SEPTEMER 2026 NEW RELEASES - THE CRITERION COLLECTION
THE CRITERION COLLECTION has announced its SEPTEMER 2026 slate of 4K UHD BLU-RAY(5)and BLU-RAY(2)releases ー Amongst them are:12 ANGRY MEN(1957)NOUVELLE VAGUE(2025)THE SECRET AGENT(2025)and THREE FILMS BY LEOS CARAX(1984 - 1991:BOY MEETS GIRL/MAUVAIS SANG/THE LOVERS ON THE BRIDGE)

4K UHD BLU-RAY/BLU-RAY COMBO RELEASE
4K UHD + BLU-RAY SPECIAL EDITION
十二人の男たちの意見が一致した時、真実の扉が開く
クライテリオンからアナウンスされた2026年9月リリース・タイトル。その中からここでは4タイトル(UHD BLU-RAY)をご紹介。まず9月8日に登場するUHD BLU-RAYタイトルは、名匠シドニー・ルメット監督作『十二人の怒れる男』(1957)である。ニューヨーク。17歳の少年が父親殺しの罪で起訴された。12人の陪審員は審議に入るが、証拠は検察側に圧倒的に有利であり、議論する意味などない。被告人は間違いなく有罪で、電気椅子送りになる運命にある。早く有罪判決を下して日常に戻りたい。少なくとも11人の男たちはそう考えていた。だがただひとり、異議を唱える者が現れる。陪審員8番(ヘンリー・フォンダ)だ。彼にも無罪の確信はない。それでも彼は言う。これは人の命に関わることなんだ。5分で決められるわけがない。もし間違っていたらどうなるんだ?
United States • 1957 • 96 minutes • Black & White • 1.66:1 • English ー When viewing this Clip, please set resolution to 1080p/HD
こうして1年でもっとも暑い日に、ニューヨーク市の小さな陪審員室で、ひとりの少年の運命を握る12人の男たちが議論を繰り広げられていく。少年は冒頭、ほんの一瞬しか映らない。タイトルが終わると、論理と価値観、考え方の相違や偏見が陪審員室を支配する。これは様式化されたリアリズムの傑作だ。そしてひとつひとつの会話、抑制された動作が、銃撃戦や車の衝突と変わらぬスリリングなクライマックスを生み出すことを証明した名画クラシックである。オリジナルは1954年CBSテレビ製作の同名ディスカッションドラマ(監督フランクリン・J・シャフナー/脚本レジナルド・ローズ/生放送)。1957年、ローズとヘンリー・フォンダが共同プロデューサーを務め、テレビドラマの分野で豊富な経験を持つシドニー・ルメット演出で映画化された(初の長編映画監督)。
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本作品のUHD BLU-RAYは、2023年11月、キーノ・ローバーからリリースされている。本盤では同じく35mmオリジナルカメラネガから生成された4KスキャンDSMを採用しているが、新たにHDRカラーの修正等が施されている。そこで議論の的となる(であろう)点がアスペクトの違いである。キーノ版は1.85:1ビスタサイズ。本盤は1.66:1ヨーロッパビスタサイズでリリースされる予定だ(2011年クライテリオンBLU-RAYと同様)。撮影監督ボリス・カウフマンのインタビューや著書、あるいはシドニー・ルメットの著書の中で、本作品は球面レンズでオープンマット(1.37:1フルフレーム)撮影され、当時の多様な映画館スクリーン(従来のスタンダードサイズからワイドスクリーンへの移行期)また上映後のテレビ放映を見越しながら、さまざまな上映サイズのギャップを慎重に埋める対応を要したと語っている。その対応策のひとつが、カメラネガの上下左右にネガティブスペース(被写体=ポジティブスペース以外の余白や空間)を設けたことである。これにより、米国の映画館で1.85:1アスペクトで上映されても、欧州で1.66:1で上映される場合でも、ショットごとのいちばん重要な映像情報がカットされてしまうことはない(カットされる映像面積は1.85:1の方が多い)。

