2018年、ジョージア州ロスヴィルに最新鋭の製造ラインを備えたウェスタン・エレクトリック新工場が完成。そこから送り出される現代のWE300Bの取扱いが、2025年3月、新たに完実電気でスタートした。100年の歴史が視野に入る直熱3極管の雄、WE300Bの魅力を改めてひもとく。

 ベルシステムの解体が始まり古き良きWEがなくなっていく頃に作られたラックス印の300Bも、ベルマーク球以前に作られたオールド球とは異なります。比較的短時間で管の上部に付着する褐色の膜はカソードが蒸発したもので、カソード被膜の成分はオールド球とは異なるのです。

 下部マイカ板のショット処理の変更は、付着物でマイカ板表面の絶縁が低下しないようにするためでしょう。ベル印の球以降は、ガラス粉を使ったショット処理はマイカ板全面に深く施されています。オールド球はショット処理がフィラメントの折り返し部分付近に限られているので、一瞥で判別できます。

 28年前に完実電気が再生産WE300Bの輸入を開始した頃は、ベルシステムはなくなっていました。その後、完実電気は徐々に300Bの扱いを縮小していき、20年ほど前には生産が途絶えていたようです。でも、WEの名を惜しむ旧社員たちによって再興され、4年前から現行生産のWE300Bが日本にも輸入されています。再興WE300Bもかなりの酷使に耐え毎日無事に動いていますから、輝かしい伝統を維持できていると思いました。

 いま、プッシュプルアンプを2機種、シングルアンプを1機種作りつつあります。どれかを近い将来の号でお話ししましょう。70年前のオールド球とは違いますが、これは紛れもなくウェスタン・エレクトリックの100年近い歴史がある300Bなのです。

画像: 下部マイカ板のショット処理など時代につれてWE300Bは変化する

ウェスタン・エレクトリック(WesternElectric)300B
WE300B
¥100,000(1本、木箱なし)
WE300B-MP-BOX
¥210,000(マッチドペア2本、木箱入り)
WE300B-MQ-BOX
¥440,000(マッチドクアッド4本、木箱入り)

『管球王国』116号(2025 SPRING)より

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