MAY 2026 NEW RELEASES - THE CRITERION COLLECTION
THE CRITERION COLLECTION has announced its MAY 2026 slate of 4K UHD BLU-RAY(4)and BLU-RAY(3)releases ー Amongst them are: STRAY DOG (1949) LENNY (1974) BODY HEAT (1981)and SENTIMENTAL VALUE (2025)

4K UHD BLU-RAY/BLU-RAY COMBO RELEASE
4K UHD + BLU-RAY SPECIAL EDITION
世の中も悪い、しかし世の中が悪いからと言って悪いことする奴はもっと悪い。
クライテリオンからアナウンスされた2026年5月リリース・タイトル。まず5月5日に登場するUHD BLU-RAYタイトルは、巨匠・黒澤明監督作『野良犬』(1949)である。タイトルバックに映し出される、口を開けて激しく喘ぐ一匹の野良犬。本編は「その日は恐ろしく暑かった」というナレーションで幕を開け、絶妙のカッティングで刑事部屋に切り替わる。「なに?ピストルを掏られた?」と驚く捜イチ係長・中島警部(清水元)を捉えるカメラ。そのままカメラは画面下手に回り込み、直立不動の新米刑事・村上(三船敏郎)と中島をツーショットでフレーミングする。その圧倒的な緊迫感。日本映画において、刑事モノというジャンルを確立した傑作が誕生した瞬間であった。
Japan • 1949 • 122 minutes • Black & White • 1.37:1 • Japanese ー When viewing this trailer, please set resolution to 2160p/4K
蒸し暑い真夏の昼下がり、拳銃を不用意に上着のポケットに入れたままバスに乗った村上は、そのバスの中で拳銃を盗まれてしまう。その拳銃には7発の弾丸が装填されていた。事の重大さに慌てた村上は、スリ係の石川刑事(河村黎吉)の協力を得て、捜査線上に上がったお銀(岸輝子)から貸しピストル屋の存在を聞き出し、そこからさらに本多(山本礼三郎)という男を捜し当てる。そして新たにコンビを組んだベテラン刑事の佐藤(志村喬)と拳銃の行方を追うが・・・。
当時新聞を賑わせた、若い巡査が拳銃を盗まれるという事件をヒントに、まず黒澤は小説形式で自由にストーリーを書き上げてからシナリオ化し、一本の映画にまとめ上げた。共同脚本として名を連ねるのは菊島隆三。菊島はこれが初めての黒澤作品であった。犯罪映画を撮ることで意気投合した黒澤と菊島は、犯罪者を追う刑事たちの姿を息継ぎも許さぬ語り口で描きつつ、拳銃を盗まれた刑事とその拳銃で犯行を重ねる犯人というふたりの復員兵を真正面に対峙させてみせた。荒廃した戦後社会の中で、実はふたりは表裏一体、同じような境遇の若者であることを脚本に忍ばせたのである。

当時から黒澤はジョルジュ・シムノンの『メグレ警視』シリーズのファンを公言しており、黒澤と菊島の脚本にその影響が垣間見える。犯人の心理に深く入り込み、犯罪の裏側にある人間ドラマを追求するシムノン・タッチがそれだ。単なる犯罪の謎解きではなく、犯罪に手を染める人間の心理、取り巻く環境の描写を重視するスタイルである。ここでは犯人への同情と刑事としての義務の狭間で苦悩する村上の姿が描かれるが、その村上に対して佐藤が語る「世の中も悪い、しかし世の中が悪いからと言って悪いことする奴はもっと悪い」という台詞こそが本作品のテーマを物語っているのである。こうしたシムノン・タッチを思わせるストーリーテリング、さらには黒澤ならではのフィルム・ノワールの解釈、新米刑事とベテラン刑事のバディ・コップ・ダイナミクスなど観どころに尽きない作品であるが、猛暑の中に捉えた戦後日本のムードと空気感も観応えがある。

なかでも強い印象を与えるのは、村上が容疑者を捜し求めて、東京の闇市や盛り場を歩き回るシークエンスである。戦後風俗の実景を生々しく切り撮ったのは、黒澤の同期にして終生の親友で、B班監督を務めた本多猪四郎によるもの。現在では当時の風俗を伝える貴重な記録となっている。またこのシークエンスやクライマックスシーンに流れる音楽の使い方は、前年『酔いどれ天使』で作曲家・早坂文雄とともに確立した、画と音のコントラプンクト(対位法)である。
