本記事ではPositive Gridから発売されたヘッドホン一体型ギターアンプ「Spark NEO」と2025年11月に発売されたばかりの「Spark NEO CORE」で、年末年始に遊び倒したStereo Sound ONLINEスタッフのレビューをお届けする。

Positive Grid Sparkについて

 筆者はPositive Gridのギターアンプ「Spark 40」を所持している。私が「Spark 40」を愛用している理由は主に下記の3つだ。
①30以上のアンプ・40以上のエフェクターが搭載されている
 ※専用アプリに課金することでアンプ・エフェクターの数を増やすことができるので、ここでは「以上」と記載させてもらう
②専用アプリで手軽にアンプ・エフェクターを入れ替えて思い通りのサウンドが作れる
③作ったサウンドを専用アプリに保存・アップロードし、全世界のPositive Gridユーザーと作ったサウンドを共有できる
④スマホとBluetooth接続することでアンプで楽曲を鳴らしながら演奏できる
 他にも便利な機能がたくさんあるので、詳細は公式HPや下記の公式YouTube動画で確認してもらいたい。

画像: SPARK - The Smart Way To Play And Jam www.youtube.com

SPARK - The Smart Way To Play And Jam

www.youtube.com

「Spark」では埋められない1つの悩み

 これだけ便利だと不満に感じることは何もない!…はずなのだが、一つだけ悩みがある。
 「アンプにヘッドホンをつなぐとギターの音に違和感があって気持ち悪い!」
 自宅でギター練習する時間帯はどうしても昼より夜の時間が多く、アンプから大きな音で思いきり音を出したいけれど、家族や近所の迷惑を考えて、どうしてもアンプにヘッドホンを挿して練習することが多い。
 結果として、自宅でギターの練習をする時間の大半はアンプにヘッドホンを挿して練習することになる。
 アンプにヘッドホンを挿した時のギターの音は、アンプから聴こえる音と違う。当たり前のことだが、アンプのスピーカー自体が楽器の一部としての役割を担っているため、音に違いが生まれて違和感を感じてしまう。
  ギター・アンプのスピーカー・キャビネットは、意図的に「高すぎる音」や「低すぎる音」を出さないように作られているため、一般的なギター・アンプのヘッドホン出力では、アンプではカットされる高域の音も拾ってしまい、アンプから聴こえるギターの音とは大きく異なって聴こえる場合がある。さらにヘッドホンでは耳のすぐそばで振動板が鳴っているだけなので、箱で鳴らすアンプとは異なり、奥行きや空気感がなく、「平面的」で「乾いた」音に聴こえる。
 そんなヘッドホンをしてギター練習することの多い人達の悩みを解消してくれるのが、ヘッドホン一体型ギターアンプだ。
 ヘッドホン一体型ギターアンプとは、ヘッドホンとアンプ・エフェクター機能がひとつになった製品だ。
 ヘッドホンにアンプの機能を搭載することにより、以下の効果が得られるという
 ①ギターの音が自然に感じる
 ②騒音対策ができる
 ③場所を選ばずに練習ができる
 ④ギターを弾く時に部屋が散らからず、準備・片付けが楽になる

画像: 「Spark NEO」。ギターに付属のトランスミッターをつなぐことによりBluetooth接続してワイヤレスで演奏可能(Bluetoothのオン・オフは右側のハウジングに点灯している青いライトで確認できる)。左側のハウジング下部のジャックにシールド(ケーブル)をつなぐことで有線接続可能

「Spark NEO」。ギターに付属のトランスミッターをつなぐことによりBluetooth接続してワイヤレスで演奏可能(Bluetoothのオン・オフは右側のハウジングに点灯している青いライトで確認できる)。左側のハウジング下部のジャックにシールド(ケーブル)をつなぐことで有線接続可能

画像: 「Spark NEO CORE」。トランスミッターは付属しておらず、有線接続のみのシンプルな設計。同じくPositive Grid 社から発売されているワイヤレス・システム「Spark Link」を購入すれば「Spark NEO」同様にワイヤレスで演奏を楽しむことも可能だ

「Spark NEO CORE」。トランスミッターは付属しておらず、有線接続のみのシンプルな設計。同じくPositive Grid 社から発売されているワイヤレス・システム「Spark Link」を購入すれば「Spark NEO」同様にワイヤレスで演奏を楽しむことも可能だ

「Spark NEO」「Spark NEO CORE」でプレイしてみる

 では実際に「Spark NEO」「Spark NEO CORE」を使ってみよう。
 今回使用したエレキギターは「Epiphone Les Paul Custom」(96年生産・日本製)、「Tokai Talbo A-150 ANV」。そしてベースギターは「Ibanez TMB100 SDL」※ギターは全て筆者私物。

