テクニカル オーディオ デバイセズ ラボラトリーズ(TADL)から、革新的な技術を取り入れた「Evolutionシリーズ」の新製品となるフロア型スピーカーシステム「TAD-E1AX」が、12月下旬より順次発売される。ラインナップと価格は下記の通り。

「TAD-E1AX-K」(ブラック) ¥3,000,000(ペア、税別) 12月下旬発売
「TAD-E1AX-GW」(グロッシーホワイト) ¥3,100,000(ペア、税別) 2026年1月中旬発売

 新製品のTAD-E1AXは、人気の「TAD-E1TX」の後継機種であり、「TAD-ME1TX」に搭載された真空蒸着法で製造したベリリウム振動板をトゥイーターに採用。また、ミッドレンジの振動板に陽極酸化処理と塗装による複合処理を施すなどTAD独自のCSTドライバーを刷新した構成となる。

 「TAD-GE1」採用の低次の定在波モードを低減する「AFAST(Acoustic Filter Assisted System Tuning)」や、豊かな低域を再生する「Bidirectional ADP(Aero Dynamic Port)システム」などの技術も取り入れ、より深化したサウンドを実現した、と謳っている。

TAD-E1AXの主な特長
●理想的な点音源再生を実現する「9cmCSTドライバー」を採用
 位相の一致したポイントから広帯域にわたって指向性をコントロールして再生する、中高域用の同軸スピーカーユニット「9cmCSTドライバー」を搭載。安定した定位と自然な音場空間の再現を可能に。また、ミッドレンジのコーンで同軸配置されたトゥイーターの指向特性を制御し、トゥイーターとミッドレンジのクロスオーバーにおける位相特性と指向特性を一致させることで、全帯域で自然な減衰特性と指向放射パターンも両立させている。なお、CSTドライバーのみで420Hz~60kHzという広帯域再生を実現しているという。

●トゥイーターに独自の蒸着法で製造した「25mmベリリウム振動板」を採用
 CSTドライバーのトゥイーターには、軽量で剛性に優れたベリリウムを用いて独自の真空蒸着法で製造した「25mmベリリウム振動板」を採用。コンピューター解析による最適化手法「HSDOM(Harmonized Synthetic Diaphragm Optimum Method)」を用いて形状設計し、分割振動とピストンモーションの最適バランスを導き出すことで、60kHzまでの超広帯域再生を実現している。

●ミッドレンジに高内部損失の「マグネシウム振動板」を採用
 CSTドライバーのミッドレンジに、軽量かつ内部損失の高いマグネシウム合金を用いた振動板を採用。陽極酸化処理と塗装による複合処理を施して表面硬度のさらなる向上と損失付加を図るとともに、ボイスコイルからのリード引き出し部のわずかな共振を抑えることで、歪みの少ない澄み切った中音再生を実現。また、磁気回路を抱えるフレームバスケットのアーム部の形状を見直し、大幅な強度アップとミッドレンジ背面におけるスムーズな音波の伝搬も実現しているという。

●ウーファーに「MACC(Multi-layered Aramid Composite Cone)振動板」を採用
 ウーファーには、アラミド織布と異素材の不織布をラミネートした「MACC振動板」を採用。豊かでクリアな低域再生とカラレーションのない素直な中低域再生を実現した。また、LDMC(Linear Drive Magnetic Circuit)を搭載した磁気回路をブラッシュアップして駆動力とそのリニアリティを高めるとともに、発泡ポリカーボネートのコルゲーションエッジによる支持系の高いリニアリティと合わせ、歪みのないクリアで豊かな低音を再生した、とする。さらに、ウーファーフレームも強力でリニアな駆動力を受け止めるようアーム部の形状を見直し、強度アップとスムーズなエアフローを実現している。

●高い制振効果と強度を持つ「SILENT(Structurally Inert Laminated ENclosure Technology)エンクロージャー」
 高剛性のバーチプライウッド(樺合板)を骨組みに使用し、内部損失の高いMDF材と組み合わせることで高い強度と低共振を実現する「SILENTエンクロージャー」を採用。さらに、エンクロージャー内部の低次の定在波モードを低減する「AFAST」を採用し、最適な吸音材を選定し効果的に配置することで、音像・音場に悪影響を及ぼす内部定在波を抑制している。

●自然で豊かな低域を再生する「Bidirectional ADPシステム」
 エンクロージャーの底部にポートを配置し、開口部を前後へレイアウト。そのポート内部をホーン形状にすることで、ポートノイズを低減した効率のよいポート駆動を可能に。結果、クリアでレスポンスのよい中低音を実現。また、ポートフレアにはアルミダイキャストを使用するとともに、ポートを前後の対称レイアウトにすることで、エンクロージャーを振動させる力を打ち消し、豊かで力強い低域の再生も行なえるようにしている。さらに、10㎜厚の鋼板製ベースプレートを採用することで、安定した設置が可能で、強力な駆動力を持つウーファーのリアクションをしっかりと受け止める仕様にまとめている。

●設置環境に合わせて選べるカラーバリエーション
 設置環境に合わせて選べるように、従来機種の「ブラック(K)」に加え、新色の「グロッシーホワイト(GW)」をラインナップ。熟練の職人による塗装の吹き付け作業、下地塗装の研磨、最終の磨き上げの工程などていねいに時間をかけ、美しいエンクロージャーにまとめている。また、設置時に使用する滑り止めパッドやお手入れ用のクリーニングクロス、音質への影響を最小限に抑えたウーファーグリルなどを付属する。

 なお、本TAD-E1AXは、10月17日から開催のオーディオイベント「2025東京インターナショナルオーディオショウ」の同社ブース(G401)にてデモンストレーションも予定されている。

▼「2025東京インターナショナルオーディオショウ」の詳細はコチラ(事前登録制)

TAD-E1AXの主な仕様
型式:3ウェイ バスレフ フロアスタンド型
ウーファー:16 cmコーン型 x 2
ミッドレンジ / トゥイーター:同軸9cmコーン型 / 2.5cmドーム型
再生周波数帯域:29Hz~60kHz
クロスオーバー周波数;420Hz、2.5kHz
出力音圧レベル:88dB(2.83V・1m)
最大入力:200W
定格インピーダンス:4Ω
ユニット極性:低域(+)、中域(+)、高域(+)
寸法:347(W) x 1,146(H) x 518(D)mm
質量:54kg(1本)
付属品:ウーファーグリル x 2、ショートケーブル x 2、コーン型スパイク x 3、転倒防止スパイク x 2、スパイク受け x 3、滑り止めパッドx 4、クリーニングクロス、オーナーズマニュアル

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