ウイング付きの構造で音質チューニングしやすく製作も容易な平面バッフルにアルテック、JBL、ウェスタン・エレクトリック(WE)、グッドマンなどヴィンテージ機に現行機も加えて20~30cm口径フルレンジユニットをマウントして試聴。新忠篤氏、土井雄三氏、杉井真人氏の3氏がフルレンジユニットならではのストレートな音の魅力と音作りのテクニックをリポートする。

製作しやすく音質チューニングも自由な国産カラ松材による平面バッフル。ユニットの「素の音」に+αの音を得る

新 忠篤/土井雄三/杉井真人

機種解説 土井雄三/杉井真人
取材協力 ウエスタン サウンド インク ☎03(3370)7400 杉井真人

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土井 今回は現行/ヴィンテージの20㎝〜30㎝口径フルレンジ/同軸ユニットを平面バッフルに取り付けて聴きます。本誌で平面バッフルに取り組むのは久しぶりですね。

 1996年の3号では20㎝〜38㎝口径のフルレンジと同軸2ウェイ・ユニットを18㎜厚のアサダ桜集成材による平面バッフルで鳴らしました。木工のノウハウを持つ山本音響工芸に製作を依頼したもので、幅90㎝×高さ80㎝の1枚板によるバッフルだったんですね。それから約30年が経ち、平面バッフルへの取り組み方、鳴らし方のセオリーも変わって当然です。今日は、土井さんに設計図面とアドバイスをいただいて編集部が製作したバッフルで新旧のユニットを鳴らし、平面バッフルならではの音の魅力、そして音の作り方を探りたいと思います。

土井 まず押さえておきたいのは、平面バッフルはユニットの「素の音」を聴こうというものではないということですね。ユニットの音にプラスアルファした音がバッフルによって得られるわけです。そして、ただ板に取り付けて鳴らしたというのではユニットの本質まで探ったことにはならないんです。

杉井 ピアノやアコースティックギターのボディと同じで、バッフルは「楽器」の一部であると考えた方がいいですよね。

 仰る通りですね。昔、シーメンス・コアキシャルを平面バッフルで鳴らしたことがあります。20㎜厚くらいのの3×6(約910㎜×1820㎜)の合板を使って、動かせるようにキャスターを取り付けた状態にしましたが、まったく満足のいく音にはならなかったのを思い出します。

土井 板だけではだめなんです。今回のバッフルは正面からは1枚の板のように見えますが、中央の板に両サイドと上部のウィングを連結した構造で、幅105㎝×高さ90㎝の寸法にしています。4×6材なら1枚で作ってもいいんですが、ポイントは背面に角材を使った桟があることなんです。板の四辺に桟を取り付け、バッフル面を連結するときは桟同士をボルトとナットで固定します。ウェスタン・エレクトリック(WE)のバッフルもそういう手法を採っています。

 板材に桟を取り付けるのにも接着剤は使いません。ASOナンバーのオリジナルWE製バッフルで桟を外したときも、接着剤が使われておらず、きれいな白い面が出てきました。

杉井 今日のバッフルは、脚部も垂木材を使ってボルトと木ネジで固定してあるわけですね。なかなかうまく工作できています。

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