LANケーブル部門 第1位 エイム NAX

圧倒的に高品位なLANケーブルだ。オーディオ的な意味でのワイドレンジ、クリアーさ、レスポンスの俊敏さ……などの基本要素がハイクォリティであることことに加え、端正さや端然さが音からにじみ出るような風格は、まさにハイエンドケーブルの矜持である。情家みえ「チーク・トゥ・チーク」では、楽器とヴォーカルの絡みの密度感、歌いっぷりの精妙さに感動した。

デジタルケーブルの覇者エイムの最上位LANケーブル。4層構造のシールド材で徹底したノイズ対策を施し、導体を純銀でコートして導電効率を高める作りがなされている。分解能が高いため滑らかなのにキレがあり、低音域まで解像度が上がる。前作よりさらに音の品位を向上させたLANケーブルの王様である。

これまでの同ブランドのトップエンドLANケーブルNA9との差異は、OFC単線の国産純銀コーティングと、シールド部の片側非接地によるアシンメトリー構造ぐらいなのだが、それでも違いは一目瞭然。配信映像はコントラストレンジが上がり、グラデーションが稠密に。音は空間表現力とディテイル感が向上し、パースペクティブの見晴らしが抜群だ。

新開発の高純度無酸素銅＋国産純銀コーティングの専用導体、アシンメリトリー構造の採用などで、さらなる高みへと到達したLANケーブル。自宅でも使っているが、Apple TV 4Kなどの動画配信プレーヤーで使うと、映像はさらに緻密になり、音はパッケージソフトに迫る情報量に驚かされる。ネットワークオーディオ用以外でも効果は絶大。

Qobuzのローンチもあり、改めてLAN関連製品に注目が集まっている今季のベストバイだが、高価格帯のLANケーブルの中で印象が良かった1本。新開発の無酸素銅＋純銀コーティングを採用した導体や、特性の良い発泡絶縁体「Air 2」により、安定した信号伝送を実現。背景の静寂感やディテイル表現が見事だ。

エイムが総力を上げて造り上げたオーディオ用プレミアムLANケーブル。NA9でも効果を発揮したパルシャットMUを採用。さらに今回はアシンメトリー構造とし、外来ノイズ対策を強化しているが、その効果は明白。明瞭度の極めて高いサウンドが、しなやかに弾み、軽やかに空間に拡がっていく様子が実に新鮮で、感動的だ。

ハイエンドオーディオでは接続ケーブルや内部配線に純銀を用いること自体は多くの前例があるが、LANケーブルへの採用例は限られる。4層のシールド構造や発泡絶縁体など、音質劣化に繋がる要素を排除する複数の技術を統合することで、高い次元でノイズの影響を抑え込み、透明感の高い空間描写を獲得した。

高品位LANケーブル市場がにぎやかになっているが、この秋体験してその音に良さにいちばん驚かされた製品。前作NA9を聴いたときも最高クォリティのLANケーブル誕生との思いを抱いたが、今回聴き比べてアゼンとした。NAXの前に冴えないことおびただしかったのである。