音楽というのは、あるところでスウっと入って来るから効果がある。ベタに説明的な音楽が入っていたらマイナスだと思うんだ。悲しい時に楽しい音楽が聞こえる。それも現実音でなきゃ駄目なんだ。僕の音の入れ方は違う。大抵の人が入れているところへは入れていない。ちゃんとした(場所の)空間を作って、そこから流れてくる現実音として出なきゃ駄目だ。黒澤明
黒澤が求めた音楽における音の可能性。音楽がもたらす音と沈黙の力を追求する姿勢。こうした音楽操演は前述したストーリーテリングや絵づくりの妙と同様に、オールドファンには周知されてきたものだが、若い映画ファンにとっては初見となるケースも多かろう。これらを念頭に入れて、名作『野良犬』を楽しんで頂きたいものである。なお、1949年は長引く東宝争議(労働争議)によって、東宝による映画製作が中断された年である。この年に黒澤は、本作品と『酔いどれ天使』を監督しているが、前者は新東宝、後者は大映で公開されている。
『野良犬』はクライテリオンが手掛けた黒澤4K UHD BLU-RAYタイトルの第5弾となる(第3弾は『用心棒』『椿三十郎』のカップリング)。『夢』を除いて既に国内版が登場しているが、既発作のすべてに「NEW 4K DIGITAL RESTORATION」の冠がつく。国内版と同じマスターを使ってはいるが、新たにクライテリオンが追加の修復作業を行っているためだ。実際に映像を比較しても、パラ消しなどの消去からの補正的なグレーディングが視認でき、より完成度が高まっている。それはサウンドも然りで、サウンド修復を評価する識者も多い。本作品にも期待したいところである。

4K UHD + BLU-RAY SPECIAL EDITION FEATURES
- NEW 4K DIGITAL RESTORATION, with uncompressed monaural soundtrack
- SDR / BT.709 PRESENTATION OF THE FILM
- One 4K UHD disc of the film and one Blu-ray with the film and special features
- Audio commentary by Stephen Prince, author of The Warrior's Camera: The Cinema of Akira Kurosawa
- Short documentary on Stray Dog, from the series Akira Kurosawa: It Is Wonderful to Create, featuring interviews with director Akira Kurosawa, production designer Yoshiro Muraki, actor Keiko Awaji, and others
- PLUS: An essay by film critic Terrence Rafferty and an excerpt from Kurosawa's book Something Like an Autobiography
Released: MAY 5, 2026
List Price: $49.95 USD(4K UHD + BLU-RAY 2-DISC SET)$39.95 USD(BLU-RAY 1-DISC)
ー When viewing this clip, please set resolution to 2160p/4K ー
| タイトル | 野良犬 |
|---|---|
| 年 | 1949 |
| 監督 | 黒澤明 |
| 製作 | 本木荘二郎 |
| 脚本 | 黒澤明 菊島隆三 |
| 撮影 | 中井朝一 |
| 音楽 | 早坂文雄 |
| 出演 | 三船敏郎 志村喬 淡路恵子 三好栄子 千石規子 本間文子 木村功 河村黎吉 飯田蝶子 岸輝子 東野英治郎 伊藤雄之助 千秋實 山本礼三郎 永田靖 菅井一郎 清水元 伊豆肇 清水将夫 |
4K UHD BLU-RAY/BLU-RAY COMBO RELEASE
DIRECTOR-APPROVED 4K UHD + BLU-RAY SPECIAL EDITION
激しく熱い情事 ー それは悪女がしかけた甘い罠!
