クルマ購入時に搭載されている標準装備やメーカーオプション、ディーラーオプションのカーオーディオ、いわゆる「車両純正オーディオ」を実車で体験。本稿では純正カーオーディオのシステム概要やサウンドについてレビューする。今回、紹介するのはトヨタの高級ミニバン「アルファード(ALPHARD)」。同車ではJBLプレミアムサウンドシステムが採用され、グレードによって標準装備あるいは、メーカーオプションで搭載が可能となる。車両開発とともに生み出されたスペシャリティオーディオのパフォーマンスを、街乗りから高速道路走行まで、実際に走行して体験してみた。

文/写真=長谷川 圭

画像1: TOYOTA アルファード 純正カーオーディオレビュー。JBLプレミアムサウンドシステムはゴージャスそのもの

アルファード(2021)のフロントシート周り。センターコンソールには10.5インチの液晶タッチパネルを搭載したインフォテインメントシステムが組み込まれる。

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インフォテイメントシステムのボリュウムノブ横に記されたJBLのロゴ

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フロントドアのスピーカーグリルに飾られているJBLのロゴバッジ

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 高級ミニバンとして市場の牽引役的存在の人気車アルファード(ALPHARD)、現行の3代目は2015年のデビュー後、2021年春にはマイナーチェンジを受けて現在に至る。最上級グレードのExective Lounge(Lも含む)では標準装備、兄弟車であるヴェルファイアを含むそれ以外ではメーカーオプションとして設定されているのがJBLプレミアムサウンドシステムである。17基にものぼるスピーカーユニットを搭載し、DSPを内蔵した12チャンネルパワーアンプが組み合わされ、全スピーカーをドライブしている。

 オプション税込価格は656,000円から721,600円で、T-Connect SDナビゲーションシステムやETC2.0などと合わせたパッケージとして設定されている。ちなみにJBLプレミアムサウンドシステムがオプション設定されているグレードでは、ディスプレイオーディオ(カーナビゲーションは含まず)および8スピーカーシステムが搭載される。

 今回取材機会を得たのは、アルファードExective Lounge。JBLプレミアムサウンドシステムが標準装備された車両だ。セカンドシートには、オットーが装備されるなど運転席よりもゆったりくつろげる仕様。豪華絢爛を画に描いたようなクルマで聴けるサウンドは、大きく分けて2種類存在する。ひとつは運転席や助手席をメインにしたシステム、もうひとつはリアシート向けのシステムである。

 クルマの性格によるところも大きいのだろうが、後席の居心地がことさら良いクルマだ。ゲスト、あるいは車両オーナーがショーファードリブンで乗車することを考慮しているのだろう。この後席は、前席と異なるメディアが楽しめるシステムになっており、天井には13.3インチの液晶モニターを搭載、HDMI入力も備える。操作は前席に委ねられるが、ブルーレイディスクプレーヤーも搭載するので、BD、DVD、CDといったディスクメディアも堪能できる。

 なお、天井モニターもJBLプレミアムサウンドシステム同様、Exective Lounge(Lも含む)では標準装備、それ以外のグレードではT-Connect SDナビゲーションシステムとともに装着可能で、オプション設定となり、税込価格は180,000円から198,000円となる。

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助手席前のグローブボックス内に納められるディスクプレーヤー。トヨタ車で推し進められているディスプレイオーディオの標準化を考えると、同車の次のフルモデルチェンジでは、この装備も無くなってしまうかもしれない。

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車載機でブルーレイに対応するのはとてもレアな装備である。市販のパッケージソフトが楽しめるのはもちろんのこと、自宅のレコーダーで作成したBD-Rなども視聴できるだけに、継続採用されると嬉しいのだが。

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ディスクプレーヤーのスロット手前にあるのが、microSDカードのスロット。音楽ファイルや動画ファイルの再生などに対応している。

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10.5インチディスプレイでBDの映像を表示してみたところ、純正インフォテイメントながら意外にも引き締まった黒で表現されるのに驚いた。

 本車のオーディオシステムは、2015年のモデルチェンジ時と基本的には同じであるが、マイナーチェンジの際にチューニングの見直しが図られているという。現在、トヨタ車に搭載されるJBLプレミアムサウンドシステムで多く見られるピラーのホーントゥイーターが存在しないのはそのためである。しかし、ミニバンらしいスピーカーレイアウトは他車には見られないルーフスピーカーがあり、独自の立体音響世界が構築されている。

