ディーアンドエムホールディングスから、DALI(ダリ)のスピーカー「EPIKORE」シリーズが発表された。いずれも3月下旬の発売予定で、本体カラーはハイグロス・ブラック、ハイグロス・マルーン、ハイグロス・ウォルナットの3色を準備。

●スピーカーシステム:
EPIKORE 3 ¥2,200,000(税込、ペア)
EPIKORE 7 ¥3,520,000(税込、ペア)
EPIKORE 9 ¥5,500,000(税込、ペア)
●専用スタンド:EPIKORE 3 STAND ¥528,000(税込、ペア、マット・ブラック)

画像: 左から「EIKORE 3」+「EPIKORE 3 STAND」、「EPIKORE 7」、「EPIKORE 9」

左から「EIKORE 3」+「EPIKORE 3 STAND」、「EPIKORE 7」、「EPIKORE 9」

 EPIKOREは、DALIスピーカーの人気モデルである「EPICON」シリーズと、フラッグシップモデル「KORE」の間を埋めるラインナップで、一昨年発売されたトップモデルの「EPIKORE 11」と合わせて4モデルが揃うことになる。なおEPIKOREシリーズの新製品は、アジアでは日本が最初の発売となる。

 その特徴は、KOREで開発された新技術を踏襲している点にある。まず高域用には、EVO-Kハイブリッドトゥイーターを搭載。35mmドーム型トゥイーターと55✕10mmプレーナー(リボン)型トゥイーターをダイキャスト製バッフルに取り付けている。

 35mmドーム型トゥイーターはネオジムマグネットを採用し、350Hz〜18kHzの再生が可能。プレーナー型トゥイーターは、EPICONシリーズのそれをさらに進化させたもので、ネオジム・鉄・ボロン磁石モーターシステムを採用。96dBの感度を実現したことで、より低歪みでの再生が可能になっている。

画像: EVO-Kハイブリッドトゥイーター

EVO-Kハイブリッドトゥイーター

 さらにEPIKORE 3、EPIKORE 7には新開発された180mmウーファーが搭載されている。KORE向けに開発された第2世代SMC(ソフト・マグネティック・コンパウンド)テクノロジーを採用、高調波歪みを低減した。また直径134mm、厚さ24mmの大型マグネットと、直径38mm、長さ18mmのボイスコイルを組み合わせて、広い領域でのリニアな再現性を獲得したという。

 EPIKORE 9には、EPIKORE 11と同じ直径200mmのウーファーが使われている。ミッドレンジは、165mmクラリティ・コーン・テクノロジーミッドレンジ・ドライバーだ。

 なお、ウーファーの振動板はDALI独自のペーパー&ウッドファイバーコーンで、特徴的な幾何学模様を押印し、さらにラッカー塗装を施すことで不要な共振を減衰している。

画像: 左が「EPIKORE」用、右が「EPICON」用のウーファーユニット

左が「EPIKORE」用、右が「EPICON」用のウーファーユニット

画像: マグネットのサイズが異なっていることがひと目でわかるだろう

マグネットのサイズが異なっていることがひと目でわかるだろう

 エンクロージャーはデンマークが誇る木工職人の技を活かしたもので、18mm厚の曲面MDFエンクロージャーと40mm厚MDFフロントバッフルを採用。複雑に配置された内部ブレースパネルによって共振を抑えている。

 バスレフポートは一般的な水平配置ではなく、斜めに設置するコンティニュアス・フレアポート・テクノロジーによりドライバーとポートの伝送時間/遅延を抑え、スピードのある低音再現を獲得した。この方式は壁に近づけた場合でも反響が起こりにくいとのことだ。なおポートの内側にはネットが取り付けられているので、間違って何かを入れてしまっても簡単に取り出せるようになっている。

 クロスオーバーネットワークには特許技術のSMC-KOREクロスオーバーが用いられ、より低い電流歪み、電流抵抗、高いクロストーク耐性を実現したそうだ。スピーカーターミナルは金メッキ真鍮製で、全モデルともバイワイヤリング対応となっている。

