画像1: Auto Sound Web Grand Prix 2021:【特別座談会】シルバーアワード獲得 カロッツェリア サイバーナビシリーズの魅力を語る

オートサウンドウェブグランプリ2021のシルバーアワードを獲得したカロッツェリアのサイバーナビシリーズ。2019年の「910」モデルで刷新されたプラットフォームを踏襲しつつ、モデルナンバーは「912」へと進化。画面サイズは9V型、8V型、7V型(ワイド2DINタイプと2DINタイプ)の4モデルをラインナップ。AVナビのみのパッケージ加え、専用通信モジュールのネットワークスティック同梱パッケージ(モデルナンバーにDCがつく)を揃えている。ウェブブラウザを備えるほか、インターネット環境下では自宅のビデオレコーダーと連動するなど幅広くメディアプレーヤーとして機能する。「912」では、先進的なナビ機能を装備するなどの特長がある。GP選考メンバーは912サイバーナビのどの部分を評価したのか、ここにご紹介しよう。[編集部]

画像2: Auto Sound Web Grand Prix 2021:【特別座談会】シルバーアワード獲得 カロッツェリア サイバーナビシリーズの魅力を語る
画像: オートサウンドウェブグランプリ選考メンバー。左から石田功氏、鈴木裕氏、藤原陽祐氏、黛健司氏、脇森宏氏、長谷川圭氏。

オートサウンドウェブグランプリ選考メンバー。左から石田功氏、鈴木裕氏、藤原陽祐氏、黛健司氏、脇森宏氏、長谷川圭氏。

パネラー・オートサウンドウェブグランプリ選考メンバー
[石田功、鈴木裕、藤原陽祐、黛健司、脇森宏、長谷川圭]
(まとめ=ASW編集部/写真=嶋津彰夫)

画像3: Auto Sound Web Grand Prix 2021:【特別座談会】シルバーアワード獲得 カロッツェリア サイバーナビシリーズの魅力を語る

ASW:Auto Sound Web Grand Prix 2021のシルバーアワードを獲得しました、カロッツェリアのAVナビ「サイバーナビシリーズ」について、皆様のお話を伺いたいと思います。2021年モデルとなって型番が912になりました。こちらの製品、評価したポイントをうかがわせてください。まず黛先生からお願いします。

黛 健司(以下、黛):AVナビの試聴取材は価格順に聴いていきました。このサイバーナビが2番目に出てきたんですけれど、『ずいぶん音が良くなるものだなぁ』と思いました。例えば、その、僕は割とヴォーカル楽曲を多く聴きますけれど、声の艶だとか、いかにも人間が歌っているんだというのがわかるような、血が通っているといったところが、わずかな価格の違いではあるんですけれどサイバーナビを聴いたときに、ずいぶん良くなるなという感情を持ちました。ですから、音の良さでちょっと「むぅ」と唸ったという感じです。

 オートサウンドウェブグランプリというのは、主に音についての評価が中心になっているんですけれど、カロッツェリアのサイバーナビというのは、地図データなどでも定評がありますから、AVナビの性能をトータルで見たときに、ひじょうに魅力度の高い製品じゃないかと思います。

画像: 黛 健司氏

黛 健司氏

ASW:ありがとうございます。続きまして、脇森さんのご意見はいかがでしょう?

脇森 宏(以下、脇森):僕は黛さんと逆に、アルパインから聴いていて、その衝撃が大きかったので他のAVナビは割を食うだろうなと思っていたんです。だけど実際に聴いてみると、『カロッツェリア良いじゃん』と『やるじゃん』と……。

画像: 脇森宏氏

脇森宏氏

一同:(笑)。

脇森:(笑)。そういう感じだったんです。だから、あの、アルパインがね新しいデバイスを積極的に自分で作って良い音を作り上げていったのとは違って、カロッツェリアでは今までのある物をね凄く上手く組み合わせて、上手くチューニングした磨き上げた音というかね、今までのその……ノウハウとか……そういったものがちゃんと活きている音だなと思ったんです。そしてこれはアルパインと同じで、聴いていて楽しいんです。次から次へと興味を惹く音が出てきて飽きない。そのへんの音造りの上手さというかね、聴き手を説得する上手さというあたり、さすが長年やってきたメーカーだなと感じますね。

ASW:なるほど、ありがとうございました。では次に藤原先生、お願いします。

藤原陽祐(以下、藤原):パイオニアは、家庭用では悲しいかな実質的にブランドがほぼ消滅しかけているわけですが、カーオーディオの市場では、このカロッツェリアブランドを供給し続けています。このサイバーナビを聴いて『やっぱりパイオニアの音だな……』と感じましたね。ゴールドを獲ったアルパインと比較してしまうんですが、アルパインは1人の天才エンジニアが作ったいかにもハイエンドメーカー的なところがある……。

画像: 藤原陽祐氏

藤原陽祐氏

脇森:確かに、1人の天才が作ったという印象ありますね。

藤原:対して、カロッツェリアは若いエンジニアが代々培ってきた技を練り上げてみんなで完成させたような……量産機としてある意味洗練された良い音という印象です。

:あぁ、そうですね。

藤原:しなやかだし、S/N感いいし。ぜんぜんきばらない、肌合いの良い音だなという感じがします。パイオニアの伝統みたいなものが色濃く残っているなと思って、とても良いなと聴いていました。

ASW:ありがとうございます。それでは鈴木先生のご意見はどうでしょう?

