UHDブルーレイ&SACDに対応した、いわゆる「ユニバーサルプレーヤー」の世界で独自の存在感を放つマグネターから、超弩級ユニバーサルトランスポート「ULTIMA(ウルティマ)」が登場する。今冬に予定されている正式発表に先駆けて、6月に開催されたオーストリアの「HiEndウィーン」オーディオショーおよび東京での「OTOTEN 2026」で本機は参考出品された。HiVi編集部は、OTOTEN 2026にあわせて来日したマグネターの主要スタッフへのインタビューを敢行、Stereo Sound ONLINEでニュース記事を掲載したが、その後、特別に実機に接することが許された。正式発売前ではあるが、ここではその驚異的かつ画期的な内容をお届けしたい。

 

Stereo Sound ONLINEでのマグネター幹部インタビュー記事はこちら>

 

 ULTIMAのコンセプトは「マグネター史上最高を目指す、ハイエンド・ビデオトランスポート」。とはいえ実質的にはオーディオビジュアル史上最高のハイパフォーマンスユニバーサルトランスポートの実現を目指した存在だ。少々大げさな物言いに思えるかもしれないが、製品概要を精査すると、それが決して的外れではないことが理解できるだろう。それを象徴するのが、D/Aコンバーターやアナログ回路をあえて搭載しない「ピュアデジタル設計のトランスポート」であり、「バッテリードライブによるセパレート筐体構造」である。

 つまり、ULTIMAは、映像・音声をデジタル信号のまま外部機器へ送り出すことに徹し、アナログ出力系回路を排除。デジタル出力の純度を極限まで高めることで、ノイズの大幅な低減を目指した「トランスポート」なのである。

 AVセンター(正確にいえばビットストリーム信号のデコード後のポストプロセッシング工程)で、ユーザーが用いるスピーカー構成にあわせて再生チャンネルを作り出す、ドルビーアトモスやDTS:Xなどの「オブジェクトベース」オーディオが高品位ホームシアターのメインソースになって以来、AVシステムでは、ビデオプレーヤーでマルチチャンネル・アナログ信号を送り出すことは事実上不要になっている。それこそがULTIMAが「トランスポート」という仕様で開発された背景である。

 つまりULTIMAは、ビデオトランスポートとしての役割を明確かつ徹底化し、その品位を極限まで磨き上げた「ピュアデジタル設計のトランスポート」として開発されたわけだ。

 ULTIMAのもう1つの大きな特徴が、本体と独立電源による2筐体構成による「バッテリードライブによるセパレート筐体構造」だ。本体にはドライブメカとデジタル出力部のみを収め、電源部を分離。独立した電源部は、BYD製バッテリーを2セル(!)搭載する。この2セルのバッテリーは本体へのDC給電とACコンセントからの充電を自動的に切り替える仕組みが採られ、家庭に流れ込む汚れたAC電源から絶縁された、クリーンなDC電源で本体を常に動作させる仕掛けだ。電源別体筐体構成のビデオプレーヤーはエアーのDVDトランスポート/プレーヤーD1シリーズ機で採用されていたが、電気自動車用バッテリーをまかなうという意味では、エアーD1を遥かに超える強力な仕様となり、史上最も強力な電源部を備えたビデオ再生機として開発されている。

 ドライブメカにはパナソニック製を採用し、SACDの再生にも対応する。クロックにも非常にこだわっており、ミリタリーグレードの超高精度クロックを搭載。外部からの10MHzクロックによる駆動も可能だ。

 

Universal Video Transport
MAGNETAR
ULTIMA
発売時期、価格未定

画像1: ホームシアターの圧倒的飛躍をもたらす驚異のビデオトランスポート「マグネターULTIMA」が今冬登場!

OTOTEN 2026のエミライブースで展示されたULTIMA。仕上げはシルバーとブラックが予定されている。OTOTEN 2026後に特別に視聴が許され、HiVi視聴室でそのパフォーマンスの一端に触れた

 

画像2: ホームシアターの圧倒的飛躍をもたらす驚異のビデオトランスポート「マグネターULTIMA」が今冬登場!

本体の接続端子は、セパレート出力対応のHDMI2系統のほか、LAN(RJ45)、USB Type A、同軸デジタル出力、AES/EBUデジタル出力、10MHzクロック入力を備えている

 

 前述の通り、展示会向けサンプルの段階ではあったが、ULTIMAのパフォーマンスに触れる機会があった。HDMI接続でCDを再生した瞬間に、超広帯域でありながら驚異的なS/Nの良さ、そして際立った透明感を実感、ビデオプレーヤー史上最高のデジタル音声出力を実現していることを直ちに確信した。ブルーレイ、UHDブルーレイのサラウンド音声でもそれは同様で、単に「電源強化を突き詰めた」というレベルでは済まされない音の凄みに言葉をなくした。映像も暗部が徹底的に沈みこみ、ビデオトランスポートとしての驚異的ポテンシャルを感じた。

 

 発売時期、価格については現時点では未定だが、米国での価格は1万ドル以上になる見込み。画期的存在のULTIMAが、どれほどの飛躍をホームシアターにもたらすのだろうか。正式発表が待ちきれない。(HiVi/辻)

 

>本記事の掲載は『HiVi 2026年秋号』

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