コンデンサーによるローカットのみで、ヴィンテージJBL製15インチフルレンジユニットD130とホーントゥイーター075を組み合わせ、現行/ヴィンテージのコンデンサーの種別と銘柄による音の違いを探る。コンデンサー種別の考察と使い方のガイドも盛り込む実践試聴企画だ。

⑧デュエルンド Cast Cu

倍音成分が豊かで、音楽に色気が加わる。D130+075とは思えない広帯域感

画像: 倍音成分が豊かで、音楽に色気が加わる。D130+075とは思えない広帯域感

デュエルンド Cast Cu

●静電容量/耐圧:2μF/100VDC●構造:ペーパーインオイル(純銅箔)コンデンサー●誘電体:クラフトペーパー(オイル含浸)●問合せ先:マロニエオーディオ maronie44@yahoo.co.jp

──デュエルンドはJENSEN社の工場設備を買い取り、コンデンサーなどのオーディオパーツを製造するデンマークのメーカーです。Cast Cuは純銅箔をオイル含浸紙で巻き、フェノール紙管ケース中に樹脂で封入した構造になっており、直径10㎝ほどの円筒形状やツイストした銅リード線も特徴的です。

杉井 音に色気があるというか、倍音成分が乗って、音楽に独特の色っぽさが加わる感じです。コンデンサーが音を作る力の強さを感じますね。「ブルーベック」は、細部が際立つような音に聴こえました。倍音の響きが豊かで、それが音楽の邪魔にならず、演奏のエネルギー感を増しています。「パガニーニ」はヴァイオリンの音が艶やかに伸びて綺麗に聴こえて、同時に、オーケストラとの合奏でもバランスが崩れない。

 「アーメリング」でも、声の倍音成分を強く感じました。その分、芯の部分が少し弱く感じられるところもあるんですが。ひじょうにワイドレンジに聴こえて、075を使って、ここまでレンジの広い音が聴けることはまずないでしょうね。バウムクーヘンのような形状も印象的で、個性が鮮明に表れたコンデンサーだと思いました。

 画期的なコンデンサーだと思わせますね。余計な音を出さないようにしながら、ウーファーとのきちんと繋げるという役割をこのコンデンサー1個が担って、これほど音が変わるのかと驚きます。075がこんな音で鳴るということは、このコンデンサーが凄いということですよ。特に「パガニーニ」では、ヴァイオリンの音色が少し変わったような感覚も覚えさせますが、本来はこの音で弾いていたのだと思わせる説得力があります。これまで聴いた音はトゥイーターの音を含めた五嶋みどりのヴァイオリンの音だったんじゃないかなと捉えると、納得できます。

 「アーメリング」も本来こういう声なのだと思わせる魅力があって、今まで聴いたことのない音が075から出ています。少し高いけど、買ってみようかなと思いました(笑)。

岡田 この形と価格で、いったいどんな音がするんだろうと思いましたが、きちんとニュートラルな音です。075のクセの強い音が和らぎ、しかも、高域と低域の変化に加えて、中域の音までしっかりと変わる。全体にゆとりのあるトーンなんですが、ヴァイオリンなど、他のフィルムコンとはひと味違う、すごくいい音になるんです。人の声も柔らかな肉声らしさがあって魅力的です。

 ただ、JBLのユニットをアルテックのアンプで鳴らしている感じからはわずかに離れているのも面白い。もう少し、こちらに音が飛んでくるようなJBLらしさも欲しくなりますが、そこを柔らかく聴かせる点もこのコンデンサーの特徴なんでしょうね。

Part.1 Part.2はコチラから。Part.4は、2月3日の正午に公開予定。

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