クライテリオンでは2011年、本作品のBLU-RAY/DVD(1.37:1フルフレームの35mmファイングレイン・マスターポジからの2Kレストア版)をリリースしているが、その際に1.66:1アスペクトを採用している(1.37:1の上下をマスキングして1.66:1映像を生成 ⇒ 16:9仕様に収めるために左右に黒帯を入れてディスク化)。クライテリオンではその理由を自社WEBサイトのコラム等で解説しており、まず欧州市場での興行実績を挙げている(初公開時/北米興行は振るわなかった)。本作品のINTENDED RATIO(意図された画面比率)は公には1.85:1とされているが、クライテリオンは「1.66:1もまた、当時観客に提示された正統なオリジナル比率である」と判断したのである。そこには「オリジナルネガに記録された映像情報を最大限に残すため」という意向も含まれている。

その判断の是非を決定的にした理由は明快だ。(他界する直前の)監督ルメット自ら修復作業に立ち会い、意向に沿って厳正に調整されて完成した2Kマスターに最終承認を与えているからである。ライナーノーツには「監督であるシドニー・ルメットによって承認されたマスター」である旨が明確にクレジットされており、作品クオリティを後世に残すために「ルメットが参加した最後のレストア・アーカイヴ」と提示している。

当時、カメラの技術的な知識に乏しい監督も多かったが、ルメットはカメラの技術に精通している演出家であった。作品ごとにレンズ計画表を作ることで知られるルメットは、撮影監督カウフマンとともに厳密な撮影台本を練り上げている。ルメットは舞台が限定される本作品を、三幕モノ(ストーリー構成の黄金律)ー ①第一幕(映画の序盤、議論の開始)②第二幕(議論が白熱し、有罪と無罪の意見が対立し始める中盤)③第三幕(最終的な評決に至る終盤)として構成した。

①では18mm~28mmの広角レンズが用いられ、被写体同士に物理的な距離感を設けている。観客を客観的な傍観者的立場に置き、陪審員たちの心理的距離もニュートラルな状態として表現するためである。またカメラアングルを幾分ハイアングル(陪審員たちを見下ろす角度)に設定することで、観客は冷静かつ俯瞰的に議論を観察できる。ライティングも窓から差し込む午後の日差しを演出。
②では50mmから70mmの標準レンズを使用。人間の視野に近い50mm前後のレンズを多用することによって、広角レンズ特有の広い画角、遠近感の強調や深い被写界深度が抑えられ、空間が縮小した感覚を持たせている。カメラアングルもアイレベルまで下がり、陪審員たちと同じテーブルに座って議論に参加しているかのような臨場感や閉塞感を演出。投票が6対6となる時点で、屋外の天気が一変(激しい雨と雷)。窓からの自然光演出を遮断し、室内の人工照明の光源へと切り替えてコントラストを高めることで、陪審員室全体に不穏な深い影が忍び寄るようになる。
③では長焦点100mm以上の望遠レンズを多用。画角はより狭く、遠近感も圧縮される(背景と被写体の距離が極度に詰まった圧縮効果)。カメラアングルも目線より低く設定され、ことに画面いっぱいに映る大顔絵は、部屋の壁、あるいは天井が迫りくる効果と相まって、室内空間の閉塞感が最高潮に達し、息詰まるような緊張感を描き出している。

4K UHD + BLU-RAY SPECIAL EDITION FEATURES
TWO-DISC(4K UHD BLU-RAY/BLU-RAY with the film and special features)COMBO PACK RELEASE
- NEW 4K DIGITAL RESTORATION, with uncompressed monaural soundtrack
- HDR PRESENTATION OF THE FILM(DOLBY VISION / HDR10 COMPATIBLE)
- Television version from 1954 of 12 Angry Men, directed by Franklin J. Schaffner for the series Studio One, with an introduction by Ron Simon, curator at the Paley Center for Media
- Production history of 12 Angry Men, from teleplay to big-screen classic
- Archival interviews with director Sidney Lumet
- Interview with screenwriter Walter Bernstein about Lumet
- Interview with Simon about writer Reginald Rose
- Tragedy in a Temporary Town (1956), a teleplay directed by Lumet and written by Rose
- Interview with cinematographer John Bailey about director of photography Boris Kaufman
- Trailer
- English subtitles for the deaf and hard of hearing
- PLUS: An essay by writer and law professor Thane Rosenbaum
Released: SEP 8, 2026
List Price: $49.95 USD(4K UHD + BLU-RAY 2-DISC SET)$39.95 USD(BLU-RAY 1-DISC)