黒澤明監督の『野良犬』が公開される5年前、名匠ビリー・ワイルダーが『深夜の告白』(1944/太平洋戦争終戦の前年)を発表している。同作品はフィルム・ノワールというジャンルにおいて、戦後初期の映画史に大きな足跡を残した名作だ。 黒澤は『深夜の告白』が確立したフィルム・ノワールの技法や心理描写を、日本の戦後混乱期という環境で見事に昇華させたのである。『野良犬』の新米刑事と犯人の関係は、一歩間違えれば犯罪者になっていたかもしれないという鏡像関係にあった。真面目な自分と邪悪な分身、あるいは理性と狂気といった相反する二面性を示すことで、刑事の反転した自己として犯人と対峙させている。対して『深夜の告白』が『野良犬』と決定的に異なる点は、美しい後妻の罠に嵌った保険会社の営業マンが、反転した自己に呑み込まれていく点にあった。

『深夜の告白』は後進に多大なる影響を与えた作品であったが、1980年代の幕が開けると同作品のエピゴーネンとも言える傑作『白いドレスの女』(1981)が誕生している。ジョージ・ルーカスの『スター・ウォーズ/帝国の逆襲』や、スティーヴン・スピルバーグの『レイダース/失われたアーク《聖櫃》』の脚本家として知られていたローレンス・カスダンが、自らのシナリオで初監督した混ざり気のないネオ・ノワールである。原題はBODY HEAT。茹だるような暑さ。その中で男と女の愛欲の果ての殺人がミステリアスに描かれていく。巧妙に練り上げられて二転三転するプロット、あるいは官能的かつ危険なムードを象徴する重要な小道具してウィンドチャイム(風鈴)を使う演出など、カスダンの手腕は初監督とは思えないほど達者だ。
United States • 1981 • 113 minutes • Color • 1.85:1 • English ー When viewing this trailer, please set resolution to 720p
本作品はフィルム・ノワールがその黄金時代に根ざしながらも、時代を超えていかに柔軟に対応できるかを示す好例でもある。フィルム・ノワール(FILM NOIR/NOIR=「黒」「黒い」の意)は、本来は光の欠如という見地から定義されたスタイルである。そのスタイルは1940年代から50年代初期かけて、アメリカ映画のジャンルの多様性を特徴づけた。フィルム・ノワールの始祖を遡れば、その源流は1930年代のギャング映画にあり、戦後の不安な世相を反映して産声を上げたジャンルだ。それは誰もが明るい未来を夢見ながらも、実際に手にしたのは一部の人だけだった時代。舞台設定はほとんど例外なく都会。そこでは暗い街のあらゆる通りが、まるで魂を売る機会を提供しているかのように描かれている。物語の調子は運命論的で偏執的。人間の生きる条件の暗い面を強調した悲観論に覆われている。そのテーマは、悪意、暴力、欲望、死、裏切りや邪悪な行為を特徴とする。

こうしたスタイルやテーマは、時代の流れと共に変化する危険因子や難事に合わせてアップデートされ、改良されている。1970年代から1980年代にかけて、フィルム・ノワールの復興を目指したネオ・ノワールの潮流がいい例だ。ネオ・ノワールはフィルム・ノワールの代表的な特徴を、現代的な視点、技術、色彩で再解釈した映画ジャンルである。本作品が公開されたのは、米国政府が格差社会の是正への関心を失い始め、勝ち組と負け組の溝が深まり続けた時代である。こうした格差や不平等の描写は、多くの古典的なフィルム・ノワールに不可欠な要素となっていたが、カスダンが階級格差を根深くシナリオに落とし込んだ点も的を射ており、高い評価に繋がったのも頷けよう。新たな時代において、新たな登場人物たちが暗闇へと転落していくというお馴染みの手法を提供しつつ、カスダンは古典的なフィルム・ノワールのスタイルやテーマが不変的で、いかなる時代も重要な表現力を持つことを証明したのである。

古典的フィルム・ノワールの映像設計は、感覚に訴える感触に満ちている。たとえば部屋の窓から流れ出る明かり、格子状の陰影、街路のネオンなどが挙げられる。本作品の撮影監督は『絞殺魔』『キング・コング(1976)』のリチャード・H・クライン。クラインとカスダンは照明数を絞りながら高コントラストの陰影を作り、フレームの中に罠のモチーフとなる映像効果を充満させている。容赦ないフロリダの熱気を想起させるために、暖色系のジェル(照明用カラーフィルター)と深い影を基調としたカラーパレットを作成。一方で、ナイトショットには青系のトーンを現像段階で作り出している。ナイトシーンにおける青系のトーンは、冷たさや孤独を表現するのに適しており、夜の不穏さを増幅したのだという。また逆光光源や屋外光によるブルーム効果(光の周囲が白く霧のように拡散する効果)に注目されたい。
ー When viewing this clip, please set resolution to 2160p/4K ー