画像: EPIKORE 3のスピーカー端子部。3モデルともバイワイヤリング接続が可能だ

EPIKORE 3のスピーカー端子部。3モデルともバイワイヤリング接続が可能だ

 マランツ試聴室で、SACD/CDプレーヤー「SACD10」とプリメインアンプ「MODEL10」(バイアンプモード)との組み合わせで新製品3モデルの音を確認させてもらった。

 まずブックシェルフ型のEPIKORE 3+EPIKORE 3 STANDでSACD『NOBU'S POPULAR SELECTION』から、アラン・パーソンズ・プロジェクト「アイ・イン・ザ・スカイ」を再生してもらうと、ひじょうにクリアーで、すっきりしたサウンドが再現される。楽器のはずみも自然で、ややコンパクトではあるが、整った音場が再現されている。

 女性ヴォーカルのシーラ・E では、ベースとヴォーカルが小気味よく響き、ノリの良いサウンドが楽しめる。

 トールボーイ型のEPIKORE 7は、180mmウーファーをスタガー駆動している3.5ウェイ4スピーカーという構成。ダブルウーファー搭載になったこともあり、シーラ・Eの声にも力強さがでてくる印象で、全体的にゆとりが感じられる。松本俊明『月の庭』も細やかな演奏が楽しめる。

画像: マランツ試聴室で、新製品3モデルの音を確認した

マランツ試聴室で、新製品3モデルの音を確認した

 4ウェイ5スピーカーのEPIKORE 9はさらに音場が広くなり、力強さに溢れつつ、細やかな音を奏でてくれる。『月の庭』はスケール感がワンランクアップしているし、「アイ・イン・ザ・スカイ」も演奏の生々しさが際立っている。

 EPIKOREシリーズは、各スピーカーとも素直さ、自然な再現性といった共通の特徴を備えつつ、ユニット数やサイズに応じて音数、スケール感が豊かになっていくと感じた次第だ。EPIKOREシリーズでマルチチャンネルを組んだら、自然な没入空間を楽しめるのは間違いない。2chでもサラウンドでも活躍しそうなハイエンドスピーカーが登場した。

「EPIKORE 3」の主なスペック

●型式:3ウェイ3スピーカー、バスレフ型
●使用ユニット:10✕55mmプレーナー型トゥイーター、35mm Low Lossソフトドーム型トゥイーター、180mm SMCウッドファイバーコーン型ウーファー
●再生周波数特性:42Hz〜34kHz(±3 dB)
●感度:85dB/2.83V/m
●公称インピーダンス:6Ω
●クロスオーバー周波数:2.8kHz、12.5kHz
●寸法/質量:W250✕H470✕D420mm(ゴム足、グリル含む)/22kg(グリル含む)

※EPIKORE 3 STAND
●寸法/質量:W380✕H590✕D400mm/11.5kg(スパイク含む)

「EPIKORE 7」の主なスペック

●型式:3.5ウェイ4スピーカー、バスレフ型
●使用ユニット:10✕55mmプレーナー型トゥイーター、35mm Low Lossソフトドーム型トゥイーター、180mm SMCウッドファイバーコーン型ウーファー✕2
●再生周波数特性:35Hz〜34kHz(±3 dB)
●感度:88dB/2.83V/m
●公称インピーダンス:6Ω
●クロスオーバー周波数:800Hz、2.5kHz、12.5kHz
●寸法/質量:W380✕H1120✕D420mm(スパイク、グリル含む)/40.5kg(グリル含む)

「EPIKORE 9」の主なスペック

●型式:4ウェイ5スピーカー、バスレフ型
●使用ユニット:10✕55mmプレーナー型トゥイーター、35mm Low Lossソフトドーム型トゥイーター、165mm SMCウッドファイバーコーン型ミッドレンジ、200mm SMCウッドファイバーコーン型ウーファー✕2
●再生周波数特性:29Hz〜34kHz(±3 dB)
●感度:88dB/2.83V/m
●公称インピーダンス:4Ω
●クロスオーバー周波数:400Hz、3.1kHz、12.5kHz
●寸法/質量:W422✕H1310✕D554mm(スパイク、グリル含む)/64kg(グリル含む)

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