画像1: Auto Sound Web Grand Prix 2023:グラデンAEROSPACE165.2Grand Prixスペシャルレビュー

グランプリを獲得したグラデンの2ウェイスピーカーAEROSPACE165.2、その魅力とは。ここでは選考委員から石田功氏と長谷川圭氏のレビューを紹介する。

画像2: Auto Sound Web Grand Prix 2023:グラデンAEROSPACE165.2Grand Prixスペシャルレビュー

音は弾力性に富んでいるし、何よりもヴォーカルの声がいい
演奏にもハリがあるし、キレも良い

文=石田 功

 日本では時風プレイスが輸入を担当しているのがグラデン。ドイツ製ブランドだ。このAerospace165.2はグラデンの最上位シリーズのスピーカー。3ウェイの165.3もあるが、今回は2ウェイの165.2でのエントリーだ。全体的に丸みを帯びたデザインが特徴で、ウーファーのフェイズプラグなんかもお団子状に丸いし、ツイーターの裏側も球形となっている。このツイーター、横からみると、どこと無く円盤に見えなくもない(笑)。それはさておき、Aerospace165.2は別売でパッシブ・クロスオーバーネットワークが設定されているのだが、これで聴いたところ、どうにもしっくりこない。そこで、DSPを使ってマルチアンプ接続してみたのだが、俄然生き生きと鳴るようになった。

 クロスオーバーポイントを低くして、よりトゥイーターを鳴らす方向に調整してみたのだが、音は弾力性に富んでいるし、何よりもヴォーカルの声がいい。演奏にもハリがあるし、キレも良い。僕の好みの音である。おそらく、このクラスのスピーカーを使っている人は、断然パッシブネットワークよりもマルチ接続の人のほうが多いと思うので、ぜひ自分の好みの方向へ音を調整してもらいたい。どんな調整にもしっかりと反応してくれるし、好みの方向が見つかればどんどんと突き詰めていける。それだけのポテンシャルを秘めたスピーカーだと思う。

中域が充実した芯のあるサウンドは、まろやかかつ骨太な印象
なによりもヴォーカルは男声でも女声でも潤いを感じさせる

文=長谷川 圭

 ドイツ、グラデンの最上位シリーズとして登場したのがこのAEROSPACE(エアロスペース)だ。本機165.2は、そのモデルナンバーが示すとおり、165mmのウーファーを持つ2ウェイ。ユニークな形状のフェイズプラグを搭載したウーファーは、背面の抜けがよさそうな独自設計のダイキャストフレームと、フェイズプラグを大きくしたようなマグネットカバーが特徴的だ。組み合わされるトゥイーターは28mmのシルクドームユニットである。

 本機の基本構成はスピーカーユニットのみで、専用パッシブネットワークはオプション設定される。このパッシブの仕様は不明なのだが、試聴室で聴く限り車載条件に特化したもののようで、ユニットがもつ音の魅力をうかがわせるものの、全体的なバランスはもうひとつの整い方に感じられた。

 そこで、AEROSPACE165.2本来の形とし、マルチアンプドライブを試してみると大きく化けた。中域が充実した芯のあるサウンドは、超広帯域再生とは別路線のまろやかかつ骨太な印象。なによりもヴォーカルは男声でも女声でも潤いを感じさせるうえに体を使って声を響かせていることが伝わってくる。高い解像度で描かれる高音の調べは険しさと無縁の聴き心地を味わうことができた。AEROSPACEスピーカーには3ウェイのセットも存在するが、2ウェイでこのサウンドというと、3ウェイもさぞや……と期待するし、日本市場に導入されていないリボントゥイーターもラインナップされているらしく、このユニットを組み合わせた際のサウンドに俄然興味が出てしまった。

画像1: 中域が充実した芯のあるサウンドは、まろやかかつ骨太な印象 なによりもヴォーカルは男声でも女声でも潤いを感じさせる

グラデン GLADEN
Speaker
AEROSPACE165.2
¥594,000(セット/税込)

SPECIFICATION
◾️ウーファー(AEROSPACE 165 PP)
●ユニットサイズ&タイプ:165mmコーン型
●定格入力:225W
●出力音圧レベル:92.2dB
●インピーダンス:3Ω
●取付け寸法:φ142.2×73.37mm
◾️トゥイーター(AEROSPACE 28)
●ユニットサイズ&タイプ:28mmドーム型
●定格入力:150W
●出力音圧レベル:93dB
●インピーダンス:4Ω
●取付け寸法:φ47×28.6mm

画像2: 中域が充実した芯のあるサウンドは、まろやかかつ骨太な印象 なによりもヴォーカルは男声でも女声でも潤いを感じさせる

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