| タイトル | 十二人の怒れる男 |
|---|---|
| 年 | 1957 |
| 監督 | シドニー・ルメット |
| 製作 | レジナルド・ローズ ヘンリー・フォンダ |
| 脚本 | レジナルド・ローズ |
| 撮影 | ボリス・カウフマン |
| 音楽 | ケニヨン・ホプキンス |
| 出演 | ヘンリー・フォンダ リー・J・コッブ エド・ベグリー マーティン・バルサム E・G・マーシャル ジャック・クラグマン ジョン・フィードラー ジョージ・ヴォスコヴェック ロバート・ウェッバー エドワード・ビンズ ジョセフ・スウィーニー ジャック・ウォーデン |
AWARDS
| ベルリン国際映画祭 | 1957年 |
|---|---|
| ☆ 受賞 | 金熊賞 国際カトリック映画事務局賞 |
| アカデミー賞 | 1957年 |
| ★ ノミネート | 作品賞 監督賞 脚本賞 |
4K UHD BLU-RAY/BLU-RAY COMBO RELEASE
DIRECTOR-APPROVED 4K UHD + BLU-RAY SPECIAL EDITION
息切れするほど、自由に。
続いて紹介する2タイトル ー 『ヌーヴェルヴァーグ』(2025)『シークレット・エージェント』(2025)は近日公開予定の作品(『ヌーヴェルヴァーグ』は7月10日公開)。そのためここでは詳細な作品解説を避けておきたい。『ヌーヴェルヴァーグ』は『ビフォア』三部作や『6才のボクが、大人になるまで。』などの作品で知られるリチャード・リンクレイター監督作。そして今回、リンクレイターはカメラを、67年前の映画史における重要な転換点へと向ける。パリの若者たちの創造的な想像力と実験精神が、新たな映画製作の手法、すなわち仏ヌーヴェルヴァーグの誕生へと繋がった時代だ。 本作品はジャン=リュック・ゴダールの名作『勝手にしやがれ』の製作過程を再構築した作品であり、革命的なヌーヴェルヴァーグへのラブレターである。
France, United States • 2025 • 106 minutes • Black & White • 1.37:1 • French, English ー When viewing this trailer, please set resolution to 1080p/HD
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ただ、タイトルとは裏腹に、ヌーヴェルヴァーグの黎明期を包括的に描こうとする作品ではない。映画の冒頭では、このムーブメントはすでに本格的に始動している。フランソワ・トリュフォーはカンヌ国際映画祭で『大人は判ってくれない』のプレミア上映を控えている。またゴダールを除く「カイエ・デュ・シネマ」の面々は、そのほぼ全員が長編映画の製作に乗り出している。ゴダールをヌーヴェルヴァーグの精神を体現する偉大な人物として描くのではなく、このムーブメントに最後に加わり、そのスローガンを正当化した人物として捉えている点に注目されたい。世界でもっとも愛され、影響力のある映画のひとつである『勝手にしやがれ』。その中核にある若々しい活力と陶酔感、あらゆるルールを破った創造的な混沌、境界のない映画芸術を生み出す喜悦を捉えた本作品は、映画の変革力への賛歌を紡ぎながら、あの1959年のパリの街へと観る者を誘ってくれよう。

撮影は『ジャンヌ』『ウィ、シェフ!』の新鋭ダヴィド・シャンビーユ。ARRIアリカムLTほか/スーパー35方式/白黒パンクロマティック・フィルムストック撮影。およびSONYシネアルタ・ヴェニス2/3:2オープンゲート撮影/X-OCN ST 6K収録(屋外でのCG/VFXが必要とされるショット)。Kowa FF/Cooke S2/S3/Angénieuxズームといったビンテージレンズを使用。4K DIフィニッシュ。シャンビーユとリンクレイターは、『勝手にしやがれ』の撮影監督ラウール・クタールの手法を再現、まるで1959年に撮影されたかのような画トーンを生成している。なかでも注目は『勝手にしやがれ』のナイトショットで使用されたイルフォード HPS(Ilford HPS/1950年代から60年代にかけて製造されていた、英イルフォード社製の超高感度白黒ネガフィルム)の使用。またステディカムや最新フィルターを避け、メイン光源は自然光とバウンスフォトフラッド(広照射の間接光操演)。追加の照明が必要な場合でも、HMI(メタルハライド)やLEDライトは控えめに使用され、当時のパリの暑い夏の太陽光を模倣するように調整されている。

