①「アイ・キャン・シー・クリアリー・ナウ/ホリー・コール・トリオ」44.1kHz/16ビット

②「First We Take Manhattan (Digitally Remastered)/ジェニファー・ウォーンズ」44.1kHz/16ビット

③「You’re Made That Way(LP Version)/ドゥービー・ブラザーズ」44.1kHz/16ビット

④「神のみぞ知る/マンハッタン・トランスファー」48kHz/24ビット

⑤「Only Now/ゲイリー・ピーコック」44.1kHz/16ビット

⑥「Rainbow Children/プリンス」44.1kHz/16ビット

⑦「ダット・デア (Album Version)/リッキー・リー・ジョーンズ」44.1kHz/16ビット

⑧「ハイドン:オラトリオ『天地創造』/パールマン指揮ボストン・バロック」192kHz/24ビット

⑨「ベルリオーズ:『幻想交響曲』第5楽章:サバトの夜の夢/ドゥダメル指揮ロサンゼルス・フィルハーモニック」96kHz/24ビット

⑩「チヒロ/ビリー・アイリッシュ」44.1kHz/24ビット

 

 

 ここでは、HiVi誌でのオーディオコンポーネントのテストで評論家諸氏が使っている「音の良い曲」をピックアップしてみた。機器のテストに使われる楽曲だから、どの曲も「ワイドレンジ」で「高い鮮度感」があり、「音像や音場表現に優れている」など共通する特徴を備えている。とはいえ、テストで繰り返し聴くからこそ、単に音が良いだけでは不十分である。機器を替えて、あるいはセッティングを変更し、何度何度も聴く必要に迫られるケースが多く、楽曲、演奏がそもそも優れていないと「飽きて」しまい、テスト楽曲として結局用をなさないからだ。ここで挙げた曲は、HiVi視聴室で25年近く、評論家の方々が再生してきた数千曲(たぶん)の中から、高音質でしかも何度聴いても新鮮な気持ちで聴ける極め付きの曲を厳選した。自信を持っておすすめしたい最高の10曲だ。

 低音再生能力のチェックなら①⑤⑥⑨あたり、ダイナミックレンジの確認なら⑧⑨、声の表現力なら①②③④⑦⑧、ステレオフォニック的サウンドステージの評価なら④⑤⑦⑧⑨というイメージだ。

 ③は少し説明が必要かもしれない。Qobuzには、ドゥービー・ブラザーズのワーナー/ライノ時代(つまり全盛期)の楽曲は、「2016 Remaster」の192kHz/24ビット音源と、「LP Version」などの表記が曲名に付く44.1kHz/16ビットの2種類が用意されている。普通に考えると前者のハイレゾ音源が「高音質」だと思うだろうが、さにあらず。前者は音圧を上げるために少々コンプレッション処理がきつい。後者は音量レベルが低いものの、アンプのボリュウムをグイッと上げれば、マスターテープのヒスノイズの中に深い音場空間が出現、録音スタジオでのナチュラルな雰囲気をたたえた「高音質」が浮かび上がる。Qobuzでは、そうしたマニアックな聴き比べも、「定額」で楽しめるから、最高だ。

 ⑩は、編集子の個人的趣味として挙げた。2024年を代表するポピュラー楽曲録音の最先端だと思う。ぜひご一聴ください。(HiVi誌/辻 潔)

 

 

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>本記事の掲載は『HiVi 2025年春号』

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