今日イヤホン市場の動向は、完全ワイヤレス(Bluetooth)対応機を中心に回っている。数年前まではまだ高嶺の花だった完全ワイヤレスだが、昨今は1万円前後でも優れたモデルが登場し、話題を集めている。今回私がテストしたSOUNDPEATSの「Air5 Pro+」も、おそらく多くのイヤホン愛好家に驚きをもって迎えられるのではないだろうか。

完全ワイヤレスイヤホン SOUNDPEATS Air5 Pro+ ¥15,380(税込)

画像1: SOUNDPEATSの「Air5 Pro+」は、多くのイヤホン愛好家に驚きをもって迎えられるだろう。この価格でこれだけの機能と音質を達成しているのだから

SPECIFICATIONS
●使用ドライバー:MEMSドライバー、10mmダイナミックドライバー
●パワーアンプチップ:XAA-2000 Aptos Class-H
●再生周波数帯域:20Hz〜40kHz
●対応Bluetoothコーデック:SBC、AAC、LC3、LDAC、aptX、aptXAdaptive、aptX Lossless
●最大持続時間(AAC、40%音量、通常モード):6時間(本体)、30時間(充電ケース併用)
●充電コネクター:USB Type-C
●防水性能:IPX5
●寸法/質量:W34.60×H19.87×D23.50mm/5g(本体)、W66.88×H48.33×D26.92mm/51.11g(充電ケース&本体)
※付属品:USB Type-C充電ケーブル、説明書、アプリ説明書、イヤーチップ(S/M/L)、ヒーツくんのステッカー

画像2: SOUNDPEATSの「Air5 Pro+」は、多くのイヤホン愛好家に驚きをもって迎えられるだろう。この価格でこれだけの機能と音質を達成しているのだから

主な特徴
●MEMSドライバー、10mmダイナミックドライバー、XAA-2000 Aptos Class-H搭載
●Qualcomm QCC3091チップ
●Snapdragon Sound対応
●aptX Lossless、LDAC、LC3対応
●ハイレゾ認証済み、Snapdragon Soundにも対応
●LE Audio対応
●AI適応型アダプティブノイズキャンセリング搭載(-55dB)
●マルチポイント接続対応
●60ms低遅延ゲームモード

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 失礼ながら、SOUNDPEATSのイヤホンをじっくり聴くのは今回が初めて。同社ホームページを見ると、創業は2010年。科学技術と製造技術の確かな融合によるイヤホン造りを10年以上続けてきたとあり、多品種のラインナップを有している。1万円以下のモデルが大半のようだが、Air5 Pro+は同社完全ワイヤレス・モデル群のトップエンドに位置する。

MEMS&ダイナミックドライバーによる緻密な空間表現が魅力

 Air5 Pro+の最大のセールスポイントは、ハイブリッドドライバー構成にある。低音再生を担う10mm径ダイナミックドライバーに、xMEMS社製MEMSドライバー「Cowell」を組合せたハイブリッド構成だ。

 MEMSドライバーはシリコンウェハーから製造されており、軽さと硬さを兼ね備え、実に60Hz〜100kHzという広帯域特性と優れたインパルス応答性能を有しているという。しかも全帯域に渡る高調波歪みの少なさ(THD 0.05%未満)と従来比4倍におよぶ超高速応答性を兼ね備えているのが見逃せない。このMEMSドライバーは中高音域を受け持ち、専用のパワーアンプIC(Class-HアンプXAA-2000)で駆動される仕組みだ。

画像: イヤホン本体はいわゆるスティック型で、曲線を交えた美しい仕上げになっている。片方5.04gと軽量なのもポイント

イヤホン本体はいわゆるスティック型で、曲線を交えた美しい仕上げになっている。片方5.04gと軽量なのもポイント

画像: スティック部分の先端に通話用の高品質マイクも搭載。電話やビデオ会議でも活躍する

スティック部分の先端に通話用の高品質マイクも搭載。電話やビデオ会議でも活躍する

 一方、低音用10mmドライバーは、新開発のデュアル銅線を使用したPU+PEEK素材の複合振動板。前述MEMSドライバーとのコンビネーションにより、自然な広がりと空間表現の緻密さ・正確さが実現できたという。

 ワイヤレス性能に関しては、新世代のQualcomm S3サウンドプラットフォームを搭載すると共に、LDACとaptX Lossless(CDクォリティのオーディオデータをロスなく伝送可能)に対応した点を特筆しておきたい。これらコーデック方式の準拠によってハイレゾコンテンツの高解像度再生が叶う。さらに次世代Bluetoothオーディオ規格LE Audio LC3をサポートするなど、ロスレス再生に万全な対応となっている。

AIを使った適応型ノイズキャンセリングまで搭載。装着性にも優れる

 機能面では、内蔵マイクで周囲の雑音レベルや装着状況をリアルタイムで監視し、AIによってより的確なノイズキャンセリング動作を行なう「適応型アクティブノイズキャンセリング」がユニークだ。製造元のラボでは、可聴域で最大55dBのノイズ低減効果を達成しているというから驚きである。