本盤は2025年レストア/HDRグレード版となるが、クラインは2018年に他界しており、編集を務めたキャロル・リトルトンが監修し、監督カスダンが最終承認を行っている。撮影監督と編集者として情報を共有していたというリトルトンは、湿度を表現するための暑苦しい霧やスモークの効果、グリセリンと水によって再現された汗と肌の質感、随所に登場するブラインド越しに差し込む光の影は生み出す古典的なフィルム・ノワールの雰囲気の再現にも注意したとされる。
ちなみにリトルトンの編集も高い評価を得ており(『E.T.』の編集者に抜擢)カスダンが長編映画編集の実績のないリトルトンを抜擢した理由は、彼女の技術だけでなく、彼女が女性であるという理由からであった。カスダンが求める心理描写や官能性を、女性編集者ならではの感覚で作品にもたらすことができると考えたからだ。リトルトンは登場人物同士の心理的な距離感や、逃げ場のない状況を示すため、古典的なフィルム・ノワール映画へのオマージュでもあるワイドショットやツーショットを多用。また直接的な描写を避け、示唆にとどめる編集を心掛けることで、観客の想像力を刺激し、ミステリアスで官能的なムードの醸成を行っている。カッティングの絶妙なテンポ、サスペンスが高まる場面での予測不能なショットの挿入など、観客に心理的な揺さぶりをかける術にも長けている。
ー When viewing this clip, please set resolution to 10800p/HD ー
DIRECTOR-APPROVED 4K UHD + BLU-RAY SPECIAL EDITION FEATURES
- NEW 4K DIGITAL RESTORATION, supervised by editor Carol Littleton and approved by director Lawrence Kasdan, with uncompressed stereo soundtrack
- HDR PRESENTATION OF THE FILM(DOLBY VISION / HDR10 COMPATIBLE)
- Alternate 5.1 DTS-HD Master Audio soundtrack
- One 4K UHD disc of the film and one Blu-ray with the film and special features
- New interview with Kasdan
- New conversation between Littleton and film historian Bobbie O'Steen
- Archival programs featuring Kasdan; Littleton; actors William Hurt, Kathleen Turner, and Ted Danson; cinematographer Richard H. Kline; and composer John Barry
- Deleted scenes
- Trailer
- English subtitles for the deaf and hard of hearing
- PLUS: An essay by author Megan Abbott
Released: MAY 19, 2026
List Price: $49.95 USD(4K UHD + BLU-RAY 2-DISC SET)$39.95 USD(BLU-RAY 1-DISC)
ー When viewing this clip, please set resolution to 10800p/HD ー
音楽は007シリーズや『真夜中のカーボーイ』、オスカー受賞の『野生のエルザ』『冬のライオン』『愛と哀しみの果て』『ダンス・ウィズ・ウルブズ』などで知られるジョン・バリー。それまでセンシュアル系の作品に縁のなかったバリーが手掛けた傑作スコアのひとつであり、クールでセンシュアルなタッチのメインタイトルはいまやシネ・ジャズの代表曲となっている。本作品での成功を機に、ジャジーなアプローチがバリーのトレードマークのひとつとなっていったのも興味深い。
| タイトル | 白いドレスの女 |
|---|---|
| 年 | 1981 |
| 監督 | ローレンス・カスダン |
| 製作 | フレッド・T・ガロ |
| 製作総指揮 | ジョージ・ルーカス(uncredited) |
| 脚本 | ローレンス・カスダン |
| 撮影 | リチャード・H・クライン |
| 音楽 | ジョン・バリー |
| 出演 | ウィリアム・ハート キャスリーン・ターナー ミッキー・ローク リチャード・クレンナ テッド・ダンソン J・A・プレストン ラナ・サウンダース キム・ジマー |
4K UHD BLU-RAY/BLU-RAY COMBO RELEASE
4K UHD + BLU-RAY SPECIAL EDITION
その声は夜のしじまをふるわす魂の叫び! その言葉は全米を突き刺す鋭い刃!
