ステレオサウンドストアで予約受付け中!
ステレオサウンドは、SACD3枚組『ワーグナー:楽劇《ジークフリート》舞台祝典劇「ニーベルングの指環」』の完全限定生産盤を6月15日に発売する。価格は¥19,980(税込)で、本日5月15日よりステレオサウンドストアにて予約を受け付ける。
本作は、良質のマスターテープを発掘し、最新技術を駆使して"最良の音"をお届けする「オーディオ名盤コレクション」シリーズの最新タイトル。
英国デッカ・レコードが、ショルティ指揮するウィーンフィル、そして選び抜かれたワーグナー歌手らとともに、1958年~1965年にかけて行なった「リング」のステレオ全曲録音プロジェクト。演奏者に直接触れられそうなほどの生々しさが、豊かな空間ハーモニーのもとに実現している。
今回のディスク形態はシングルレイヤーSACDの3枚組(通常のCDプレーヤーでは再生不可/ステレオ音声のみ収録)で、追加プレスのない完全限定生産盤となる。
ジャケットはLPサイズ大の特殊仕様。同サイズの付属ブックレットは、歌詞・対訳はもちろん、ジョン・カルショーによる初レコーディングについての序文、さらには渡辺護氏による詳細な楽曲解説(LP盤からの転載)、加えて小林利之氏と長谷川勝英氏による演奏者紹介等も掲載した、50ページを超える豪華版となっている。
本SACDに採用したマスターは、ユニバーサルミュージックによってテープ保管庫から発掘された緊急用のセイフティ・アナログ・マスターテープ。これは1970年代にデッカから当時の輸入元であったキングレコードに提供されたもので、文字通りLPレコード・プレス用のメタルマスターに不備があった場合の備えとして、1/4インチ幅のオリジナル・アナログ・マスターテープから1対1のダビングによってつくられたものだ。
ただ、緊急用ということもありその行方は記録に残されておらず、幻の存在となっていた。それを、日本のユニバーサルミュージックが長年の調査の末ついに発見し、デッカ本国からSACD化に対しての正式許諾が得られたことで今回のソフト化が実現した。
現在、デッカが「ニーベルングの指環」のマスターとするのは、通称《ジェイムズ・ロック・リマスター》と呼ばれる、エンジニアのジェイムズ・ロックによってノイズカットやイコライジング処理の施されたデジタルマスター(PCM)となる。
これは、オリジナル・アナログ・マスターテープの傷み具合が使える状態にないことから(と言われている)、1997年以降に正規発売されたデジタルディスクおよびデジタルファイルは例外なく、すべてジェイムズ・ロック・リマスターが元となっている。そのため、本作はこのリマスタリング処理が施される前段階の貴重なマスター音源を元にデジタル化を行なった、世界初にして唯一のSACDなのだ。
SACDに向けてデジタル化の作業を行なったのは、日本コロムビアのマスタリング・スタジオ。日本が誇る名匠、武沢茂氏によって入念に調整されたスチューダー「A820」デッキによって再生したアナログ・マスターテープの音声を、フラットトランスファーで2.8MHzのDSD信号(SACDのデジタル規格)に変換している。
DSD化に用いた機材は、マージング・テクノロジーズ社のピラミックス・システム。エソテリックのマスタークロック・ジェネレーター「G01X」による厳格なクロック管理や、デジタル/アナログ・ケーブル、ACコード等を含めたシステム全体のチューニングを行なうことで、アナログ・マスターテープの音声を忠実にDSD化した。
なお、本タイトルは、日本国内で保管されていたセイフティ・マスターテープをフラットトランスファーしていることから、一般に流通しているCDよりヒスノイズが大きく、既存のCDには含まれていないノイズが多数含まれている。これらは「マスターテープの音をできる限り忠実にオーディオファイルの元にお届けしたい」という企画意図に基づき、各種補正を行なっていないためなので、予めご了承いただきたい。
『ワーグナー:楽劇《ジークフリート》舞台祝典劇「ニーベルングの指環」』
●型番:SSHRS-022~024
●メディア:SACD(シングルレイヤー)3枚組
●発売日:6月15日(発送は6月13日より順次開始)
●価格:¥19,980(税込)