6月21日(土)と21日(日)の両日、東京国際フォーラムで開催されるOTOTEN2025。今年もこの会場にカーオーディオを搭載したクルマが出展され、そのサウンドが体験できる。開催前に、注目の出展車両をご紹介しよう。

文=長谷川 圭

 会場に訪れると、入場手続きをするゲートの奥、B1ロビーの東京駅寄りのスペースにデモカーが並ぶ。手前からメルセデスベンツE200、GR86、三菱アウトランダーPHEV、トヨタ ランドクルーザー250。いずれも今を代表するカーオーディオを体験できる車両だ。

メルセデスベンツE200×dts
本邦初公開dts:X再生車両

 ベンツE200はdts Japanのデモカー。ブルメスターの4Dサラウンドサウンドシステム(17スピーカー)を搭載するクルマで、アプリ「RIDEVU(ライドヴュー)」によるdts:Xコンテンツの再生でイマーシブな音空間を体験できるとのこと。本邦初披露となるデモンストレーションで、開催当日にならないと聴くことができないため、そのパフォーマンスがお預けとなってしまったが、E200のオーディオ仕様を確認すると、フロントシートにはエキサイターが組み込まれていて、低音を振動として体験することができるようになっているため、dts:Xの映像コンテンツを再生したら、その臨場感はどれほどのものか。OTOTEN2025での試聴体験は、時代の証言者となれる機会であろう。試聴には整理券の配布を実施するというので、まずはブースで整理券をゲットして欲しい。

画像: メルセデスベンツE200×dts 本邦初公開dts:X再生車両

GR86×パイオニア
話題のGRAND SOLUTIONスピーカー搭載車

 GR86は発表されて間もない「パイオニアGRAND RESOLUTION TS-Z1GR」をインストールした車両で、当サイトで先ごろ“極速レビュー”でご紹介している車両である。

 一聴して気づく広大なサウンドステージと、整然と並ぶ音像。人声、楽器とも見事なサウンドバランスで聴かせてくれる、「この曲のこの部分はこうして鳴らすのだ」と言わんがごとく聴かせるものの、これ見よがしに優等生ぶるのでもなく平然と再生するという印象だ。ドヤ顔せず表情穏やかなまま凄いことをやってのけるような……。
 正確に鳴らすのはもちろんながら、このハチロクは音楽が体にしみこんでくる、そんな感覚に襲われる。デモでは多くの人がどこかで聴いTことがあるような楽曲を用意されると聴いたので、もし聴きなじみのある楽曲をハチロクで聴けたなら、少なからず感動を覚えるのではないだろうか。
 またハチロクの傍らには、同社が昨年から市場に送り出しているゲーミングスピーカーの2025年モデルも展示。フロントLCRを担うユニット「コンパクトフロントスピーカーTQ-FG3000」、ネックスピーカー型の「リアサウンドエンハンサーTQ-RG3000」、そして「スリムパワードサブウーファーTQ-WG3000」。ゲーム用としてメジャーなヘッドセットでサラウンドサウンドを楽しめるものと違い、耳への圧迫感がないことや、何より頭が動いたときに音源は動くことなく聴こえてくる方向が自然に感じられる自然な聴こえ方をする特徴がある。またサブウーファーには、車載用サブウーファーで好評な独自のHVT方式を採用するなど、他社製品にないパフォーマンスを備えていることも注目のポイントだ。ハチロクの試聴待ちの時間に体験してみてはいかがだろうか。

画像1: 純正3台、カスタム1台のカーオーディオデモンストレーション。時間をかけてすべてを聴き比べる、OTOTEN2025にはその価値があるクルマが並ぶ
画像2: 純正3台、カスタム1台のカーオーディオデモンストレーション。時間をかけてすべてを聴き比べる、OTOTEN2025にはその価値があるクルマが並ぶ
画像3: 純正3台、カスタム1台のカーオーディオデモンストレーション。時間をかけてすべてを聴き比べる、OTOTEN2025にはその価値があるクルマが並ぶ

三菱アウトランダーPHEV×ヤマハ
車両純正オーディオとしてこれほど高い完成度のものはなかなかない

 三菱アウトランダーPHEVには、ヤマハの12スピーカー+デュアルアンプからなるDynamic Sound Yamaha Ultimateが搭載されている。ドルビーatomosにも対応したシステムで、立体的な音場を楽しむことができる。実際にそのサウンドを体験すると、クルマに完全に合わせ込んでスピーカーを配置され、適切な性能のユニットを組み込み、調整を施すとこれほど細かな音像表現と、壮大ともいえるサウンドステージを生み出すことができるのか、こんなに完成度の高い純正カーオーディオは今までなかなか聴いたことがない。本車では、車室内の静粛性を高めるための仕組みが、三菱自工とヤマハの共同開発で施されており、その部分でも優れたパフォーマンスを生み出すことにつながっているのだろう。車両純正カーオーディオの可能性がまだまだ期待できることが確認できる。

画像4: 純正3台、カスタム1台のカーオーディオデモンストレーション。時間をかけてすべてを聴き比べる、OTOTEN2025にはその価値があるクルマが並ぶ
画像5: 純正3台、カスタム1台のカーオーディオデモンストレーション。時間をかけてすべてを聴き比べる、OTOTEN2025にはその価値があるクルマが並ぶ

トヨタ ランドクルーザー250×JBL
音楽をポップに楽しめる、リラックスできるサウンド

 ランドクルーザー250が聴かせるのはJBLのシステム。ランクル300と似た構成のオーディオシステムながら、そのチューニングはかなり違っており、少しポップな方向に振った印象だ。トヨタ×JBLは、JBLらしさを主張するというよりも車種によってチューニングを変えているようで、ランクル250は全席で広いサウンドステージが感じられるように、また軽快なニュアンスで楽曲が楽しめる帯域バランスとしているようだ。軽快にとはいえ、リアゲートに組み込まれたサブウーファーは充分な量感を与える鳴りっぷりだし、ドアウーファーとのつながりもいい。リラックスしてドライブシーンに音楽を加えてくれるサウンドといえそうだ。ホーン付きのトゥイーターはフロントのピラーとリアドアの双方にデザインされており、フロントシートリアシートともに、このシステムらしいサウンドステージで楽曲を楽しめる。

画像6: 純正3台、カスタム1台のカーオーディオデモンストレーション。時間をかけてすべてを聴き比べる、OTOTEN2025にはその価値があるクルマが並ぶ
画像7: 純正3台、カスタム1台のカーオーディオデモンストレーション。時間をかけてすべてを聴き比べる、OTOTEN2025にはその価値があるクルマが並ぶ

稀に見る高性能なサウンドデモカーたち
じっくり時間をかけて聴く価値がある

 4台のクルマが、立体サラウンドと2チャンネルオーディオをそれぞれに聴かせてくれる。また4台中3台が純正オーディオ(オプション設定含む)というのも時代を感じるところではあるが、いずれにしてもそれぞれにコンセプトがあり、それにふさわしい音を聴かせてくれている。

 混雑が予想されるが、時間に余裕を持ったスケジューリングをして、ぜひすべてのクルマを体験して欲しい。OTOTEN2025のカーオーディオ展示はそれだけを聴いても時間を割く意味のあるものだ。

画像: 稀に見る高性能なサウンドデモカーたち じっくり時間をかけて聴く価値がある

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