5月のクライテリオンUHD BLU-RAY、その旧作タイトルのラストを飾るのが『レニー・ブルース』(1974)である。1960年代初頭に名声を博し、タブーを打ち破るトークでカルト的な人気を集めたスタンダップコメディアン、レニー・ブルース(1925 – 1966)。自己表現の新たな境地を切り開いたエンターティナー。カウンターカルチャーの預言者。映画はレニーの波乱に満ちた生涯とキャリアを赤裸々に描き出していく。ブルースの死からわずか5年後、劇作家ジュリアン・バリーの書いた戯曲が原作。バリー自ら脚色した脚本を、稀代の振付師で舞台演出家のボブ・フォッシーが映画化した。『スイート・チャリティ』に続く『キャバレー』で大成功を収めたフォッシーの、長編映画監督第3作に当たる。主演はダスティン・ホフマン。元祖「Fボマー」で、大都市のストリート・スラングを軽々と使い、ショービズ界を駆け抜けたレニーを、誠実かつエネルギッシュに演じている。
United States • 1974 • 111 minutes • Black & White • 1.85:1 • English ー When viewing this trailer, please set resolution to 1080p/HD
本作品の構成は、75%がドラマ・パート、25%がショーの再現となる。1950年代初頭、レニーがストリップクラブのコメディアンとして活躍していた時代に始まり、麻薬と猥褻罪で警察に幾度も逮捕され、ナイトクラブでの芸が裁判記録の朗読にまで堕ちた、疲弊し切った晩年までを描いている。本作品がそれまでの伝記ドラマと大きく異なっていた点は、レニーの不安定な心理や行動を反映し、さまざまな編集技法を融合させていることにある。友人や家族がレニーを振り返るインタビューを含め、フラッシュバック、フラッシュフォワードといった卓越したモンタージュ編集を披露したのは、『ネットワーク(クライテリオンUHD BLU-RAY有り)』『オール・ザット・ジャズ(オスカー受賞/フォッシーの代表作)』のアラン・ハイムである。開幕と同時にフォッシーが狙った「シネマ・ヴェリテ(1950年代末から60年代にかけてフランスで台頭したドキュメンタリーの手法)を観るような感覚」に陥らせる、ハイムによる編集効果は絶大だ。
ー When viewing this clip, please set resolution to 1080p/HD ー
4K UHD + BLU-RAY SPECIAL EDITION FEATURES
- NEW 4K DIGITAL RESTORATION, with uncompressed monaural soundtrack
- HDR PRESENTATION OF THE FILM(DOLBY VISION / HDR10 COMPATIBLE)
- One 4K UHD disc of the film and one Blu-ray with the film and special features
- Audio commentary from 2015 featuring film historians Nick Redman and Julie Kirgo
- Archival interview with actors Dustin Hoffman and Valerie Perrine
- Interview with editor Alan Heim
- Trailer
- English subtitles for the deaf and hard of hearing
- PLUS: An essay by critic Mark Harris and a 1975 interview with director Bob Fosse
Released: MAY 26, 2026
List Price: $49.95 USD(4K UHD + BLU-RAY 2-DISC SET)$39.95 USD(BLU-RAY 1-DISC)
ー When viewing this clip, please set resolution to 1080p/HD ー
本作品で披露されるミニマルなライティングの白黒映像は、編集への称賛以上に語り継がれるものだ。撮影監督はプリンス・オブ・ダークネス(暗闇の王子)こと、ブルース・サーティースである。彼の映像の特徴は、極度に光量を抑え込んだローキー画にある。サーティースはドン・シーゲル監督作『白い肌の異常な夜』でデビュー。同作品でカラヴァッジョやレンブラントを彷彿とさせる、茶色とセピア色に染まる画面の中で光と影の強いコントラストを活用した明暗法を披露。舞台となる女子寄宿学校少女たちは、たちまちサーティースの生み出した深い黒に包まれ、目覚めた性的欲望に飲み込まれていくのだ。画面の大半は真っ暗で、数年後にスタジオがTV局に売った時に画面に映らなくたって、気にしなかった。そんなのどうでもいい。気に入った。興奮したよ。その映像を高く評価したシーゲルはそう称賛。サーティースはシーゲルの次作『ダーティハリー』でも起用され、ノイズを含んだような重厚で荒々しいナイトショットの画を生み出した。さらにはクリント・イーストウッド作品のビジュアル・スタイルの創出に大きな影響を与えていくことになったのである。

