HIFIMAN
こちらのブースで気になった製品は、季刊「HiVi」誌(春号)のQobuz特集でも取り上げていた「ISVARNA(イシュヴァルナ)」というモデルになる。
このモデルは、平面型とダイナミック型の二つのドライバーを搭載したハイブリッド型のヘッドフォンで、独自の搭載方法によって、位相差による音質の劣化を改善したモデルとなっている。一般的に、位相差は、耳から離れているとその差は小さくなり、ヘッドフォンのようにスピーカーと、耳との距離が近いと、大きくなり、音質劣化につながるとされている。

実際に試聴することができなかったのが心残り。いずれじっくりと聴いてみたいものだ
この位相差による音質劣化を改善すべく、ダイナミック型のドライバーを独自の搭載方法と角度差によって解決したのが、本製品になるそうだ。担当者いわく、「ISVARNA」専用に開発されたダイナミック型ドライバーが低域をカバーし、平面型のドライバーが中高域をカバーするといった具合で、バランスのとれた、濁りのないクリアな音が楽しめるようになっているとのことだった。
混雑していたこともあり、試聴はかなわなかったものの、HIFIMANを象徴する平面駆動型の振動板を搭載したヘッドフォンは、いつかじっくりと試聴してみたいものだ。
ちなみにスペックは、周波数特性が6Hz~60kHz、感度は93dB、インピーダンスは16Ω、重さは462g、価格は¥464,600(税込)となっている。ケーブルは一般的な3.5mmプラグのほか、本格的なヘッドフォンアンプにも対応する6.35mmプラグ、プロ用のヘッドフォンアンプに対応するXLRバランス端子の3種類を同梱する。
コペックジャパン
コペックジャパンのブースで見つけたのは、同社が取り扱うCayin(カイン)というオーディオメーカの「RU9」という、真空管ポータブルアンプだ。今回のヘッドフォン祭が初展示ということで、ブースはかなり賑わっていた。試聴機が2台しかなく、実際に聴くまでには至らなかったが、Cayinの製品の中では、最も小さい真空管搭載のモデルとのことだった。

イベント会場では、プロトタイプということもあり有線での試聴となっていた
搭載する真空管は、「Nutube 6P1」という低電圧、低消費電力でありながら、真空管ならではのサウンドを楽しむことができ、アンプモードは、真空管クラシック、真空管モダン、トランジスタアンプの3種類が用意されているとのこと。入力は、USB・S/PDIF・Bluetoothの3系統、出力は、フォノアウト・ラインアウト・S/PDIFの3系統。DACは、AK4493Sを2基搭載のデュアルモノモードとなっている。

底面に設けられた端子部

手のひらに収まるほどコンパクトだった
MagSafe対応でスマートフォンとの相性もいいとのこと、実際に試聴できなかったのが残念でならない。イベント時は、プロトタイプということもあり、有線での試聴のみとなっていたが、このサイズ感で、真空管のサウンドを楽しめるのはちょっと興味をそそられた。
Makuake
602Cの窓際にブースを構えていたのは、前回も紹介した製品応援購入サイトのMakuake。今回もパワフルな女史が三つの製品を紹介してくれた。一つが、viaim(ヴィエイム)の完全ワイヤレスイヤホン「RecDot」。最近はやりの「AI」を組み合わせているのが特徴で、スマホアプリと連携させることで、録音、同時文字起こし、同時翻訳、要約、までこなしてくれるという。文字起こしは、あらかじめスマホアプリと連携させておき、録音している音声(会議など)をリアルタイムで文字起こししてくれる(サーバとの接続が必要)。ブースで見る限り精度は一般的なもの。果たして「Google Pixel」とどっちが精度いいのかな? と思った。(文字起こしは)600時間までは無料で、それ以上はサブスクとなる。ちなみに、文字起こしはリアルタイムのようで、オフラインで録音して、あとから文字起こしを実行すると、リアルタイムで動作していた(他サービスのように高速変換はしてくれないようだ)。5月中には、クラウドファンディングを開始する予定となっている。

続いては、同じくviaimのUSBメモリータイプの翻訳デバイス「NoteKit」。パソコンのUSB端子(A/C 両対応)に挿して使うもので、パソコン内蔵のマイクを使って、会話を翻訳してくれる(文字起こしもしてくれる)。上述のRecDotと組み合わせて使うこともできるという。こちらもMakuakeで5月中に、クラウドファンディングを開始する予定だ。

最後が、ここ数年話題のMRヘッドセット「Play for Dreamer MR」。海外ではすでにプロジェクトが完了(成功)しているようで、今回日本市場でのクラファンを展開するそうだ(5/8開始)。メガネonヘッドセットでもメガネに干渉することはなかったので、いろいろと装着法を研究しているのだろう。解像感は2K相当ながら、全周にわたって映像が展開されるので(頭を動かすと、上下左右、背後まで映像がつながっている)なかなかに面白かった。

4月26日の展示時点では、装着法を研究しているようだった

メガネonヘッドセットでもメガネに干渉することはなかった

使用イメージ、両手に持っているのは、コントローラー