 豪華な仕様の車両に相応しく、サウンドもゴージャス感に溢れている。もっともその印象を強く感じたのはセカンドシートでのサラウンド音響である。前後席で別メディアを楽しめるとはいえ、車室内空間はつながっているし、せっかくクルマのいいところに配置されたスピーカーの実力を分散させるのももったいない話である。なので、システムパフォーマンスを最大限に発揮させた状態で聴いてみてはどうかと試したところ、前席もそれなりだが後席で体験できる音世界には及ばなかった。

 フロントのセンターコンソールにBDソフトを入れ、セカンドシートにゆったり身を沈めると、映画館のプレミアシート以上の居心地の良さで映画作品が楽しめる。試聴したのは5.1chのごく普通なソフトだったが、音像の移動やセリフの聞き取りやすさ、たっぷりとした重低音と、相当なクォリティのホームシアターシステムに引けを取らない出来と言えよう。試しに3列目シートでも聴いてみたのだが、セカンドシートに音がけられながらも、天井のスピーカー効果だろう、映画を存分に楽しむことができた。2列目3列目ともリアシートの音場の見通しはひじょうにいい。

 また、ライブシーンを収録した音源では、特段に臨場感高く聴くことができ、これはJBLプレミアムサウンドシステムならではと言えるだろう。

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オーディオソースのセレクトから「REAR」を選ぶとこの画面となる。このときUSBメモリーが接続され、BDソフトがプレーヤー内にセットされていて、そのいずれかが選択可能であった。「DUALスピーカ」は、前後システムを別ソース再生するか、同じソースを再生するかのモード選択をするスイッチとなる。

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13.3インチのルーフモニターは、「後席電源ON」で出現する。そのサイズはセカンドシートで見ると充分な大画面で、視聴位置からの距離もそこそことれているので見やすかった。写真ではわかりにくいかもしれないが、前席ではUSBメモリーを再生している。

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夜には、ルーフのアンビエントライトやLEDスポットライトなどで車内が演出されるが、実車での印象は、上映開始前の映画館のよう。ゆったりサイズのオットー付レザーシートは、映画館をはるかに上回る快適さであった。

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前席感のグローブボックスの後方には、AC100Vコンセントのほか、ルーフモニターに表示可能なHDMI端子が設けられている。

 運転席ではどうか、サウンドバランスは後席よりも整っており、なるほど映像ソースではなく音楽ソースで勝負している印象を受ける。サウンドステージは、シートポジションを高くするほうが拡がりを感じやすい。ドアのオーバルスピーカーの威力は絶大で、低音再生を積極的にしていこうという意図が感じられた。このあたり重厚感をもたらすサウンドバランスがゴージャス感に一役買っているのかもしれない。

 サウンドチューニング機能として「音設定」があり、Treble/Mid/Bassの3バンドトーンコントロールと、フェーダー/バランス、ASL、サラウンドON/OFFが調整可能。このうちサラウンドはON、ASLはOFFとした。サラウンドOFFのほうが生々しい音として聴けるのだが、各スピーカーユニットの音の繋がりはONにしたほうが良好で、さらに音楽世界への没入感も高い。この印象は前席後席にかかわらず得られた。ASLは車両の走行スピードに合わせて、音楽がきこえにくくならないよう自動的に音量調節を行う機能だが、アルファードの車室内が比較的静かなこともあり、この機能については作動の必要なしと考えた。ちなみにONにすると若干サウンドバランスが変化するのと、情報量が省かれる傾向を感じた。

 ゴージャスな音には、重厚な低音に加えて、きらびやかな高音という要素もある。個人的にはややスパイスが利きすぎているとも感じられたため、トーンコントロールでBassを1ステップ下げバランスさせている。全体的に高音、低音を印象的に聴かせるサウンドで、解像度追求と言うよりも音を塊で感じさせるというイメージだ。ヴォーカル曲などは好印象で、音楽の輪郭を強めの戦で描き出すような音は、高速道路走行時のノイズにも負けることはないだろう。

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ダッシュボードの両端には80mm口径のUnityスピーカー(同軸ユニット)が埋め込まれる。

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ダッシュボードの中央、ウインドシールに近い位置にセンタースピーカーを配置。搭載ユニットは80mm Unityスピーカーである。

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80mm Unityスピーカーで構成されるフロントLCRスピーカー。いずれも乗員から見てダッシュボードの際奥にレイアウトされている。

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フロントドアの前方低い位置にはウーファーユニットがマウントされる。ユニットサイズは7×10インチ(約178×250mm)の楕円型スピーカーで、低音をエネルギッシュに再生する。

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リアスライドドアには、リリースノブ直上に25mmトゥイーターを、下方ドリンクホルダー横には170mmウーファーが搭載される。

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ルーフモニターの左右に配置されるルーフミッドレンジ。ユニット径は80mmで、立体音場の形成のほか、セカンドシートの音場創生に大いに寄与している。