1950年代から1960年代という時代を忠実に再現し、感情の浮き沈みの激しい雰囲気を高め、テーマでもある美化されず赤裸々な本質を反映するために白黒で撮影した。『レニー』で目指しているのは、適切なフォーカスだ。1950年代にはなかった新しい白黒乳剤、つまりASA感度200と400を使えば、驚くほど深い被写界深度を実現できる。カラーフィルムは絞り開放で撮影すると柔らかく見えてしまう傾向にあるが、白黒なら俳優の眉毛の毛まで数えられるような、非常にシャープなフォーカスと光が得られる。しかも必要とする以上の余分なグレートーンもない。この映画には多くのリアリティが必要だが、リアリティは必ずしも粗いドキュメンタリーのような効果ばかりではない」撮影監督ブルース・サーティース

クラブやバーではスポットライトが差し込み、映し出されたレニーは空気中に漂う煙に包まれる。クローズアップであろうが、ワイドショットで捉えようが、中間トーンを排除し、強いハイライトと真っ黒な影とを対比させた画面の中のレニーに視線が集中する。一方で、強力なハード光源が作る輪郭のくっきりした硬質な影、暗い背景から人物を切り出してシルエットを強調する逆光操演、人物の顔や壁に投影した暗示的な影の効果、屋外シーンにおける強い日差しが彫刻する黒々とした物影など、古典的なフィルム・ノワールのライティングを受け継ぎ、再現したものだ。
そのスタイルはフィルム・ノワールの代名詞と呼ばれる撮影監督たちを思わせる。それは、ほとんどの画面を漆黒で埋め尽くし「光で絵を描く」と称されたジョン・アルトン(『Tメン』『脱獄の掟』)、深い影に霧や煙を織り交ぜて不穏なムードを醸し出して「光の画家」と称されたニコラス・ムスラカ(『3階の見知らぬ男』『過去を逃れて』)、あるいは前述した『深夜の告白』の撮影監督で光と影によるシチュエーション表現の天才であったジョン・F・サイツのスタイルである。
| タイトル | レニー・ブルース |
|---|---|
| 年 | 1974 |
| 監督 | ボブ・フォッシー |
| 製作 | マーヴィン・ワース |
| 製作総指揮 | デヴィッド・V・ピッカー |
| 原作 | ジュリアン・バリー |
| 脚本 | ジュリアン・バリー |
| 撮影 | ブルース・サーティース |
| 音楽 | ラルフ・バーンズ |
| 出演 | ダスティン・ホフマン ヴァレリー・ペリン ジャン・マイナー スタンリー・ベック ゲイリー・モートン ガイ・レニー |
4K UHD BLU-RAY/BLU-RAY COMBO RELEASE
DIRECTOR-APPROVED 4K UHD + BLU-RAY SPECIAL EDITION
こわれた親子 ―― いつも、愛が まるつぶれ
『レニー・ブルース』と同日にリリースされるのは、『母の残像』『わたしは最悪。』などので知られる現代映画界を代表するヒューマニスト、ヨアキム・トリアー監督最新作『センチメンタル・バリュー』(2025)である。主演は『わたしは最悪。』で映画初主演ながらカンヌ国際映画祭・女優賞に輝いたレナーテ・レインスヴェ。父(ステラン・スカルスガルド)と娘(レインスヴェ)の複雑な関係を描いた家族ドラマで、昨年のカンヌ国際映画祭・グランプリ(審査員特別大賞)を受賞。今年のオスカー・レースでも8部門にノミネートされている。
Norway • 2025 • 133 minutes • Color • 1.85:1 • Norwegian, English ー When viewing this trailer, please set resolution to 1080p/HD
2025年 第98回アカデミー賞
| 受賞 | TBD |
|---|---|
| ノミネート | 作品 監督 主演女優 助演女優(エル・ファニング、インガ・イブスドッテル・リッレオース) 脚本 編集 国際長編映画賞 |
日本では2月20日から公開されており、タイムリーな映画のためここでは詳細な作品紹介を控え、オフィシャル・サイトをリンクするに留めておきたい(下欄参照)。5月のクライテリオンは「フィルム・ノワール」がサブテーマのひとつとなっているが、本作品でもその関連性を発見することができる。ここではフィルム・ノワールで多用されるフラッシュバックを効果的に使い、長い歳月に及ぶ世代間のトラウマを浮き彫りにしている。重層的な時間軸を構築し、自身の過去や家族のトラウマから逃れることができない、すなわち逃れられない運命という感覚は、古典的なフィルム・ノワールの本質的なテーマのひとつであった。そのアプローチには謎解きの感覚があり、登場人物を苦しめる過去の罪と秘密を探るという手法は、これまたフィルム・ノワールの定番である。親密でありながら傷ついた感情を強調するために、クローズアップを多用するフレーミングや構図も然りである。