このムーブメントの代名詞ともいえる、手持ちカメラによる自由奔放な撮影スタイルや、断続的なジャンプカット編集が何を意味するのか。あるいは、こうした手法を選択した背後にある理由は何か。ご安心あれ。スクリーン上のゴダール(ギヨーム・マルベック)がそれについて講義してくれる。ポストプロダクションでは、使い込まれたアーカイヴプリントの古びた風合いや、フィルム特有のノスタルジックで有機的な質感を出すために(デジタル撮影素材に対して)ゲートウィーブ効果やデジタルグレイン、さらには細かな傷痕などが付加されている。このようにシャンビーユとリンクレイターは、シュールなまでに精確な映像を生成しているのだが、安っぽさやギミックをまったく感じさせない、自然な形での視覚的効果を実現しているのである。 セザール賞・撮影賞受賞作。
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音響エンジニアは『最高の花婿』三部作や『デュオ 1/2のピアニスト』のセルジュ・ルケイロル(編集監督)『エディット・ピアフ~愛の讃歌~』『パリのちいさなオーケストラ』のクリストフ・ヴァントリニエ(リレコーディングミキサー)。リンクレイターは視覚効果と同様の音響演出を行っており、たとえば意図的に音声(台詞)をずらしたADRもそのひとつ。当時のミキシング技術、光学録音特有のノイズや音声の歪み、即興的で不規則なサウンド編集などの再現を聴取されたい。
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DIRECTOR-APPROVED 4K UHD + BLU-RAY SPECIAL EDITION FEATURES
TWO-DISC(4K UHD BLU-RAY/BLU-RAY with the film and special features)COMBO PACK RELEASE
- NEW 4K DIGITAL MASTER FROM THE ORIGINAL DSM, supervised and approved by director Richard Linklater and director of photography David Chambille, with 5.1 surround DTS-HD Master Audio soundtrack
- SDR / BT.709 PRESENTATION OF THE FILM
- New audio commentary featuring Linklater
- Le making of "Nouvelle Vague" (2025), directed by Lucie Saada
- Interviews with Linklater and actors Zoey Deutch, Aubry Dullin, and Guillaume Marbeck
- Within the Wave, an audiovisual dossier on the real-life figures depicted in the film, by critic Farran Smith Nehme
- Linklater's prerehearsal manifesto, read by Deutch
- Selection of trailers from French New Wave films
- Trailer
- English subtitles for the deaf and hard of hearing and English descriptive audio
- PLUS: Essays by critic Nick James and coscreenwriter Vince Palmo and an introduction by Linklater
Released: SEP 22, 2026
List Price: $49.95 USD(4K UHD + BLU-RAY 2-DISC SET)$39.95 USD(BLU-RAY 1-DISC)
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| タイトル | ヌーヴェルヴァーグ |
|---|---|
| 年 | 2025年 |
| 監督 | リチャード・リンクレイター |
| 製作 | ミシェル・ペタン ロラン・ペタン |
| 製作総指揮 | マイク・ブリザード エマニュエル・モンタマ ジョン・スロス |
| 脚本 | ホリー・ジェント ヴィンス・パルモ |
| 脚色 | ミシェル・ペタン レティシア・マッソン |
| 仏訳台詞 | ミシェル・ペタン レティシア・マッソン |
| 撮影 | ダヴィド・シャンビーユ |
| 音楽監修 | ジェローム・ラトゥール |
| 出演 | ギヨーム・マルベック ゾーイ・ドゥイッチ オーブリー・デュラン アドリアン・ルイヤール アントワーヌ・ベッソン |
AWARDS
| アカデミー賞 | 1995年 |
|---|---|
| ★ ノミネート | 作品 監督 主演女優 脚本 |
4K UHD BLU-RAY/BLU-RAY COMBO RELEASE
DIRECTOR-APPROVED 4K UHD + BLU-RAY SPECIAL EDITION
ブラジル、1977年 ー 大いなる悪戯の時代
『シークレット・エージェント』は、ブラジルが生んだ偉才クレーベル・メンドンサ・フィーリョ監督最新作。数々の賞を受賞した長編デビュー作『O SOM AO REDOR(周囲の音)』以来、フィーリョ監督作はブラジル国内外で120以上の賞を受賞しており、本作品でもカンヌ国際映画祭で監督賞・男優賞を受賞したほか数々の賞に輝いている。国内公開された『アクエリアス』(2016)『バクラウ』(2019)でも一級の演出力で強い印象を与えていたが、本作品はこれまでの作品よりも幅広い層にアピールする仕上がりとなっており、政治スリラーというジャンル映画のお約束を巧みに操りながら卓越した能力を改めて証明している。
Brazil, Germany, France, Netherlands • 2025 • 161 minutes • Color • 2.39:1 • Portuguese ー When viewing this trailer, please set resolution to 1080p/HD
映画は「1977年、大騒動の時代」と茶目っ気たっぷりに表現した字幕で幕を開ける(実際には21年に及ぶ軍事独裁政権のほぼ中間地点に当たる)。ブラジルのペルナンブコ州の州都レシフェ。鮮やかな黄色のフォルクスワーゲン・ビートルでやってきた男。人里離れたガソリンスタンドに立ち寄ったアルマンド、銃で撃たれて血まみれになった死体を目にする。警察が到着すると、彼らは死体よりもマルセロの方に興味を示す。そして短い尋問・・・。この冒頭シーンは、それ自体が独立した短編映画として成立しそうなほど美しく構成され、また同時に当時のブラジル当局が用いた腐敗と型破りな魔女狩り戦術を即座に示唆しており、観客は瞬く間に映画に引き摺り込まれていく。
『シビル・ウォー アメリカ最後の日』のワグネル・モウラが演じるアルマンド・ソリモンエスは、妻を亡くした元大学教授で技術者だ。ブラジルの軍事独裁政権の監視対象となって以来、マルセロという偽名で身を隠して暮らすことを余儀なくされている。波乱に満ちた過去と度重なる殺害予告から逃れるため、カーニバルの週を迎えたレシフェへ逃亡した彼は、愛する息子と再会するが・・・。

