給食道を究めんとする一人の教師の姿をコミカルに描いてヒットを続けている「おいしい給食」の劇場版第4作となる『おいしい給食 炎の修学旅行』が、いよいよ10月24日(金)より公開となる。今回の舞台は甘利田(市原隼人)の勤務地・函館を離れた青森・岩手。修学旅行先として訪れた同地で出会う、新たな食材による給食。そして、甘利田のかつての同僚・御園ひとみ(武田玲奈)との再会。波乱の予感もはらみながら、物語は思わぬ方向へと舵を切る。ここでは、ドラマ版(season1)・劇場第一作目以来、約6年ぶりの出演となる武田玲奈にインタビュー。撮影の苦労や役作りについて話を聞いた。
――よろしくお願いします。「season1」以来、久しぶりの出演おめでとうございます。まずは出演してみての感想をお願いします。
ありがとうございます。6年ぶりにカムバックさせていただくことができてうれしいです。「season1」の後も、シリーズや劇場版が続いていて、長くみなさまに愛されている作品になっていると感じましたし、陰ながら応援していたので、今回、再び出演できると聞いて、やっと来た! という気持ちになりました。
――6年ぶりの出演ということで、演じられた御園先生もだいぶ印象が変わっていましたし、甘利田先生も相当にパワーアップしていました。最初に台本を読んだ時の感想をお願いします。
脚本を読んでみて、こんな感じで(御園は)成長したんだと思って、まずはそこに驚きました。市原さんには、本読みの時に久しぶりにお会いしたのですが、久しぶりに見る生の甘利田先生はもう、めちゃくちゃパワーアップしているんですよ(笑)。作品としてもパワフルになっていて、スタッフ、キャストを含めてもう、チームとしての一体感がすごくて、“おいしい給食”という世界が確立というか、出来上がっているなと感じました。
――御園先生の成長・変化の表現はどのようにしようと考えましたか?
作品の中でも、相応の時間が経過しているので、その間、御園先生としても別の学校に行ったり、さまざまな先生と出会ってたくさんの経験を積んできたと思うし、私、武田としてもあれからいろいろな現場に行って、たくさんの経験をしているので、そこは被るところがあると思ったし、20代後半の女性っていう像(役柄)はすごくリンクしていて、演じやすかったですね。作り込むというよりナチュラルに演じることを心掛けました。
――作品ポスターにも載っていますけど、御園先生の衣装はすごいですね。まさに90年代のキャリアウーマンという感じです。
そうですよね、この時代の肩パットってすごいなって思いました(笑)。
――少し話を戻しますが、監督と市原さんと武田さんは最初から出ている重要なパートナーだと思うのですが、撮影前に3人で集まったり、話し合ったりということはあったのでしょうか?
集まって、ということはありませんでしたけど、事前に監督からは、すごくパワーアップしている、という話を聞いていたので、始まるのが楽しみでした。本読みが久しぶりの再会になりましたけど、市原さんって、本読みの段階からあのテンションなんですよ(笑)。本当にパワーアップしているし、人(甘利田先生)が一所懸命に食べている姿、何かをしている姿って、本当に面白いんだなって思いました。
――そんな甘利田先生との再会のシーンでは、お互いにそっけなかったです。
生徒や上司のいる手前、きちんとしていないといけないし、離れ離れになっている間に経験を積んで、培ってきたものがあるので、昔とは違いますよ、成長しましたよ、というところを見せるというか、ぶつけるみたいな感じでしょうか。

――かつては仄かな恋心もありましたけど、それをうまく隠し通せた。
そうですね。仕事がちょっとできるようになって、その自信というか、責任みたいなものが現れているのかな、と。恋よりも仕事、という感じでしょうか。
――そんな再会を経て、再び甘利田先生と給食を共にすることになります。
久しぶりの給食が楽しみでしたし、岩手県の給食ってなかなか食べる機会がないので、どんな味なんだろうっていう期待もありました。実際に食べてみると、懐かしや落ち着くような感覚もあって、とても美味しかったです。
――その給食シーンでの甘利田先生もすごかったです。撮影はいかがでしたか?
あのテンションですから、御園先生の教え子(=花堺中学)たちは気になるでしょうし、甘利田先生の生徒の中にはマネしている子がいたりして、なかなか楽しいシーンでした。

