日本オーディオ協会主催の試聴イベント「第4回 持ち込みOK!好きな曲でオーディオ体感試聴会 -アニソン編- 」 が東京都港区高輪の協会内試聴スペースで3月8日(土)に開催された。当日は13:00~15:00と16:00~18:00の2部構成で、各部事前抽選に当選された方が参加した。

「持ち込みOK!好きな曲でオーディオ体感試聴会」は、テーマを絞り、楽曲を参加者が持ち込んでオーディオシステムで試聴、体感していただくイベント。4回目となる今回は、アニメソング、ゲームソングがテーマで、持ち込みによる楽曲を参加者が楽しんだ。過去には「J-POP限定」、「アナログディスク」や「40代以下限定」など、様々なテーマで行なわれている。
今回の開催には約70名が応募され、第1部には13名、第2部には10名が試聴したい楽曲を持ち込んだ。年齢層は10代~60代と幅広い。

開会の挨拶を行なうオーディオ協会の八木真人氏
本試聴会のユニークな点として、参加者がテーマに沿った楽曲を持ち込む点と、持ち込んだ楽曲を試聴する際は、持ち込んだ方が最前列のセンターに座るということである。また、今回のテーマ「アニソン、ゲームソング」ということでしっとりとしたバラードからハードなロックまでバラエティに富んだ楽曲が再生される点だ。
当日は再生環境として
・SACD/CDプレーヤー ラックスマン D07X
・デジタルファイルトランスポート ラックスマン NT07
・プリアンプ ヤマハ C5000
・パワーアンプ ヤマハ M5000
・スピーカーシステム フォステクス NF06
が用意された。
デジタルディスクを再生するSACD/CDプレーヤーのラックスマンD07Xは、2023年に登場した同社の準フラグシッププレーヤー。DACチップにROHM製「BD34301EKV」を2基使用し、後段のアナログ回路は独自のディスクリートバッファー構成となっている。デジタルファイルを再生するデジタルファイルトランスポートNT07は、2023年に登場。OIトランスと合計20000uFの強力な電源部を持ち、RJ45のイーサネット端子のみでなく、HDMI入力など、豊富な端子群を備える多機能トランスポートである。
プリアンプ、パワーアンプのヤマハC5000+M5000は2020年に登場した同社フラグシップ機。C5000は1ch分のオーディオ回路、電源レギュレーター回路を1枚に集約、その基板を背中合わせに搭載するブックマッチ・コンストラクションが特徴。M5000は1200VAのトランスを配し、出力段左右チャンネルの+と−の計4組の電力増幅回路を、グラウンドに対して電気的にフローティング。出力段のプッシュプル動作を完全対称化するフローティング&バランス・パワーアンプが用いられ、100W+100W(8Ω)を出力する。
スピーカーのフォステクスNF06は2024年に登場したブックシェルフ型のパッシヴモニタースピーカー。分割振動による共振を分散させるため、円周方向に回転を加えた独自の振動板を搭載した6.5インチウーファーと、1インチのドーム形状チタン振動板を採用している。

スピーカーとデモ音源について説明を行うフォスター電機(フォステクス)の仲前 学 氏

イベント内容説明を行う今 裕実氏(オーディオ協会オーディオ体感ワーキンググループ委員長)
イベントは時間内で参加者すべての人が持ち込んだ楽曲を再生するため、持ち込み楽曲を4分ほどでフェードアウトする形となったが、参加者の多くから「親しみやすい曲でオーディオシステムを知ることが出来てよかった」、「いずれは自宅にオーディオシステムを入れ、時間を気にすることなく聴けるようにしたい」など、感想が出ていた。
第1部と第2部とも、オーディオ協会のデモでAdo「新時代(ウタ from ONE PIECE FILM RED)」、島 翔太朗/植松 伸夫「ギ・ナタタク(FF7 Rebirth OST Ver.)」が再生されたのち、以下の持ち込み楽曲が再生された。また、楽曲再生前には参加者による楽曲の紹介タイムが設けられた。
【第1部】 13:00~15:00
上原れな「届かない恋」
シートベルツ「Gotta knock a little harder」
トゲナシトゲアリ「雑踏、僕らの街」
米津玄師「海の幽霊」
岩男潤子「スカーレット」
Belle「歌よ」
悠木碧「帰る場所があるということ」
藍井エイル「INNOCENCE」
いとうかなこ「Hacking to the Gate」
Ado「ウタカタララバイ」
Suara「不安定な神様」
小林泉美「I,I,You&愛」
音無小鳥「光」
【第2部】 16:00~18:00
西川貴教「BEYOND THE TIME -メビウスの宇宙を越えて」
SIAM SHADE「1/3の純情な感情」
王菲「Eyes On Me」
熊谷弘「惑星メーテル(交響詩 銀河鉄道999)」
TrySail「High Free Spirits」
Kevin Penkin「reBirth ft. Takeshi Saito」
David Matthews Orchestra「OPENING ACT」
マキシマム ザ ホルモン「絶望ビリー 」
MARUMOCHI from HoneyWorks「ファンサ(feat.ハコニワリリィ)」
ささきいさお「宇宙戦艦ヤマト」
第1部にはステレオサウンド編集部の松本も参加。発表前である弊社から販売のSACD『THE IDOLM@STER 765PRO ALLSTARS+ GRE@TEST BEST! -COOL&BITTER!-』から、「光」をチョイス。5分30秒ほどある楽曲だが、しっかり4分ほどでフェードアウトされ、オーディオ協会から「関係者でも関係なくフェードアウトします」とのコメントに会場は笑いに包まれ和やかなムードとなった。
イベントの最後にオーディオの協会の八木氏より、
「オーディオ体感ワーキンググループでは、オーディオの楽しさを体感していただくため、あるテーマを決めて来場者みなでつくりあげていく試聴会を試みております。オーディオの楽しさをもっと気軽に、楽しく、興味を持っていただけるよう今後さまざまな試聴会を計画してまいります。」と締めくくられた。