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撮影監督はロシア出身、パリを拠点に活動する女性撮影監督エフゲーニヤ・アレクサンドロワ。ARRIアレクサ35/3:2オープンゲートモード/アナモフィック撮影/ARRIRAW 4.6K収録。回想シーンは同・アレクサMINI/1.5:1オープンゲート/アナモフィック撮影/ARRIRAW 3.4K収録。本作品は全編ブラジルで撮影されているが、プリプロダクションの段階でアレクサンドロワと監督フィーリョは、光彩色彩によるビジュアル・サブバーシヴ(視覚的転覆表現)をテーマに掲げている。たとえば軍事政権の恐怖や冷酷さを描くにあたり、モノトーンやダークトーンといった色調を避け、あえてレシフェの強烈な陽光やカーニバルの鮮やかで色彩を前面に押し出している。街の生命力や人々の温かさを鮮烈な光彩色彩で描くことで、抑圧された過酷な政治的現実をより際立たせるコントラストを生み出出そうとする試みだ。カーニバルの熱気に包まれる中、身分を隠して逃亡するマルセロの、大衆の中にいるからこそ際立つ孤立感を視覚的に強調しつつ、焦燥感を煽るサスペンスの装置として機能させたのである。カメラオペレートもこなすのがアレクサンドロワの特徴のひとつだが、完成度の高いワイドショットは4K HDRの観どころのひとつとなろう。

音響エンジニアは『キャプテン・ノバ』『わたしたちのハッピー・エンディング』のティン・ハーゼン(サウンドデザイン/編集監督)『エミリア・ペレス』『シンプル・アクシデント』のシリル・ホルツ(リレコーディングミキサー)ほか。
隣人の話し声、足音、ドアの開閉音、車のクラクション、映写機のフィルム走行音、あるいは華やかなサンバや熱狂的な音楽が、いかに効果的に詳細に、登場人物の心理の複雑な動きを描き切ることができるか。日常のノイズをいかに恐怖の装置へと変貌させることができるか。マルセロを追い詰める監視の目として機能させながら、彼が陥るパラノイアを聴覚化することが重要なテーマであった。音響エンジニア ティン・ハーゼン

