画像: Auto Sound Web Grand Prix 2019:マッチM-5DSP MK2がBronze Awardを獲得した理由
画像: [photo:Akio Shimazu]

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「オーディオが替えづらい」クルマにも好適
サイズもプライスもコンパクトなDSPアンプ

文=石田 功

 新型カローラにディスプレイオーディオ(DA)が標準装備され、その後出てくるクルマにも広がる可能性を高めていて、純正オーディオが劇的に変化する気配を見せている。いっぽうで9型ナビを搭載するクルマも増えている。こうなると「オーディオが替えづらい」現象はますます加速しそうだ。もともと輸入車を中心に「オーディオが替えづらい」クルマはどんどん増えていて、2DINが標準の時代はいつまで続くんだろうと思ってはいたが、そろそろ収束しそうな気配だ。

 となると「オーディオをグレードアップするにはどうするの?」という課題。現在のヘッドユニットは1DINなり2DINなりが基本だから、入れ替えするのが難しくなり、グレードアップを諦める人が増えることも容易に想像できる。そんな流れに「待った」をかけるのが、マッチのDSPアンプなのだ。

 このモデル、サイズが110×85×35mmと超コンパクト。これに7チャンネルプロセッサーと5チャンネルパワーアンプが内蔵されている。内部処理のサンプリングレートは48kHz/24bitだから、ハイエンドなユーザーには物足りない部分もあると思うが、オーディオを交換しづらいクルマを手に入れたばっかりに、軽くグレードアップしようと思ったらものすごい金額の見積もりを出されて悩んでいる人にはピッタリのアイテムである。

 音はものすごくまとも。そりゃ、もっと予算があれば好きなアンプ、もっと高性能なDSPを手に入れられるが、10万円以内の金額でこの音は出色の出来。骨格がしっかりした音で、低域も筋肉質だ。コストパフォーマンスはものすごく高い。これにプレーヤーも内蔵されていたら最高だと思うが、残念ながらそれはなし。そのためDAPなどほかのプレーヤーが必要だが、光出力が出るDAPならダイレクトに接続可能で、より音質はアップする。フロント2ウェイ+サブウーファーの手軽なシステムでいいので、今の純正オーディオの音をどうにかしたいと思っている人には、素晴らしいモデルだと思う。

音楽の表情変化を的確に描写する音楽再生能力を備え
純正オーディオの音をよくしてくれる頼もしい存在

文=黛 健司

 マッチは、ブラックスとヘリックスを擁するドイツのオーディオテック・フィッシャー社の第3ブランドだ。当初はヘリックス・プラグ&プレイを名乗ったが、2013年からマッチにブランド名が変更された。オーディオテック・フィッシャー社の技術力と、それが可能にする高音質には定評があり、マッチにもその技術・音質は継承され、純正カーオーディオ対応のプロセッサーやパワーアンプ、車種別専用スピーカーなどの製品をラインナップしている。

 M-5DSP MK2は、5ch分のパワーアンプを内蔵する、7ch出力のデジタルシグナルプロセッサー&パワーアンプだ。純正オーディオとの接続を前提にしているため、入力はスピーカー出力対応のみ。取付に際しても、配線をカプラーオンで純正回路に割り込ませるだけで、クルマの乗りかえ時にも簡単に純正に戻すことができ、ステアリングリモコンなどの機能も有効に動作する。

 本機のA/D、D/Aコンバーターには旭化成の高音質チップが採用され、純正スピーカーラインからの信号をデジタル信号に変換し、デジタル領域で動作するクロスオーバー、タイムアライメント、30バンドイコライザーを装備する。内蔵パワーアンプは、フロント2ch、リア2ch、サブウーファー1chの合計5ch。ノーマルモードでは35W×4ch、ハイパワーモードでは60W×4chの出力を持ち、サブウーファー出力は90Wとなっている。W110×H35×D85mmの小型サイズから湧き上がるサウンドは驚異的。試聴室での試聴だったため、DSPの調整機能は確認していないが、基本的な音質が素晴らしい。音楽の表情変化を的確に描写する音楽再生能力を備え、ニュートラル傾向の本格派のサウンドが堪能できる。ややこぶりな音との印象もあるが、このサイズで、これだけの機能を備えていながら、この価格なのだから、文句を言う方がオカシイ。純正オーディオの音をよくしたいという希望を叶えてくれる頼もしい存在だ。

マッチ match
M-5DSP MK2
¥95,000(税別)

SPECIFICATION
●入力:デジタル1系統(光TOS、S/PDIF最大96kHz/24bit)、アナログハイレベル4チャンネル
●出力:スピーカー5チャンネル(うち1チャンネルはサブウーファー出力)、ライン1系統(3.5mmステレオミニジャック)
●定格出力:35W×4+90W(ノーマルパワーモード4Ω時)、60W×4+160W(ハイパワーモード4Ω時)
●デジタルイコライザー:30バンドパラメトリックイコライザー(-15〜+6dB)
●フィルター:フルレンジ、ハイパス、ローパス(リンクウィッツ[スロープ・12、24、36dB/oct.]、バターワース/ベッセル/チェビチェフ[6、12、18、24、30、36、42dB/oct.]、セルフディファイン[スロープ・12dB/oct. Q値0.5〜1.9])<カットオフ周波数・20Hz~20kHz(1/48オクターブステップ)>、位相切換え(0度/180度)機能あり
●タイムディレイ:0~354.17cm/0~139.44インチ/0~10.38ms(ステップ・0.02ms/0.71cm/0.28インチ)
●PC接続:USB(2.0)、マイクロソフトWindows7、Windows8、Windows10対応
●調整用PCソフトウェア:ATF DSP PC-Tool(ウェブよりダウンロード)
●D/A、A/D変換:24ビット(旭化成)
●DSP:64bit、295MHz(動作サンプルレート48kHz/24bit)
●周波数特性:20Hz~20kHz
●SN比:109dB以上(デジタル入力)
●入力インピーダンス:9〜33Ω
●外形寸法:W110×H35×D85mm
●備考:付属品・20ピン電源/入出力コネクターケーブル(0.5m)、2ピンサブウーファーケーブル(0.3m)、PC接続用USBケーブル(1.5m)

■問合せ先:
株式会社エムズライン
電話番号:048-642-0170
Eメール:office@ms-line.co.jp

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