4K UHD BLU-RAY SHORT REVIEW - GOOD BOY短評

タイトルGOOD BOY/グッド・ボーイ
2025
監督ベン・レオンバーグ
製作ベン・レオンバーグ アレックス・キャノン
脚本ベン・レオンバーグ カリ・フィッシャー
撮影ベン・レオンバーグ
編集ベン・レオンバーグ
音楽サム・ボース・ミラー
出演シェーン・ジェンセン ラリー・フェセンデン アリエル・フリードマン ハンター・ゲッツ インディ(DOG)
画像: ーーWhen viewing this clip, please set resolution to 1080p/HDーー

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TitleGOOD BOY
ReleasedFeb 16, 2026 (from Vertigo Releasing UK)
Run Time1:13:29.613 (h:m:s.ms)
PackagingSlipcover in original pressing
CodecHEVC / H.265 (Resolution: Native 4K / DOLBY VISION / HDR10 compatible)
Aspect Ratio2.00:1
Audio FormatsEnglish DTS-HD Master Audio 5.1 (48kHz / 24-bit), English LPCM 2.0(48kHz / 24-bit)
SubtitlesEnglish SDH
Video Average Rate78068 kbps (HDR10) / 7786 kbps (DOLBY VISION 9.97%)
Audio Average Rate3607 kbps (DTS-HD MA / 48kHz / 24-bit / English), 2304 kbps (LPCM / 48kHz / 24-bit / English)

悪が見える

本作品は犬の視点から語られる異色ホラーであり、その中心となる仕掛けの強度によって成否が決まるタイプの映画だ。その犬はインディという名のノヴァ・スコシア・ダック・トーリング・レトリーバー(監督レオンバーグの愛犬)。ご主人と共に森に囲まれた家に引っ越してきたインディは、すぐに暗闇や森の中に潜む不吉な存在を嗅ぎつける。現れては消える奇怪な人影。出所不明の恐ろしい物音。その間にも徐々に、ご主人の行動は常軌を失っていく。何かがおかしい。それが何によるものなのか。どうすれば助けられるのか。映画はインディの混乱を、観客と共有させようと試みる。冴え冴えとした光景に不気味な映像とサウンドが混交していくにつれ、次第に時間と場所の感覚が曖昧となり、観客も何が起こっているのか正確に把握するのが難しくなっていく。犬の視点から説得力のある怪奇譚を語ることができるのか?その試みは十分なほど興味深いものであり、実際に(詳細を語ると重要なネタバレになってしまうので記さないが)犬が理解できない恐怖を具現化し、ホラー演出として巧みに使うことに成功している。そしてそれを味わい尽くすための映画の仕掛け、すなわち映像とサウンドの再生品質こそが、大きなカギを握っているのである。

画像1: ーー4K UHD SCREEN SHOTーー

ーー4K UHD SCREEN SHOTーー

米国版BLU-RAYは3月に登場したが、これがとても厄介な仕上がり。絵画調のルックスを持つ本作品では、光が闇に暈される効果、あるいは光が滲むグロー効果やブルーム効果が頻繁に現れる。そのためBLU-RAYでは圧縮弊害が顕著となり、とりわけバンディングが至る所に表出、超自然的で不吉なムードを台無しにしているのだ。重要な場面でもことごとく集中を削がれてしまう。そこで2月発売(実際には手元に届いたのは4月/理由は不明)のUK版4K UHD BLU-RAYで再見。予想していた通り、BLU-RAYの深刻な圧縮問題をクリアし、4Kネイティブ/HDRによる恩恵を最大限に受けた見事な仕上がりとなっている。BLU-RAYでは黒ツブレや白トビを起こしていた、低照度ショットや逆光ショットでの階調表現も大幅に改善。グローやブルーム効果も明確に描き出されている。植生の深い緑、朝霧や曇天のグレートーン、インディのキャメルに寄った砂褐色の毛並み、怪異演出に使われる琥珀光や深紅など、WCG(広色域)の恩恵も多大だ。インディの大顔絵、表情の機微や目の動きも真に迫る。犬目線のローアングルが多用され、フレーミングや構図による没入度も高い。

画像2: ーー4K UHD SCREEN SHOTーー

ーー4K UHD SCREEN SHOTーー

サウンドは5.1ch/2.0chトラックを収録。インディーズ作品ゆえにアトモス未採用は致し方ないが、
インディの聴覚を再現するかのような5.1ch鑑賞がおススメ。森の環境音、雨音や風音、床の軋み音、室内の暗騒音などが全方向から包囲。一方で怪異の移動(多くの場合、音のパンニング)が随所でジャンプスケア効果を上げる。インディがミニマルな音に敏感に反応する聴覚的効果が聴きどころとなっているが、本作品のもっとも居心地の悪い瞬間は静寂の中にあるという点に注目されたい。さらに興味深いのはインディの視覚や聴覚に観客を引き込む巧みな手法だ。大抵ご主人はインディの傍にいて、他にも数人の登場人物が現れるものの、彼らの顔は常に画面には映らない。インディの頭上で繰り広げられる人間の出来事から観客は遠ざけられている。たとえば序盤のあるシーン。ご主人が車から降りて携帯電話に出るが、カメラはインディと共に車内に留まるため、会話の内容はひどく不明瞭だ。インディと同じように観客は、大まかな感情の起伏は理解できるものの、ご主人が何を言っているのか、話の詳細はまったく聴取できない。こうした不穏な音の感触、その演出が素晴らしい。

UHD PICTURE - 4.55  SOUND - 45

画像3: ーー4K UHD SCREEN SHOTーー

ーー4K UHD SCREEN SHOTーー

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