DIRECTOR-APPROVED 4K UHD + BLU-RAY SPECIAL EDITION FEATURES
THREE-DISC(4K UHD BLU-RAY/TWO BLU-RAY with the film and special features)COMBO PACK RELEASE
- NEW 4K DIGITAL MASTER FROM THE ORIGINAL DSM, approved by director Kleber Mendonça Filho, with 5.1 surround DTS-HD Master Audio soundtrack
- HDR PRESENTATION OF THE FILM(DOLBY VISION / HDR10 COMPATIBLE)
- Pictures of Ghosts (2023), a companion film by Mendonça Filho
- Making-of documentary featuring interviews with Mendonça Filho, actor Wagner Moura, and other members of the cast and crew
- New interviews with director of photography Evgenia Alexandrova and sound mixer Cyril Holtz
- New video essay featuring Mendonça Filho
- Deleted scenes
- Archival material that inspired the film, with commentary by Mendonça Filho
- Trailer
- New English subtitle translation
- PLUS: An essay by film programmer and curator Dennis Lim
Released: SEP 22, 2026
List Price: $49.95 USD(4K UHD + BLU-RAY 3-DISC SET)$39.95 USD(BLU-RAY 2-DISC)
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| タイトル | シークレット・エージェント |
|---|---|
| 年 | 2025 |
| 監督 | クレーベル・メンドンサ・フィーリョ |
| 製作 | クレーベル・メンドンサ・フィーリョ エミリー・レクロー |
| 製作総指揮 | ブレント・トラヴァース ドラ・アモリム |
| 脚本 | クレーベル・メンドンサ・フィーリョ |
| 撮影 | エフゲーニヤ・アレクサンドロワ |
| 音楽 | トマス・アウヴェス・ソウザ マテウス・アウヴェス |
| 出演 | ワグネル・モウラ ロブソン・アンドラーデ ルーベンズ・サントス リシーニョ・ジャヌアリオ ファビアナ・ピロ エルミーラ・ゲーデス |
AWARDS
| カンヌ国際映画祭 | 2025年 |
|---|---|
| ☆ 受賞 | 監督賞 男優賞 |
| アカデミー賞 | 2025年 |
| ★ ノミネート | 作品賞 主演男優賞 国際長編映画賞 キャスティング賞 |
| 全米批評家協会賞 | 2025年 |
| ☆ 受賞 | 外国語映画賞 |
4K UHD BLU-RAY/BLU-RAY COMBO RELEASE
DIRECTOR-APPROVED SIX-DISC 4K UHD + BLU-RAY SPECIAL EDITION
9月のクライテリオンが贈るコレクターズBOXは、アレクサンドル・オスカー・デュポンことレオス・カラックス(ファーストネームのアナグラム)をフィーチャーした『THREE FILMS BY LEOS CARAX』である。所収されるのはカラックス監督初期3作品、アレックス三部作 ー『ボーイ・ミーツ・ガール』(1984)『汚れた血』(1986)『ポンヌフの恋人』(1991)である。
カラックスの映画は爽快なほど奇抜で、大胆不敵に大袈裟で、意図的に観客を動揺させる - ニューヨーク・タイムズ紙
映画の持つ可能性を限界まで押し広げてくれるカラックスは、まさに傑出した映画監督と呼ぶに相応しい。1980年代初頭、リュック・ベッソン、ジャン=ジャック・ベネックスと共に「恐るべき子供たち(Les Enfants Terribles)」と呼ばれ、天賦の才を持つ監督として注目を集めた彼は、その強烈な作家性をもって物議を醸す存在へと成長し、いまなおフランス映画界において特別な地位を占めている。熱狂的に称賛されることもあれば、断固として拒絶されることもあるカラックス作品は、数多の伝説的エピソードに彩られている。なかでも予算と製作スケジュールを大幅に超過した『ポンヌフの恋人たち』の製作秘話は、とりわけセンセーショナルな逸話として知られている。
思えばカラックス、およそ40年のキャリアで長編映画をわずか6本しか発表していない。だがそのフィルモグラフィは、常に抗しがたい魅力に満ち溢れている。アプローチを練り上げ、方策を駆使し、徹底的に様式化されて強烈なインパクトを与える彼の映画は、どのジャンルにも分類できない。それらは視覚的、聴覚的な創意工夫に満ち溢れ、過剰なまでにアイデアが溢れ、映画史への数多くの言及や暗示をも含んでいる。カラックスの大きなテーマは不幸な愛であり、彼が好んで舞台とするのはパリである。俳優ドゥニ・ラヴァンがカラックスの分身として呼吸し、パリの街への苛烈なラブレターでもあるアレックス三部作。その街は映像語彙に富んだジャン=イヴ・エスコフィエのカメラによって夢幻風景へと変貌し、卓越したサウンドデザインを施された音彩と融合し、息を呑むような視聴覚スペクタクルに溺れさす陶酔の瞬間(とき)を約束する。
DIRECTOR-APPROVED 4K UHD + BLU-RAY SPECIAL EDITION FEATURES
SIX-DISC(THREE 4K UHD BLU-RAY/THREE BLU-RAY with the film and special features)COMBO PACK RELEASE
- NEW 4K DIGITAL RESTORATIONS, with uncompressed monaural (Boy Meets Girl and Mauvais sang) and 5.1 surround DTS-HD Master Audio (The Lovers on the Bridge) soundtracks
- HDR PRESENTATION OF THE FILM(DOLBY VISION / HDR10 COMPATIBLE)- The Lovers on the Bridge
- SDR / BT.709 PRESENTATION OF THE FILMSー Boy Meets Girl and Mauvais sang
- It's Not Me (2024), a self-portrait film by director Leos Carax
- New interviews with actor Denis Lavant and editor Nelly Quettier
- New video essay on the cinematography of Jean-Yves Escoffier
- Meet the Filmmakers: Leos Carax, a Criterion Channel original interview
- Mr. X: A Vision of Leos Carax (2014), a documentary on Carax's work
- Le Pont-Neuf des amants (1991), a documentary on the making of the main set for The Lovers on the Bridge
- Deleted scene, rushes, screen tests, behind-the-scenes footage, and trailers
- New English subtitle translation
- PLUS: An essay by author Amina Cain
Released: SEP 29, 2026
List Price: $124.95 USD(4K UHD + BLU-RAY 6-DISC SET)$99.95 USD(BLU-RAY 3-DISC)
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BOY MEETS GIRL
レオス・カラックス すべての出発点 ー アレックス三部作の始まり
France • 1984 • 104 minutes • Black & White • 1.66:1 • French ー When viewing this trailer, please set resolution to 1080p/HD