画像: 「Epiphone Les Paul Custom」に「Spark NEO CORE」をつないだ状態

「Epiphone Les Paul Custom」に「Spark NEO CORE」をつないだ状態

「Epiphone Les Paul Custom」(以下、「レスポール」)
 まず、レスポールで内蔵されているプリセットのサウンドを試してみる。プリセットされているサウンドは「クリーン」「ブルース」「クランチ」「ハイゲイン」「メタル」「アコースティック」「ベース」の8種類。その中かからクランチを選択し、コードをジャカジャカ弾いてみる。すると、アンプにヘッドホンを挿して弾いていた時には味わえなかった、レスポールの中低音が豊かで太くパワフルなサウンドが、音が潰れることなく迫力満点に聴こえてきた。
 さらにプリセットの「クリーン」を選択して単音弾きしてみると、サステイン(音が鳴り止むまでの持続時間)が長く弾いた音が消えにくく、ジャズやブルースに合う「温かく甘い」マイルドな響きも得られた。

画像: 「Tokai Talbo A-150 ANV」に「Spark NEO」を有線でつないだ状態

「Tokai Talbo A-150 ANV」に「Spark NEO」を有線でつないだ状態

「Tokai Talbo A-150 ANV」(以下、「タルボ」)
 タルボは一般的な木材のギターと異なりアルミ製の金属ボディで、金属ボディは振動を吸収せずダイレクトに伝えるため、弾いた瞬間に音が飛び出すような立ち上がりの速さとシャープで鋭い金属的なアタック音が個性的なギターだ。
 このタルボで思い切りディストーションをかけて音を歪ませてみる。するとタルボ独特のシャープで鋭い金属的なアタック音に、エフェクトで歪ませたことでエッジが際立ち、ノコギリのような「ジャキジャキッ」とした攻撃的なサウンドに変化。高音が潰れることなく、粒立ちの良いタルボの個性的な音をしっかり表現してくれた。
 ディストーションをオフにして空間系のエフェクター(コーラス・ディレイ)をかけて単音弾きすると、木製ギターでは味わえない濁りなく透き通った音が響いて心地よい。

画像: 「Ibanez TMB100 SDL」に「Spark NEO」に付属されているトランスミッターをつないだ状態。トランスミッターはギターの形状に合わせて角度の調整が可能なのが嬉しいポイント

「Ibanez TMB100 SDL」に「Spark NEO」に付属されているトランスミッターをつないだ状態。トランスミッターはギターの形状に合わせて角度の調整が可能なのが嬉しいポイント

「Ibanez TMB100 SDL」(以下、タルマン)
 最後にベースギターのタルマンで低音がどう響くか試してみた。
 低音のゴリゴリした音が、一番太い4弦までしっかり音が潰れることなく、ベースらしい低音が再現されている。さらにタルマン本体のノブで低音(Bass)を絞って高音(Treble)を上げると、より1音1音の輪郭がはっきり聴こえ、ベースのソロ弾きが気持ち良い。

プレイした感想

ギターの音が自然に感じる
 まず驚いたのは、アンプからの音が直接耳に届いているようなサウンドが体感できたことに感動した。
 コード弾きで音が潰れたり、高音が過剰に聴こえたりすることなく、アンプにつないで演奏している時と弾き心地が変わらない。ギターの音が自然に感じる

ストレスフリーで演奏できて練習時間が増える
 「Spark NEO」「Spark NEO CORE」ならアンプにつないでいるシールド(ケーブル)が体を動かすたびに絡まったり、椅子に引っかかったりするといったストレスが無くなり、立ち上がって歩き回りながら弾くこともできる。動き回れないというストレスが無くなったことで、ギターを弾く楽しさが倍増した。さらにギターとアンプにシールドを繋ぐという手間が無くなり、ヘッドホンにギターをつなぐだけで場所を選ばずに演奏できるので、ギターに触る時間が劇的に増えた。

ピッキング・フィンガリングの確認にも最適
 アンプだと部屋の壁の反射などで音がぼやけ、ピッキングやフィンガリングの細かいミスに気づかないことが多いが、「Spark NEO」「Spark NEO CORE」なら音が壁に反射してぼやけることなくギターの音を直接耳に伝えてくれるので、ピッキング角度の変化やミュート、チョーキング時の細かいニュアンスの違いがわかりやすく、ピッキングやフィンガリングの確認がしやすかった。

再生する音楽よりもギターの音が前に聴こえる
 Positive Gridの「Spark」シリーズのギターアンプは、専用アプリでアップルミュージックやYouTubeと連携させることで、再生した音楽に合わせて演奏できるのだが、「Spark NEO」「Spark NEO CORE」では、自分が演奏しているギターの音が再生した音楽よりも前に聴こえてきて、アンプから音楽を再生していた時には感じられなかった「音楽に合わせて演奏している」という一体感がより味わえて気持ち良かった。

部屋が散らからないから準備・片付けが楽
 アンプ、シールド、エフェクター、電源コードを準備して演奏する手間と時間が短縮される。「Spark NEO」ならトランスミッター、「Spark NEO CORE」ならシールドをギターにつないでヘッドホンを装着するだけでギターの練習ができる。アンプやシールド、エフェクターを床に並べる必要がないので、部屋の中が散らからず、練習後の後片付けも楽になって便利だ。

画像: 「Spark NEO」(写真左)と「Spark NEO CORE」(写真右)。どちらの製品も折りたたむことができるので収納に便利

「Spark NEO」(写真左)と「Spark NEO CORE」(写真右)。どちらの製品も折りたたむことができるので収納に便利

【まとめ】購入するなら「Spark NEO」「Spark NEO CORE」どっち?

