のシステムにも取り入れたくなってきた。今日は早く家に帰ってラズパイオーディオで遊んじゃおう!

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