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リアゲート近くの天井、3列目シートの頭上あたりにレイアウトされるルーフスピーカー。80mmユニットが採用され、サラウンド音場を整えるのに威力を発揮する。

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リアゲートにマウントされたサブウーファー。200mmとなかなかのサイズ。アルファードほどの大きなリアゲートでなければ搭載できなかっただろうし、ボディパーツとしてもインテリアパーツとしても独立しているので、サブウーファーの盛大なパワーを受け止める箇所としてもいい配置かもしれない。

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トヨタアルファード/ヴェルファイア専用JBLプレミアムサウンドシステムのスピーカーレイアウト。

 音源はBD(DVD/CD)SD、USB、iPhone(Apple CarPlay)BTで試聴してみた。クォリティとしてはCDがベスト。健闘したのはBTで、クラリファイの威力だろうか、音源としてのデータは多メディアと比べて落ちているはずだが、そういった部分をあまり気にすることなく楽しむことができた。ドライバー本人やショーファードリブンするオーナー以外が、自身のスマートフォンをペアリングして好きなソースを楽しむという使い方に適していると言えそうだ。

 多様なドライブシーンを創り出すアルファード/ヴェルファイアに相応しいオーディオシステム。それがより理想的に具現化されたのが、本車専用のJBLプレミアムサウンドシステムなのだ。

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インフォテイメントシステムのメニュー画面。右下に「画面・消」スイッチが用意されているのは、よく知った道を多く走るドライバーや、夜間走行時にはありがたい機能だろう。

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オーディオソース選択画面は2ページあり、多くのメディアに対応していることがわかる。よく利用するメディアを1ページ目に集約するなど、アイコンの配置変更も可能だ。

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オーディオソース選択画面の2ページ目。選択しているUSBメモリーのアイコンが明るいグレーに点灯。このほか、BTオーディオやMiracast、デジタルテレビ(走行中はリア用ルーフモニターのみ視聴可能)などが選べる。

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インフォテイメントの設定画面。「モバイルサービス選択」は、Apple iPhoneを使用しているためApple CarPlayが選ばれているが、Andoroid Autoにも対応する。

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インフォテイメントの設定画面では、SDメモリーにリッピング可能な「サウンドライブラリ」や、BDプレーヤーの設定が行えるようになっている。

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「音設定」のメニュー画面はトーンコントロールの設定、フェーダー/バランスの設定、ASLおよびサラウンドのON/OFFが設定可能。また、この設定はオーディオソースごとに調整が可能だ。

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トーンコントロールはTreble(高音)、Mid(中音)、Bass(低音)の3バンドで調整できる。本車の場合、Bassを1ステップ下げて整えた。このバランスですべてのメディアで調整、試聴を行ったが、いずれも良好に楽しむことができた。

画像29: TOYOTA アルファード 純正カーオーディオレビュー。JBLプレミアムサウンドシステムはゴージャスそのもの

USBメモリーにリッピングした「Stereo Sound REFERENCE RECORD Nobu's Popular Selection」を聴いた際の画面。少し懐かしい楽曲が多いアルバムながら、優秀録音のポップス曲のコンピレーションで、メリハリのある楽器やヴォーカルのサウンドがひじょうに心地よく聴くことができた。

画像30: TOYOTA アルファード 純正カーオーディオレビュー。JBLプレミアムサウンドシステムはゴージャスそのもの

こちらはSDメモリーで、映画「グレイテストショーマン」のサウンドトラックを聴いている画面。映画タイトルの曲では、冒頭の低音が腹に響くほど充実したベースサウンドで高揚した。

画像31: TOYOTA アルファード 純正カーオーディオレビュー。JBLプレミアムサウンドシステムはゴージャスそのもの

Apple CarPlayのメイン画面。利用可能なアプリのアイコンが並ぶ。

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Apple CarPlayで映画「グレイテストショーマン」のサウンドトラックを再生。ジャケットイメージとともに再生トラックやタイムカウンターが表示される。

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左の楽曲再生時に、本車インフォテイメントのオーディオ画面に切り替えると、ご覧のようになる。

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ステアリングに備えられるスイッチ。オーディオ系の操作は主に左側で行うことができる。

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メーターパネルの中央には、再生中の楽曲情報を表示させることもできる。表示幅が狭いので、長いタイトルなどはスクロール表示された後に、ご覧のような状態に落ち着く。

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前席間のグローブボックス内には、左からAC100Vコンセント、DC12Vシガーソケットタイプ端子、USB端子(Type A)が並ぶ。USB端子は1系統のみなので、メモリーをつなぐかスマートフォンをつなぐかのどちらかを選ばなければならず、できれば複数装備されていればと感じた。

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