 2つの製品の違いを一言でいうと、トランスミッターが付属し、無線で弾けるのが「Spark NEO」、「シールドを直接繋いで弾く有線専用モデルが「Spark NEO CORE」。どちらを選ぶべきか悩むところだが、音質・使用感・重さは全く変わらないので、使用環境や目的によって選択するのがベストだろう。

画像: 「Spark NEO」装着時。ゴールドのワンポイントカラーが高級な雰囲気を醸し出している

「Spark NEO」装着時。ゴールドのワンポイントカラーが高級な雰囲気を醸し出している

画像: 「Spark NEO CORE」装着時。「Spark NEO」とは異なり、カラーは全てブラックで統一。シールド(ケーブル)をつないでも重さはあまり感じることなく、長時間練習に没頭しても頭や首に負担がかかることはなかった

「Spark NEO CORE」装着時。「Spark NEO」とは異なり、カラーは全てブラックで統一。シールド(ケーブル)をつないでも重さはあまり感じることなく、長時間練習に没頭しても頭や首に負担がかかることはなかった

「Spark NEO」(ワイヤレス)がおすすめな人
・ケーブルをつなぐわずらわしさから解放されたいという方。
・部屋の中を歩き回ったり、椅子やソファでくつろいだ体勢で弾きたい方。
・予算に余裕があり、自由な練習環境を作りたい方。
「Spark NEO CORE」(有線)がおすすめな人
・「ワイヤレスは不要(シールドをつなぐのは苦じゃない)」という方。
・できるだけコストを抑えて、ヘッドホン型ギターアンプを購入したい方。
・トランスミッターの充電・Bluetooth接続の手間を増やしたくない方。
 どちらの製品も専用アプリでアンプ・エフェクトのカスタマイズが可能で、アップルミュージックやYouTubeからの音楽再生やYouTubeのコード解析機能などはすべて共通して使える。また、どちらもヘッドホン単体でBluetoothヘッドホンとして音楽鑑賞することもできる。
 また、「Spark NEO」も有線接続が可能で、「Spark NEO CORE」も同じくPositive Grid 社から発売されているワイヤレス・システム「Spark Link」をつなげばワイヤレスにすることが可能だ。
 価格は「Spark NEO」が39,600円(税込)、「Spark NEO CORE」が26,400円(税込)と、「Spark NEO」の方が高めだが、使っていくうちにワイヤレスにしたくなった場合、「Spark Link」を追加で購入する必要があるので悩ましいところだ。
 「Spark NEO」「Spark NEO CORE」。あなたのプレイスタイルにはどちらが合いそうでしょうか?

Positive Grid NEO製品紹介ページ

Positive Grid NEO CORE 製品紹介ページ

スペック

画像1: スペック

【Spark NEO】
・本体
周波数範囲:20~20000Hz
最大音圧レベル:100 dB SPL(@ 1KHz)
ドライバー:ABF(アドバンスドバイオファイバー)ダイヤフラム
ドライバーサイズ:40mm
インピーダンス:32オーム
重量:363g
外寸:203.5×1166×h79.7mm(8.01 x 6.54 x 3.14 インチ)
充電時間:約 3.5 時間(2A/5V USB-C 充電器使用時)
動作時間:最大 8 時間(Bluetoothオーディオのみ)
     最大 6 時間(ギター+Bluetooth オーディオと トランスミッターを併用する場合)
・ワイヤレストランスミッター(TX)
周波数帯域:2.4GHz
サンプルレート:24 bit / 48kHz
周波数応答:20Hz - 20kHz
ダイナミックレンジ:115 dB
レイテンシー:3.8ミリ秒
伝送範囲:半径5メートル
外寸:107.3 x 25.4 x 27.25mm(4.22 × 1.00 × 1.07 インチ)
充電時間:約 2 時間(2A/5V USB-C 充電器使用時)
動作時間:最大 13 時間

画像2: スペック

【Spark NEO CORE】
周波数特性:20Hz – 20kHz
ヘッドフォン・センシティビティ:100dB SPL (@ 1kHz)
インピーダンス:32 ohms
ドライバー:40mm ABF ダイアフラム
重量:363g (0.80 lbs)
外寸:180×95.22×80.81mm(7.09 x 7.69 x 3.18 インチ)
充電時間:3.5時間バッテリー
動作時間:最長8時間(Bluetoothオーディオのみ)
     最長6時間(ギター + Bluetoothオーディオ)

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