耳のいいスタッフによる音の熟成が行われたナビ
アキュレートにして彫り深く音楽を表現する
文=鈴木裕
FX11Zをテストした後に、メーカーのウェブサイト等を見てもその音の良さについて何も言及されていない。たしかにここ何年かの進化の内容は書きにくいことなのかもしれない。基本は昨年モデルと同様ながら、細部を熟成するやり方での音の向上なのだ。逆に言うと、耳のいい開発スタッフによって徹底的にヒアリングによる音の熟成が行なわれている。一部に新パーツなどの採用もあるが、企業秘密的な要素もあるだろうし、エレクトロニクスに興味のない一般ユーザーにとっては興味の持てない内容ではある。
しかし、音はいい。クラシックを聴いても日本のポップスを聴いても、アキュレートにして彫り深く音楽を表現する実力はトップレベル。プリアウトの出力もリファレンスレベルでパワーアンプドライバーとしての力も素晴らしい。大型の車種用にはスケールの大きいサウンドステージという対応力もこのメーカーならではのものだ。
大画面や高画質を上回る音質のインパクト
ハイファイトーンを強く印象づける精細感に溢れたサウンド
文=藤原陽祐
11インチ、ワイドXGAという大画面、高画質モニターを搭載したAV/ナビゲーション一体型機。その画面の大きさ、クォリティの高さにも驚かされるが、音質のインパクトをさらにそれを上回る。高音質化に向けた中核技術は、歪み、ノイズを極限まで抑え、円滑な信号の流れを確保する独自のS.T.A.R.(スター)サーキット理論。同時に、パワーIC、電解コンデンサー、フィルムコンデンサー、赤色LEDバイアス電源と、愚直なまでに高度な音質改善策が投じられ、AVナビの常識を超えたハイファイオーディオの世界を楽しませてくれる。
音そのものの品位感、的確なピッチ、リズム感、そして細やかな表現力といったところで、オーディオ的にしっかりと作り込まれた正統派であることが実感できる。とにかくワイドレンジで、ハイファイトーンを強く印象づける精細感に溢れたサウンドで、スタジオ、音楽ホールと、収録現場の雰囲気、気配まで鮮明に描き出す。音の芯をしっかりと捉え、瞬発力の伴った生きのいいサウンドは、まさに完成形の証だ。
アルパイン alpine
AV Navigation
XF11Z フローティングビッグX11
オープン価格(ALPINE STORE税込価格¥248,400)
SPECIFICATION
●AV一体型メモリーナビゲーション
●画面:11型WXGA静電容量型タッチパネル
●外形寸法:W270.8×H177.2×D234.5mm(最大)、W270.8×H177.2×D20mm(ノーズ部)、W178×H100×D169.5mm(筐体部)、35または45mm(接続部)
●重量:約4kg
●内蔵パワーアンプ最大出力:50W×4
●プリアウト最大レベル:2V
●再生メディア(フォーマット):地上デジタルTV、DVDビデオ、CD、Bluetooth(Bluetooth3.0)、USB(供給電圧・5V、FAT16/FAT32、MP3/WMA/AAC対応)、SD(class2/4/6/10、Ver.3.0、最大32GB対応、FAT16/FAT32、MP3/WMA/AAC対応)、HDMI機器接続対応、Walkman、iPod/iPhone
■DSP
●Media Xpander:OFF、レベル1、レベル2、レベル3
●Bass Max EQ:FLAT、POPS、ROCK、NEWS、JAZZ、ELECTRICAL DANCE、HIP HOP、EASY LISTENING、COUNTRY、CLASSICAL
●デジタルイコライザー:パラメトリックイコライザー
●ローパス/ハイパスフィルター:カットオフ周波数・20~200[Hz]、スロープ・‒6/‒12/‒18/‒24[dB/oct.]、レベル・0~-12[dB]
●タイムアライメント:0~336.6cm(3.4cmステップ)
●Wi-Fi:2.4GHz・1~13ch、5GHz・100~140ch、セキュリティ方式・OPEN/WEP/WPA(Personal)/WPA2(Personal)
●付属品:GPSアンテナ/地上デジタルTV放送専用フィルムアンテナ
■問合せ先
アルパイン・インフォメーションセンター
電話番号:0570-006636
Eメール:https://alpine.custhelp.com/app/ask
LINE:https://www.alpine.co.jp/support/inquiry/line.html