近年、日本国内における映画館はエンタテイメント空間として並々ならぬ発展・進化を日々遂げている。そんな中、名古屋駅前「ミッドランドスクエア シネマ」のスクリーン1とスクリーン8に7月下旬、MIDLANDQUALITY SOUNDSYSTEM「粋(いき)」が導入された。
MIDLANDQUALITY SOUNDSYSTEM「粋(いき)」が導入されたスクリーン1は7つのスクリーンを擁する「ミッドランドスクエア シネマ」で一番規模の大きな319席を誇り、ここには「至高(Siko)」とネーミングされた5ウェイ構成のカスタムスピーカーが採用されている。
いっぽう、スクリーン8は7つのスクリーンを擁する「ミッドランドスクエア シネマ2」で一番規模の大きな296席を誇り、ここには「鼓動(Kodo)」とネーミングされた4ウェイ構成のカスタムスピーカーが採用されている。
今回、中日本興業の考える次世代のサウンドシステムを実現させたのが、映画館における音響と映像を全面的にコーディネートする株式会社ジーベックス。中日本興業は映画のみならず、映画以外のコンテンツ(ODS=Other Digital Stuff)をこれまで以上の高いクォリティの音響で上映したいとジーベックスに提案した。その提案を受けたジーベックスが「ミッドランドスクエア シネマ」のスクリーン1とスクリーン8の空間に相応しいサウンドシステムを考察し、空間に見合ったカスタムスピーカーを設計・開発したのが、株式会社イースタンサウンドファクトリーに他ならない。
イースタンサウンドファクトリーは2018年以降、日本全国52館以上の映画館におけるスピーカーシステムを160スクリーン以上手掛け、インストールしてきた実績がある。イースタンサウンドファクトリーの設計・開発するスピーカーシステムはカスタムメイドという名の通り、劇場の規模や条件に見合った完全オリジナル設計が最大の特徴となる。スピーカーシステム導入後は映画館の音響を知り尽くしたジーベックスのサウンド・チューナーとイースタンサウンドファクトリーのスタッフが、一館一館・音響特性の異なる劇場に最適な音調整を施している。
取材班は7月某日、両スクリーンに採用されているカスタムメイドのスピーカーシステムが開発された現場を訪問した。
取材班は7月某日、両スクリーンにカスタムメイドのスピーカーシステムがインストールされる現場にも立ち会う機会に恵まれた。スクリーンを外した状態で従来のスピーカーシステムが取り外され、新規のスピーカーシステムL(左チャンネル)、C(センターチャンネル)、R(右チャンネル)の計3本がスムーズに定位置に配置され、再びスクリーンが張られるまでの様子を見ることができた。
取材班は早速、「ミッドランドスクエア シネマ」のスクリーン1およびスクリーン8に導入されたMIDLANDQUALITY SOUNDSYSTEM「粋(いき)」のサウンドシステムで映画を観賞したが、音の解像度が高く見晴らし良好な状態の音が鳴り響いている印象を抱いた。
「ミッドランドスクエア シネマ」は名古屋駅前という立地で計14スクリーンを擁する大規模なシネマコンプレックスでありながら、最新映画の上映のみならず、さまざまなイベントを企画しているのが見逃せない。これまでもスクリーン8では音で楽しむライブ音響上映を企画し好評を博してきたが、「鼓動(Kodo)」を採用しトータルの音の質感が明らかに向上した空間で、音楽作品が思う存分に楽しめることになる。
監督を筆頭にスタッフらが精魂込めて生み出した映画本来の音の持ち味を浮き上がらせ、いっそうレヴェル・アップしたODS上映も体感できる「ミッドランドスクエア シネマ」のスクリーン1「至高(Siko)」およびスクリーン8「鼓動(Kodo)」に注目したい。