カラックスが本作品を製作した時、若干23歳だった。フランス映画界に稲妻のような衝撃を与え、それは突然で、電撃的だったと称された本作品は、映画芸術への愛情に満ち満ち、独創的な巧妙さとローファイな密度とを兼ね備えた長編監督デビュー作である。撮影監督エスコフィエは、サイレント映画やドイツ表現主義映画にインスパイアされた強いコントラストの明暗法を多用。幾何学的なフレーミング、余計な要素を排した構図、象徴性を帯びた光と深い陰影によって孤独感を際立たせている。ちなみにナイトショットには採用されたフィルムは、『勝手にしやがれ』『ヌーヴェルヴァーグ』で使用されたイルフォード HPSである。サウンドは詩的なコラージュのように構成され、痛き静寂、ミニマルな効果音と環境音で彩られる。折衷的な音楽の使い方にも注目。

| タイトル | ボーイ・ミーツ・ガール |
|---|---|
| 年 | 1984 |
| 監督 | レオス・カラックス |
| 製作 | パトリシア・モラーズ |
| 製作総指揮 | アラン・ダーン |
| 脚本 | レオス・カラックス |
| 撮影 | ジャン=イヴ・エスコフィエ |
| 音楽 | ジャック・ピノー |
| 出演 | ドニ・ラヴァン ミレーユ・ペリエ キャロル・ブルックス アンナ・バルダッチニ ハンス・メイヤー エリー・ポワカール クリスチャン・クローレック |
AWARDS
| カンヌ国際映画祭 | 1984年 |
|---|---|
| ☆ 受賞 | ユース賞(フランス国内作品) |
MAUVAIS SANG
どこまでも加速する一方通行の愛
France • 1986 • 120 minutes • Color • 1.66:1 • French ー When viewing this trailer, please set resolution to 1080p/HD