監督トリアーは本作品を「シネマティックな香りが漂うものにしたい」と熱望し「舞台演劇のような閉塞的な感覚ではなく、ダイナミックな映画表現」を追求たという。その意図を実現した撮影監督は『追憶の森』『私は最悪。』で知られるキャスパー・トゥクセン・アナセン。ARRIアリカムLT/アリフレックス453/スーパー35(3パーフォ)方式/35mm撮影。1920年代と30年代を舞台にした回想シーンは、アリフレックス416(16mmカメラ)による16mm撮影。ポスプロではオリジナルカメラネガを2Kスキャン/2K解像度でレストア/SDR(BT.708)カラーグレード。本盤はオリジナル2K DIマスターから4Kアップスケールされており、スペックに「NEW 4K DIGITAL MASTER」の冠が付くのはそのためである。オリジナルと同じくSDR(BT.709)仕様となり、トリアー自ら最終承認を行っている。ちなみにBLU-RAY版も同時リリースされる予定である。
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フィルムの優れた特性のひとつは、ハイライトの扱い方にある。その燃え尽きるような様子は実に美しい。ハイキーシーンを撮影するという表現は、デジタルではほぼ忘れ去られてしまっている。なぜなら、映像が崩れ落ち、輪郭が失われてしまうからだ。フィルムにおけるブルーミング効果の表現がとても気に入っている。ポストプロダクションでのテスト期間中、2Kと4Kのスキャン結果を比較した結果、特にクローズアップや肌の部分で、2Kのややソフトな印象が大画面で一番美しく見えると判断した。撮影監督キャスパー・トゥクセン・アナセン
ー When viewing this clip, please set resolution to 2160p/4K ー
DIRECTOR-APPROVED 4K UHD + BLU-RAY SPECIAL EDITION FEATURES
- NEW 4K DIGITAL MASTER, approved by director Joachim Trier, with 5.1 surround DTS-HD Master Audio soundtrack
- SDR / BT.709 PRESENTATION OF THE FILM
- One 4K UHD disc of the film and one Blu-ray with the film and special features
- New conversation between Trier and filmmaker Mike Mills
- New selected-scene commentaries by Trier, coscreenwriter Eskil Vogt, production designer Jørgen Stangebye Larsen, and sound designer Gisle Tveito
- New interviews with actors Renate Reinsve, Stellan Skarsgård, Inga Ibsdotter Lilleaas, and Elle Fanning
- Deleted scenes
- Trailer
- New English subtitle translation and English subtitles for the deaf and hard of hearing
- PLUS: An essay by author Karl Ove Knausgård
Released: MAY 26, 2026
List Price: $49.95 USD(4K UHD + BLU-RAY 2-DISC SET)$39.95 USD(BLU-RAY 1-DISC)
ー When viewing this clip, please set resolution to 1080p/HD ー
| タイトル | センチメンタル・バリュー |
|---|---|
| 年 | 2025 |
| 監督 | ヨアキム・トリアー |
| 製作 | マリア・エケルホフド アンドレア・ベレントセン・オットマール |
| 製作総指揮 | レナーテ・レインスヴェ ステラン・スカルスガルド エスキル・フォクト ヨアキム・トリアー エヴァ・イエーツ トム・クイン ジェフ・ドイッチマン アレクサンドル・マレ=ギィ フレデリク・H・マ ール マグヌス・トマッセン クリスティーナ・ボリエソン アナス・ケアホーゲ オラ・ストロム ソレーヌ・レジェ ナンシー・グラント |
| 脚本 | エスキル・フォクト ヨアキム・トリアー |
| 撮影 | キャスパー・トゥクセン・アナセン |
| 音楽 | アニア・ラニ |
| 出演 | レナーテ・レインスヴェ ステラン・スカルスガルド インガ・イブスドッテル・リッレオース エル・ファニング イェスパー・クリステンセン アンデルシュ・ダニエルセン・リー レナ・エンドレ コーリー・マイケル・スミス キャサリン・コーエン ラース・ヴァーリンニェル |























