ゼンハイザージャパンから、業務用ヘッドホンのフラッグシップとなる密閉型の「HD 480 PRO」が発売された(実勢価格¥69,300)。

 兄弟モデルとなる開放型ヘッドホン「HD 490 PRO」はすでに市場から好評を得ているそうで、現場からの密閉型が欲しいという声に応えて今回新発売となった。しかし、単純に密閉型にするのではなく、密閉型で課題と言われていた「ローエンドの正確性」と「長時間の使用に耐えられる快適性」を追求、密閉型に最適化されたモデルとしての登場となった。

画像1: ゼンハイザーの最新のモニターヘッドホン「HD 480 PRO」は、リスニング用途にも使える、繊細でワイドレンジ、量感のある低音も楽しめる一台

●関連記事「ゼンハイザージャパン、プロ用モニターヘッドホンの新作として密閉型で正確なローエンド再現力を備えた「HD 480 PRO」を発売」

 前者の「ローエンドの正確性」については、振動減衰システム(Vibration Attenuation System)を開発・搭載することで、不要な振動や反射、歪みを抑制することに成功。クリアなサウンド(低音)を実現した、と謳っている。ここでは、製品を試聴する機会を得たので、簡潔にそのインプレッションを紹介したい(借用した製品でテストしている)。

 記者は、モニター用(業務用)ヘッドホンに対して、サウンドは精緻だけど音が痩せているからなあという印象を持っていたのだが、本HD 480 PROはさにあらず。密閉型ということもあるが、充分に厚みのあるサウンドを聴かせてくれたのにまず、驚いた。低域から高域までフラットな音調で、特定の音域が強調されることもなく(強いて言えば、少し低域は強いが)、バランスのいい音を再現してくれた。

 ただし、インピーダンスが130Ωあり、音楽プレーヤー(DAP)単体で聴くと、もう少し勢いがほしいなという感じもあったので、アナログのポタアンを組み合わせみると(3.5mmステレオミニ接続)、勢いや厚みも増してきたのだが、細かい音の再現性や、高域、低域の様子はもう一歩。ということで、機器間の接続ケーブル(ミニケーブル)を付属品ではなく社外製にしてみたところ(横着はいけない)、(当たり前だが)音が激変(笑)。気になっていた細かい音の再現性も上がり、粒子の細かいサウンドが楽しめるようになり、同時に、高域はさらにスッと伸びるようにもなった。中高域の再現性がアップしたことで、構築される音場=上方空間が拡大し、音に包まれる感覚がより豊かに得られるようになった。

 一方で、低域については再現性は増しているものの、重心は少し高めで、ローエンドの伸びは……という感覚があったので、コンテンツをいろいろと試したところ、情報量の多いハイレゾでは重心はグンと下がり(引き締まった)、低音の奥行というか深さが増したのが分かった。さすがはモニターヘッドホン、再現性の変化を的確に表現してくれるところは好印象。

 先日別記事で試した、某社の家庭用密閉型ヘッドホンでは、低音がかなり強い上に(ゴリゴリ「笑」)、さらに音がこもる感じもあったのだが、本HD 480 PROはそうしたこもり感はなく、それでいて量感のある低音、レンジの広いサウンドが楽しめるので、業務用・モニター用としてだけでなく、リスニング用としても充分に楽しめる製品になっていると感じた。今回は試していないが、オプションでバランスケーブル(4.4mmバランス)も用意されているので、バランス接続で聴けば、繊細さや空間再現性、音数などは向上するものと思われる。

●軽やかな装着性で、遮音性も高い

 最後に装着感についても一言触れておきたい。本体の質量は272gと軽量で、ヘッドバンド部の当たりも柔らかいし、イヤーパッドも同様に柔らかい上に、頭の側面(耳の周囲)に優しくフィットしてくれるので、圧迫感もなく、良好な装着感。メガネユーザーでも、パッド部の基台にはツルを通す溝があり、メガネ自体にかかる圧力も抑制できるように設計されている。1、2時間続けて使ってみたが、頭頂部や耳が痛くなることはなかった。

画像2: ゼンハイザーの最新のモニターヘッドホン「HD 480 PRO」は、リスニング用途にも使える、繊細でワイドレンジ、量感のある低音も楽しめる一台

 遮音性もよく、近くで鳴っているラジオの音声を1/3ほどに減衰してくれる。無音になるというわけではないが、周囲の音はかなり減衰するので、自宅で使う場合は、電話の着信や来客(チャイム)を聞き逃すかもしれない。

画像3: ゼンハイザーの最新のモニターヘッドホン「HD 480 PRO」は、リスニング用途にも使える、繊細でワイドレンジ、量感のある低音も楽しめる一台

 ケーブルは脱着式で、接続は片方。左が標準だが、右にも接続口はあるので、現場や好みに合わせてどちらに接続することもできる。接続時、真下にケーブルが伸びる構造だが、記者の場合、垂らしたケーブルが肩に触って気になったので、真下というよりかは少し前方に出す方がいいかもしれない。あとは、リスニング用途では付属ケーブルは少し長め(1.8m)なので、リスニング用として70cmぐらい(そしてバランス仕様)のケーブルも欲しくなった。

画像: ケーブルの接続口は、左右に装備するので、好きな方にケーブルを接続できる

ケーブルの接続口は、左右に装備するので、好きな方にケーブルを接続できる

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