画像: 小原さんに「Air5 Pro+」を実際に装着してもらった。安定感もよく、通常の使用で落下する心配もない

小原さんに「Air5 Pro+」を実際に装着してもらった。安定感もよく、通常の使用で落下する心配もない

 ブラックを基調としたイヤホン本体のデザインは、ゆるやかな曲面で表現されていて、ゴールドの装飾がアクセントになっていることもあり、女性が着けてもさほど違和感はなさそう。イヤーチップのフィット感もよく、装着時の圧迫感は極小という印象だ。

 ラウンド形状の専用ケースは開口が大きく、イヤホン本体は取りやすい。他方、ここまで大きいと出し入れ時に落ちやすいのではないかと当初不安に思ったが、マグネットのチャッキングが強力で、その心配は杞憂に終わった。

 急速充電に対応しているので、わずか10分の充電で約2時間も使えるのは嬉しいポイント。忙しい日でもサッと充電してすぐに持ち出せる。

専用アプリも利便性が高い。「アダプティブEQテスト」で自分好みの調整値を見つけよう

 専用アプリ「PeatsAudio」をインストールしたスマホで試聴してみた。このアプリで再生モードやANCの設定が可能だ。装着はAppleのAirPodsのように耳に差し込み、手前に少し捻ってフィットさせる。

 一聴してわかるのは、中音域の押し出しのよさだ。ヴォーカルは音像がグッと前に押し出されるような感覚で迫り出してきて、実体感もある。声の質感に硬質さはなく、瑞々しさと滑らかさ、温度感が感じられるナチュラルなものだ。

画像: 本体はフル充電で約6時間、さらに充電ケースと組み合わせれば約30時間使える。10分の急速充電で2時間の再生が可能になる

本体はフル充電で約6時間、さらに充電ケースと組み合わせれば約30時間使える。10分の急速充電で2時間の再生が可能になる

 LDACコーデックによる恩恵もあるだろう、情報量とダイナミッレンジが広いこともわかる。ホームオーディオで聴き慣れた曲の細部のニュアンスがしっかりと伝わってくるし、カナル型イヤホンが不得手とすることの多い立体的な表現力も確かに備わっている印象だ。

 曲によっては低音がやや盛り気味に再生されるが、もしもそうしたトーンバランスが気に入らないようならば、専用アプリで調整すれば済むことである。

 専用アプリにある「アダプティブEQテスト」を働かせると、イコライジングのパーソナライズ化を自動的にやってくれる。アプリの画面に従い、特定の周波数が音圧レベルを徐々に上げながら順次再生されるので、聞こえたら次のステップに移るという動作を繰り返す。

 これを何度か試してみるうちにコツが掴めるし、聞こえる・聞こえないの判断の仕方もわかる。そうやってアベレイジングしていくことで、自分の好みの「適応型EQ」モードに行き着くことができると思う。

画像: 専用アプリから、プリセットされた様々なイコライジングモードの呼び出しも可能。さらに「アダプティブEQテスト」機能も備えているので、個人カスタマイズも簡単にできる

専用アプリから、プリセットされた様々なイコライジングモードの呼び出しも可能。さらに「アダプティブEQテスト」機能も備えているので、個人カスタマイズも簡単にできる

若い音楽ファンから、ミドルエイジにまで幅広く受け入れられるトーンバランス。
ポップスやロックなど、ビートを利かせた音楽が好きな方にオススメ

 Air5 Pro+の印象を総括すると、低音域の表現力に独自性があるものの、それがいい意味でプラス要素となる味付けであって、昨今のトレンドの音作りに合致しているように感じられる。

 それは比較的若い音楽ファンからミドルエイジまでに受け入れられそうなトーンバランスで、特にヴォーカル主体のポップスやロック、さらに突っ込んだ言い方をすれば、ヒップホップやエレクトロニカなど、ビートを効かせた音楽とマッチングがいいように思う。つまりアコースティックなニュアンスや質感を基調とした音楽・演奏よりも、エレクトリックな要素をベースとした音楽との相性がよさそうだ。

 それにしても、1.5万円強でここまでの機能とサウンドクォリティを有しているのだから畏れ入る。これは他社もウカウカしていられないぞと思った、Air5 Pro+のファーストインプレッションであった。

画像: 若い音楽ファンから、ミドルエイジにまで幅広く受け入れられるトーンバランス。 ポップスやロックなど、ビートを利かせた音楽が好きな方にオススメ

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●クーポンコード:STEREOA5PP
●利用期間:12月21日(日) 23:59まで
●通常価格:¥15,380
●購入先:https://www.amazon.co.jp/dp/B0FR54BMDR
※Amazonの各種セールやクーポンと併用可能

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