Marshall(マーシャル)から、アダプティブ・ノイズキャンセリグ機能を搭載したワイヤレスヘッドホン「Milton A.N.C.」(¥32,990、税込)が発売された。

 マーシャルは、1962年にロンドンのハンウェルで創業した。ジム&テリー・マーシャルが製作したアンプについて、友人のギタリストがギターアンプとして使ってみたらどうだと提案したことをきっかけに「JTM45」が誕生、ディストーション(歪み)を思いきり効かせて大きな音を響かせるというギターアンプの新しい旋律を生み出し、ロックンロールを象徴するブランドに成長したという。さらに、70、80、90年代を通してロックのみならず、フォークやメタルといった楽曲でも使われるようになってきた。

画像: 「Milton A.N.C.」の本体カラーはブラック

「Milton A.N.C.」の本体カラーはブラック

 それらは “音楽を演奏する人”(ミュージシャンなど)に向けた製品ラインナップだったが、2010年には新たなジャンルとしてヘッドホンを発売、対象ユーザーを “音楽を聴く人” にまで広げて、室内だけでなく外出先でもマーシャル製品を愛用してもらえるような提案を行っている。2023年にはMarshall Groupが誕生、同ブランドが持っているポテンシャルを最大限に引き出す体制を作り上げた。

 同ブランドの音楽への取り組みはハードウェアの発売に限定されていない。例えばアンプ製品の売上の1%を、各地のライブハウスなどの活動支援として還元する取り組みもおこなっている。そのひとつとして、タイのバンコクにマーシャルライブハウスを開設した。ここは床面積500平方メートルの人さを持った施設で、その中にはふたつのリハーサルルームに加えて、バーやコミュニティセンターなども備えている。

 さらに今後の展開として、ジミ・ヘンドリックス財団とのコラボも進められており、新たにスピーカーやアンプの発売も予定されているそうだ。

画像: マーシャルの取り組みについて紹介してくれた、Marshall Group APACマーケティング・ディレクターRachel Wuさん

マーシャルの取り組みについて紹介してくれた、Marshall Group APACマーケティング・ディレクターRachel Wuさん

 そんなマーシャルの新製品となるMilton A.N.C.は、オンイヤー型ワイヤレスヘッドホン。同社ではこれまでも「Monitor III A.N.C.」と「Major V」という2モデルのワイヤレスヘッドホンを発売している。Milton A.N.C.はその中間に位置する製品で、Major Vユーザーからの “ノイズキャンセリグ機能が欲しい” という声がきっかけとなって開発されたそうだ。

 アーティストが意図する音楽体験を目指し、60 年間にわたってミュージシャンと一緒にマーシャルのサウンドを作り続けて来たチーム製品開発やチューニングをすることで、心動かすウンドを実現している。

 MiltonA.N.C.の一番の特徴が、高性能アダプティブ・ノイズキャンセリング機能だ。Majour Vで好評の快適な装着感や携帯性はそのままに、ノイズキャンセリング性能を追加している。そのために6つのマイク(ノイズキャンセリグ用と通話用)を搭載、イヤーパッドの外側、内側それぞれのノイズを測定して最適なキャンセリングを行っている。周囲の音を確認したい場合のために、外音取り込みのトランスペアレンシーモードも備えている。

画像: イヤーパッドはひじょうに柔らかい素材で、簡単に取り外しも可能。ドライバーは表面がしっかりカバーされている

イヤーパッドはひじょうに柔らかい素材で、簡単に取り外しも可能。ドライバーは表面がしっかりカバーされている

 アクティブ・ラウドネス機能も搭載され、周辺環境音やボリュームに応じて自動的にトーンバランスを最適化してくれるので、自分でイコライザー等を調整しなくても、鮮明な音楽を楽しめるとのことだ。

 ドライバーは新開発された32mmサイズを搭載。低音の再現性を改良したことで、再生周波数帯域は20Hz〜40kHzをクリアーする。当然ハイレゾ再生も可能で、本体のUSB-Cコネクターは充電に加えて、スマホやPC、デジタルプレーヤーをつないでハイレゾ再生が楽しめるという。BluetoothコーデックはSBC、AACに加えてLC3やLDACにも対応している。

 サウンドステージ空間オーディオ機能も備えている。こちらは入力された2ch音源に独自の信号処理を加えて奥行きと臨場感あるイマーシブサウンドとして再現してくれる(操作はMarshallアプリから行う)。

 バッテリー持続時間は最大約80時間(ノイズキャンセリング・オフ)、ノイズキャンセリング・オンでも約50時間をクリアーしている。

画像: Marshall Group日本マーケティング・マネージャーの小峰信治さんが、「Milton A.N.C.」の詳細を解説してくれた

Marshall Group日本マーケティング・マネージャーの小峰信治さんが、「Milton A.N.C.」の詳細を解説してくれた

 イヤーパッドは人間工学と音響工学の両方からデザインされ、装着時の快適性だけではなく、優れた遮音性も実現した。これにより、オンイヤータイプながら密着度にも優れ、ノイズキャンセリング性能を高めている。またヘッドバンド部分は同ブランドのアンプ等と同様に、タフな環境にも耐える丈夫さを備えている。

 昨日開催された新製品体験会でMilton A.N.C.の音を確認した。手にとって驚いたのが、小さくて軽いこと。既発売のMajor Vもコンパクトさが魅力だったが、それと同程度のサイズ、重さ(Major Vの186gに対し、Milton A.N.C.は約200g)で、ノイズキャンセリング機能を追加しているのは確かに大きな進化だ。

 側圧はそれほど強くない印象ながら、イヤーパッドがひじょうに柔らかいので、耳を自然に覆ってくれる。オンイヤー型でここまで外部ノイズを遮断してくれるのに驚いた。ノイズキャンセリングの効果も大きく、比較的反響の大きい空間だったにも関わらず、外来ノイズをすっと抑えて音楽を自然に聴かせてくれる。音楽を熟知したチームがチューニングを担当したということが納得できるサウンドだった。

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