――予期せず笑ってしまったりして、NGになることはなかったのですか?
それはなかったです。
――その前夜には、シリーズ恒例(?)のロマンスシーンもありました。
めちゃくちゃ寒かったのが一番の思い出なんですけど、実はあのシーン、台本にどういうアクションをするのかが書いてなくて、どうなるんだろうって思いながらの撮影だったんです。
――全編アドリブ?
そうです。どうするかを市原さんが考えてきて、それを現場でいきなりやってくるんです。こちらは“あっ”て驚きつつ、最終的に乗っかられている、みたいな感じになりました。
――あの驚いているのは、リアルな反応。
そうです、結構本気で驚いてます。びっくりしました。
――あの距離感で迫られると、分かっていても(分かってなかったけど)“うっ”てなり(芝居が止まり)ませんか。
なりますよ、我慢です、我慢しました(笑)。でも、この距離の近さは、あーこれこれ、これが甘利田先生だっていう感じがして、懐かしさもあったし、昔を思い出す瞬間でもあったかと思います。

――あまりネタバレしないようにお聞きしますが、甘利田先生との再会によって、御園先生にも変化が見られました。
そうですね、御園自身も、甘利田先生とは真逆の上司の下で働くことで、それに完全に染まってしまっていましたけど、かつて恋心を抱いていた尊敬する(甘利田)先生に再会したことで、壁を壊されたというか、何かこう、また新しいことを教えてもらったような、大事なことを気づかせてくれる存在だったと思います。
御園にとっては、さまざまな経験を積んできたことで得た自信や責任感が崩れ落ちた感覚で、ある意味“初心に戻る”が近いのかもしれません。初心に戻ってまた大事なことを思い出して、一皮むけた先生になる、という感じでした。
――初心に戻ったから、衣装も80年代風なものに戻った?
そうですね。でも、なんで戻るんですかね(笑)。ちょうど「season1」の時に着ていた服が保管してあって、それを用意してもらいました。ブラウスとかは、当時と同じものです。
――ちなみに、武田さんにとってコメディ作への出演は、得意、不得意があるとか、普段と違うチャレンジになるとか、何か心構えみたいなものはありますか。
特にはないですね。こちらから笑わせに行くぞみたいな感じでもないので、本当に真摯に一所懸命に、役に取り組むっていうだけです。
――最後に、次回作があるとしたらこんな設定がいいなとか、どこそこのご当地料理を食べてみたいなど、要望はありますか?
おいしい料理ってたくさんありますから迷いますよね。作品では北が続いたので、次は南の方がいいですね。九州とか四国のおいしいものを攻めてほしいです。
映画『おいしい給食 炎の修学旅行』

2025年10月24日(金)新宿ピカデリーほか全国公開
<キャスト>
市原隼人
武田玲奈 田澤泰粋 栄信 田中佐季
片桐仁 いとうまい子 赤座美代子 六平直政 高畑淳子 小堺一機
<スタッフ>
監督:綾部真弥 製作総指揮:吉田尚剛 企画・脚本:永森裕二 プロデューサー:岩淵 規 撮影:小島悠介(JSC) 照明:西野龍太郎(JSL) 録音:井家眞紀夫 美術:伊藤悟 小道具:千葉彩加 衣裳:小磯和代 ヘアメイク:近藤美香 フードスタイリスト:松井あゆこ 助監督:湯本信一 制作担当:田山雅也 音楽:沢田ヒロユキ・ペイズリィ8(ロゴ有り) 編集:岩切裕一 グレーディング:河野文香 整音:田中俊 効果:佐藤祥子 ポスプロ・マネージャー:豊里泰宏 協力:アミューズメントメディア総合学院 主題歌:「君の花~4th session~」(AMG MUSIC) 制作プロダクション:メディアンド 企画・配給:AMGエンタテインメント
2025/日本語/5.1ch/ドルビーデジタル/114分/
(C)2025「おいしい給食」製作委員会
武田玲奈 オフィシャルサイト
https://trustar.co.jp/talents/rena-takeda/
スタイリスト:小川未久
ヘアメイク:牧野裕大
衣装:
ニットベスト¥29,700、シャツ¥28,600/テラ(ティースクエア プレスルーム:03-5770-7068)
ハーフパンツ¥18,150/アメリ(アメリヴィンテージ:03-6712-7965)
ブーツ¥110,000/ネブローニ http://nebulonie.jp/
ピアス¥45,100、ネックレス¥52,800/リューク info@rieuk.com
ブレスレット¥154,000、リング[右手]¥289,300、[左手]人差し指¥29,700、中指¥49,500/イー・エム(e.m. 青山店:03-6712-6797
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