8 │ GE 5U4GB/5AS4A

米国管らしいトーンに硬質な響きを加味。70年代ロックに通じる切れ味のよさ

GE 5U4GB/5AS4A
●TV7試験値(実測値) 64/63 ●B電圧(実測値) 297V

米国GE製のTV用の最後期型。管壁の砂刷り名は5U4GBだが、GEの同等管5AS4Aとダブルネームになっている。GE特有の多層アルミクラッド鉄製のリブなし角型プレート、フィラメントはRCA系に近いに硬い材質で、断面をU字型に成形した平面リボンで自立式。マイカは薄くアルミナ処理され、打ち抜き穴、プレート固定法はシルバニア系に近い。ゲッターはプレート直付けで管側面1箇所のみ。バルブは平均的な後期型RCA製に近いが、少し背が高い。(岡田)

 基本はRCAとシルバニアを合わせたような音だと思いますが、高音部が少しささくれ立ったような感じが気になりますね。今回のセッションの初めの方で聴いた真空管の音に、どこか通じるところがあるような気がします。悪いとは思いませんが、先ほどベタ褒めした真空管に比べると、ほんの少し質が落ちるような感じがしました。

岡田 出てくる音や雰囲気に基本的な部分で十分に満足した上で、やはり違いを感じます。「ペギー・リー」のスクラッチノイズや声にそれが表れていて、どこか懐かしい再生音なんです。「ブレイキー」は迫力もあって高音も低音も十分に伸びていますが、両方の帯域でのバランスが変わりました。3曲の中でいちばん違った感じに聴こえたのが「展覧会の絵」で、どちらかというと遠くで演奏している雰囲気があります。悪くはないけれども、はっきりとした音を聴かせたここまでの球とは好みは分かれると思います。整流管の製造は難しいというお話をしましたが、やはり、全盛期のヴィンテージ管が持つ音のレベルの高さには驚かされます。

杉井 RCAがどちらかというと少し甘口の音であるのに対して、このGEはやや辛口。ソリッドな感じが音に乗ったように思います。「ペギー・リー」はそういうところが功を奏して、ヴォーカル自体はすっきりとして聴きやすく、歌詞を理解しやすいですね。まろやかさは少し薄くなり、SP盤音源というよりも、スクラッチノイズをカットしていない復刻盤LPの音という感じに聴こえます。

 「ブレイキー」は、直前に聴いたNECに比べて、より高い音域にピークがあるように感じました。それが独特の硬質感を加えていて、スピード感につながっています。「展覧会の絵」は、これもオーケストラの音がピリッと辛いですね。弦の音はザクっとした独特の感じで、それが魅力になっています。音楽によっては70年代のアルテックの音に通じるような感じがして、ちょうど70年代のロックなどを聴くとすごく相性がいいのではないかと思います。少し懐かしいような時代感の音楽といいますか、それがピッタリはまる音ではないでしょうか。

岡田 管壁に5U4GBの印字もありますが、5AS4は単独で管名が印字されていることはほとんどなく、5U4GB/5AS4Aのようなダブルネームの球が大半なんです。5AS4単独銘のものは、GEがコンパクトロン球を作った1960年頃に自社製品のセット用に作ったG管ですが、すぐに生産を止めてしまう。このアルミクラッドプレートの5U4GB/5AS4Aはリプレイス専用球で、最後期の整流管ですから、数は多く見つかりますし、いい真空管ですよ。

杉井 初期のGE製は黒プレートですからね。

PART.4に続く

PART.1PART.2PART.4はこちらから。なお、PART.4の記事は、1月14日(PART.4)の12時に公開します。

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