太田隆文監督の最新作『明日にかける橋 1989年の想い出』が、6月30日より待望の公開を迎える。毎回オリジナル脚本で熱い感動を届けてくれる氏が今回挑んだのは、過去への哀愁。誰しもが想う、もしもあの時へ……を、鈴木杏の主演を得て、見事スクリーンに映し出すことに成功している。ここでは、鈴木演じる吉行みゆきの少女時代を演じた越後はる香にインタビューした。

――映画初出演おめでとうございます。オーディションを受けた時のことを教えてください。
 オーディションで渡された台本が、ちょうどみゆきが山田先生に啖呵を切るシーンだったんです。思いっきり感情をぶつけることができたので、今でも強く印象に残っていますし、やり切ったという達成感があったので、合格のお知らせをいただいた時は、とっても嬉しかったです。ただ、これからどういう準備をしていけばいいんだろうという悩みとか、初めて入る現場に対する不安はありました。

――役づくりはどのようにしたのでしょう?
 もちろん、台本を読み込むという作業は行ないましたけど、それ以外にいくつか監督から宿題をいただきました。80年代後半のCMとか、音楽、映画資料を聴いて、観てくること、というものや、当時の世相を映したいろいろな資料も渡されましたので、現場に入る前に何回も予習しました。加えて、私の母が劇中で描かれるみゆきと同じく1989年に高校生だったので、当時の話を聞いて、役づくりに活かしました。結構、(みゆきには)自分に近い部分もあるのかなって思いました。

――80年代後半の世相・風俗はいかがでした?
 いまの時代の若者は、携帯やネットがあたりまえにある生活に慣れているので、もし私が鈴木杏さんの演じた大人のみゆきみたいにタイムスリップしてしまったら、どうやって生きていけるのかなって思っちゃいました。大変そうです。

――特に印象に残ったのは?
 ウォークマンですね。結構、レトロなものは好きなので、見たことはありましたけど触ったことがなかったので、ウォークマンってこんなに重たいんだってびっくりしました。

――そうしたものを踏まえて、みゆきをどう捉えましたか?
 自分の意志がしっかりあるんですけど、学校とか親にこういう風にしなさいって縛り付けられていて、やりたいことをオープンにできずにいる女の子なのかなって。そのせいで、ものすごい葛藤を抱えているんだろうなって、想像しました。そういう子なので、何かがあると、さきほどお話ししたオーディションのシーンのように爆発しちゃうという雰囲気や、心の中にある葛藤を、たいせつに表現するようにしました。

――さきほど、ご自身に近いとおっしゃっていました。
 そうですね、自分のやりたいことをするという部分は似ていると思います。加えて、それをきちんと相手に伝えるところも近いんじゃないかなと。ただ、先生に向かってあんな風には反抗しませんけどね(笑)。

――現場での監督からのアドバイスなどはありましたか?
 特にこうしてほしいということはなくて、思ったままにやって、という感じでした。

――みゆきは、弟の事故死は自分のせいではないかと自分を責めるシーンが印象的でした。
 そうですね。藤田朋子さん演じる里美先生とのシーンで、両親には自分の本心を打ち明けられない想いが、大好きな里美先生の前では溢れてしまう、というところが、強く記憶に残っています。

――越後さんのみゆき時代には、本当に両親との意思の疎通ができませんでしたね。
 そうなんです。なので、鈴木さん演じる30代のみゆきが、1989年にタイムスリップし、自分をみゆきと気が付いていない両親(田中美里と板尾創路)と会話するところは、(娘と気づいていない)親側は気兼ねなく本心を口にしていて、見ていてジーンときちゃいました。

――すべてが終わって、鈴木さん演じるみゆきは、どうなっていくと思いますか?
 過去の後悔をクリアすることができたので、子供の時の夢を追いかけていくんじゃないかなって思います。

――今回、映画出演を経験していかがでしたか?
 初めての映画出演でしたので、どうしたらいいのかもあまりよく分からない状態で現場に入りましたけど、たくさんの人に助けてもらいながら完走することができました。少し自信も持てました。でも、これでよかったのかな、もっとこうしたらよかったなということは多々あったので、できないことを自覚して、そこから目を逸らさずに、次はできるようになっていたいと、強く思っています。

――これからの女優としての目標を教えてください。
 たくさんの役を演じて経験を積んで、そしていろいろな方から(お芝居を)吸収して、自分の糧にしていけたらと思っています。国内はもちろんですが、海外へもいずれは挑戦してみたいです。

――演じてみたい役はありますか?
 振り切った感じの役がいいですね。全力でぶつかっていきたいです。

映画『明日にかける橋 1989年の想い出』
6月30日(土)より有楽町スバル座 ほか全国公開!
<キャスト>
鈴木杏、板尾創路、田中美里、越後はる香、藤田朋子、宝田明 ほか
<スタッフ>
監督・脚本・編集・プロデューサー:太田隆文
制作:青空映画社
配給:渋谷プロダクション
(C)「明日にかける橋」フィルムパートナーズ

6月30日(土) 10:30からの回上映後、初日舞台挨拶あり
舞台挨拶登壇者(予定):鈴木杏、田中美里、越後はる香、藤田朋子、太田隆文監督
会場:有楽町スバル座(千代田区有楽町1-10-1 有楽町ビルヂング内
JR有楽町駅JR日比谷口徒歩1分、地下鉄有楽町線 有楽町駅D4番出口 徒歩1分)
※初日舞台挨拶の回のみ入替制となります
※登壇者は予告なしに変更をする場合がございます。あらかじめご了承願います
※特別興行の為、株主優待カードはご利用いただけません
※有楽町スバル座は全席自由席の為、事前には販売しておりません
当日のみ有効のチケットを当日窓口で販売しております
※混雑状況により、お立見となる場合や、満席の場合はご入場をお断りすることもございます
お問い合わせ:有楽町スバル座 03-3212-2826"

関連リンク
映画「明日にかける橋」 http://asunikakeruhashi.com/
越後はる香 http://www.sma.co.jp/artist/profile/index/377

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