鈴木 裕(以下、鈴木):リファレンスとして組み合わせたスピーカーが、同じカロッツェリアのTS-Z900PRSだったんですが、奇しくも純正ブランドのコンビネーションとなりました。そこで聴かせる……特に位相表現が見事で、その……空気がフワッと広がっていく感じが部屋の中に綺麗に展開して、試聴室という環境で、左右スピーカーの真ん中で聴いているというところもありますけれど。

 音に対して、余計な付帯音が一切なくて、本当にしなやかでS/N感良く聴かせてくれます。力みがないですよね、だから長時間聴いていたほうが、評価としてはより上がるのだろうなという、気持ちの良い音です。ソフトを選ばないというか、クラシックはクラシック、ポップスはポップス……それぞれのミックスダウンのスタジオで出ている、目指した音というものを凄く素直に聴かせてくれる。音楽の作り手が「ここが良いんだよ、聴き所ですよ」と受け渡してくれるような、そういうとっても素直な音のAVナビでした。

画像: 鈴木裕氏

鈴木裕氏

ASW:ありがとうございます。石田先生はどうでしょうか?

石田 功(以下、石田):みなさんおっしゃっていたように、音の素直さというのは感じました。どんなジャンルの音楽でも気持ちいいし、楽しめますね。音だけで言うとアルパインの方が断然良かったんですが、サイバーナビってWi-Fiが使えて、他の楽しみがとてもたくさんあるじゃないですか。僕は自分が買うならこれだなと思うんです。AVナビとしてトータルで考えたらサイバーナビかなと思うんですけど、オートサウンドウェブグランプリなので、音重視ということを考えると、アルパインという結果になりました。ゴールドとシルバーの分かれ目というのはそれだけの差でした。

画像: 石田功氏

石田功氏

ASW:ありがとうございました。では、長谷川先生はいかがでしょう?

長谷川 圭(以下、長谷川):カロッツェリアのサイバーナビは、一昨年……2019年のモデル910からオーディオ部分は変わっていないんですよね。そこで、2020年のモデル911とどこが変わったかというと、ナビ機能で変化がありました。最近の新車に多く採用されるようになったオートライトに対応して、日中に短時間日陰を通過するときに画面が一瞬夜モードになる、細かな暗転が視認性が悪くなるので、ライトとの連動を時刻設定で行えるようにしました。ですので、ほとんど変わっていないんですよね。

藤原:そうなんですよね、ほんとに一部機能が追加されたくらいの違いしかない。

長谷川:昨年のグランプリで、我々はブロンズを獲ったサイバーナビを評価したわけですが、例の半導体供給メーカーの事故によって生産が滞り、ASWGP2020発表のタイミングでは市場に製品がほとんど無かったために購入できた読者は少なかったんです。なので、昨年買えなかった人に、今年も優秀機ですよと伝えられて良かったと思うんです。

鈴木:確かに、去年買えなかった人で、今年のモデルを待望してたという人は少なくないでしょうね。

石田:でも、充分なパーツ供給ができているわけではないでしょうから、早い者勝ちかも……。

長谷川:欲しい人全てに行き渡るといいですね。

 それで、評価の続きですが基本的な部分が変わらないまま3年経っていても、良い音のAVナビとして評価できるというのも素晴らしいと思います。みなさん同様に、私も何を聴いても高次元でそつなくこなす懐の深さは流石だなと思いました。それに、圧縮音源やBTオーディオでも、高品位なサウンドで聴かせるマスターサウンドリバイブの効果は健在でしたし、音楽ジャンル、再生メディアにかかわらず、マルチに良い音というのはなかなかできるものではないですよね。私が評価したのはそういった部分です。

画像: 長谷川圭氏

長谷川圭氏

石田:設計の時期が違うので、仕方ない部分もあるのだけれど、現行のサイバーナビは同じカロッツェリアのサイバーXの音を超えていると思います。

長谷川:サイバーXは、今のサイバーナビにフルモデルチェンジする前のタイプをベースにしていますから、音の傾向も違いますしね。S/Nの高さなどはXの方が勝っている感じで、今聴くと少し懐かしい瀟洒な音といった印象で聴けますね。開発時期の話で言うと、サイバーナビは、基本設計が3年前で、オーディオ回路も変更が無いままにもかかわらず今年も高評価を得ているというのも、実力の高さを実証していますね。

ASW:インターネット環境を活用した時の幅広いメディア再生能力は、サイバーナビならではのアドバンテージですしね。2021-2022冬市場で、多くのユーザーがこの楽しみを手に入れるのではないでしょうか。みなさん、ありがとうございました。

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