近未来のパリを舞台にしたネオノワール。ヌーヴェルヴァーグの巨匠たち、とりわけジャン=リュック・ゴダールの影響が色濃く映る。そのゴダールを含めた映画愛好家への言及、極めて様式化された色彩のドラマツルギー、フェードアウトによる画面転換、サイレント映画の美学などは、カラックスの豊かなアイデアの宝庫が満載。 本作品でエスコフィエはポップアートスタイルへと映像表現を転換させ、広告アート、ハイファッション、ミュージックビデオの影響を受けつつ、さらにファインアートを融合させている。本作品では富士フイルムを採用。富士独特の色彩再現(特に豊かな緑、深い青、鮮やかで力強い赤)は必見。ラティチュードの広さに定評のある富士フイルムと、豊かなダイナミックレンジと温かみのある発色の日本製KOWAのビンテージレンズを組み合わせ、1~2プッシュオーバー(増感)で撮り、さらに現像時に減感。豊かな階調の色彩と滑らかなトーンの質感を生成した点にも注目。セリフによる説明を極力排したサウンドは、ノイズ、効果音や環境音、挿入歌の音量バランスを極端に変化させることで、登場人物の内面の狂騒や高揚感を表現する。サイレント映画を思わせる無音効果、ロックやクラシックの混入によるダイナミックスなど、聴きどころも多い。

| タイトル | 汚れた血 |
|---|---|
| 年 | 1986 |
| 監督 | レオス・カラックス |
| 製作 | アラン・ダーン |
| 製作総指揮 | フィリップ・ディアス ドニ・シャトー |
| 脚本 | レオス・カラックス |
| 撮影 | ジャン=イヴ・エスコフィエ |
| 音楽監修 | レオス・カラックス |
| 出演 | ドニ・ラヴァン ジュリエット・ビノシュ ミシェル・ピッコリ ジュリー・デルピー ミレーユ・ペリエ ハンス・メイヤー キャロル・ブルックス エセルジュ・レジアニ |
AWARDS
| ベルリン国際映画祭 | 1986年 |
|---|---|
| ☆ 受賞 | アルフレード・バウアー賞 |
愛はひとを裸にする
France • 1991 • 125 minutes • Color • 1.66:1 • French ー When viewing this trailer, please set resolution to 1080p/HD

アレックス三部作の最終章。本作品のみHDRグレーディング(HDR10とドルビービジョンHDRを採用)。フランス革命200周年に沸くパリ中心部のポンヌフ橋。広場で大道芸を披露して小銭を稼ぐ男。目の病と恋愛ゆえにブルジョワ生活から自らを追放した女。橋はふたりの住処であり、狂おしい愛の舞台となる。写実的なショットと神話的なディフォルメ、火と水、光と闇、そして息を呑むようなモンタージュを交互に織り交ぜた壮大な映像作品。実物大のポンヌフ橋とセーヌ川、周囲の街並みを再現した巨大なオープンセットを建設したことで、厳正なる光源コントロールを実現している。採用フィルムは前章と同じく富士フイルム。ナイトショットの美しさとスケール感がHDRでどう再現されるか、乞うご期待。本作品のみ5.1chサラウンドトラック収録。サウンドデザインも前章の閉塞感を一掃、重量と活力と明瞭さをもって描音されていく。

| タイトル | ポンヌフの恋人 |
|---|---|
| 年 | 1991年 |
| 監督 | レオス・カラックス |
| 製作 | クリスチャン・フェシュネール |
| 製作総指揮 | エルヴェ・トリュフォー アルベール・プレヴォスト |
| 脚本 | レオス・カラックス |
| 撮影 | ジャン=イヴ・エスコフィエ |
| 音楽監修 | レオス・カラックス |
| 出演 | ドニ・ラヴァン ジュリエット・ビノシュ クラウス=ミヒャエル・グリューバー ダニエル・ビュアン マリオン・スタレンス エディット・スコブ |
AWARDS
| ヨーロッパ映画賞 | 1992年 |
|---|---|
| ★ ノミネート | 主演女優賞 撮影賞 編集賞 |
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