柚木麻子の小説『早稲女、女、男』を実写映画化した『早乙女カナコの場合は』が、2025年3月14日(金)より全国公開される。3人の女性の悩みをメインに、自分に素直になれない若者たちが自分を認め、一歩踏み出すまでを描いた群像劇。監督は、繊細な心理描写を得意とする矢崎仁司氏が務め、橋本愛、中川大志、山田杏奈、臼田あさ美といった実力を具えた俳優陣らが共演する注目作。ここでは、本作を企画・プロデュースを担当した登山里紗氏に書面形式でのインタビューを実施。原作選定の理由から、映像化への苦労、人物像の造形などについて話を聞いた。本作をより深く理解するためのテキストとして役立ててほしい。
――今回、企画・プロデューサーを務めることになった経緯を教えてください。
知り合いから柚木麻子さん著の小説「早稲女、女、男」を紹介されて読んだら、各章が「立教大学の三千子」「日本女子大学の麻衣子」「学習院大学の習子」「慶應義塾大学卒の亜依子」「青山学院大学のみなみ」「早稲田大学の香夏子」という様々な女性の視点で、それぞれが1歩前に進む成長物語が描かれていてたいへん面白く、同じく東京に住む女性たちを描いた『ストロベリーショートケイクス』が素晴らしかった矢崎仁司監督に、映画化のご相談をしました。
――プロデューサーとしての具体的な仕事内容を教えてください。
始まりは2014年で、映画『無伴奏』でご一緒した矢崎さんに監督を、同じく朝西真砂さんと知 愛さんに脚本をお願いし、このメンバーで脚本開発を進めました。最初の発注の時点で、卒業旅行でメキシコに行くみなみの章は予算にはまらないだろうと判断し、カットをお願いしています。当初は、5人の女性の名前で章立てていたのですが、その後、二番手の長津田が引き立つように、原作から構成を変えました。最終的に、習子もカットして、習子の「水が苦手」という設定を麻衣子の設定に変える、というのも私の案です。
麻衣子と亜依子がそれぞれ決断して、さあカナコは? という群像劇なので、タイトルは、最終的に私が考えた『早乙女カナコの場合は』になりました。原作の「早稲女、女、男」は、第1章「立教大学立石三千子の場合」から第6章「早稲田大学早乙女香夏子の場合」の6人の女性の視点で描かれ、色々な悩みを持つ女性たちが1歩前に進む姿を描いた6章から成る小説だったので、観た人が自分ごととして「自分の場合は」と考えられるように、『わたしの場合は』という案も出したのですが、『早乙女カナコの場合は』が採用されました。「香夏子」を「カナコ」とカタカナ表記にしたのは、「香夏子」という漢字の変換が一発で出てこないので、SNSで漢字を間違えた投稿が増えたらもったいないと思ったからです。のんさんが「幸せカナコの殺し屋生活」というドラマに主演するというのは想定外でした(笑)。
また、原作で描かれていた各大学の“あるある要素”が面白いと思っていたのですが、早稲田が帰国子女のAO入試を始めてから、読者モデルは慶応より早稲田の女子の方が多くなるなど、各大学のイメージと実情が変わってきたり、多様性の時代になってきて、カテゴライズは良くないと判断し、2016年には原作では重要な要素だった「各大学のあるある」をカットすることを決めました。
その度に改稿してくださった皆さんには本当に感謝の気持ちで一杯です。
矢崎さんは、出資集めに重要なメインキャストのキャスティングはプロデューサーに任せてくださるので、主人公の早乙女カナコ役には、『桐島、部活やめるってよ』『さよならドビュッシー』『大人ドロップ』など大好きな映画に出演されてきた橋本愛さんにオファーしました。『PARKS パークス』という映画では、ノーメイクっぽい役を演じていましたし、男性に媚びていないところや、本が似合うところが、カナコ役にぴったりだと思いました。

そして、のちに本作の製作幹事となるmurmurの中村優子さんと当時murmurに所属していた河村麻由さんに売り込んで、企画に乗っていただきました。制作プロダクションのSS工房を紹介したのは私ですが、その他の製作委員会のメンバーを集めてくださったり、同じ柚木麻子さんの原作でのんさんが本作と同じ役を演じている『私にふさわしいホテル』とのコラボなど、ビジネス面を組み立ててくださったのは中村さんです。主題歌の窓口は、murmurチームの仲安貴彦さんにもお手伝いしていただきました。
中村さんが、過去作品で中川大志さんのマネージャーさんとご一緒していたので中川さんにオファーをしてくださり、私が山田杏奈さんにオファーし、インが見えてから、キャスティングディレクター(北田由利子さん)に入っていただきました。

準備期間中に橋本愛さんとお食事する機会を持てたのはよかったと思います。本作のオフィシャルライターは、“オフィシャルライター”というものを今までやったことがなかった児玉美月さんにお願いしたのですが、その意図などもお話しできて、本作のベース部分を共有できてよかったです。2022年に、柚木さんが作家の山内マリコさんと文責を担当した声明「原作者として、映画業界の性暴力・性加害の撲滅を求めます」に、橋本さんがインスタで感謝した時も思いましたが、橋本さんのインタビューに立ち会ってみて、(橋本さんは)柚木さんが原作の本作の主演にぴったりの方だと思います。
脚本をどうビジュアル化するかは監督にお任せでしたが、どのシーンも、段取りと呼ばれる、役者さんが実際の撮影場所で演じてみるリハーサルは必ず立ち会うようにしました。基本映画は、トラブルがなければプロデューサーなしでも問題はなく、撮影中に私が何をしたということはありませんが、細かいところも見るようにしていました。例えば、本編からはカットされた部分に、杉野が「入部四年目にして、ついにチャリクロの舞台に立ちます!」というセリフがあって、同じサークルの部員役のエキストラの方たちは「よかったね!」と反応したのですが、「『よかったね!』じゃなくて、皆も初めて舞台ができるってことですよ」と(状況を)教えるなど、細かいことです。
クランクアップ後も、グレーディング(カラコレ)と(テロップ、エンドクレジットなどの)本編集、音響効果や音楽をFIXするMAも立ち会い、例えば音楽で合っていないと思った部分は、製作委員会の方達にも意見を聞いて監督にフィードバックをお伝えするなど、完成まで責任を持って担当しました。
全部の撮影に立ち会っていることで、キャストやスタッフの各シーンに費やした努力は理解しているつもりで、だからこそ、「本編からはカットされてしまったあのシーンは主題歌のミュージックビデオに使ってほしい!」とリスト化してMVの窓口の方にお送りしたり、改稿の行程も知っているので、「カットされたシーンも含めて、決定稿は世に出したい!」と、月刊シナリオという雑誌への掲載をお願いするなど、完成した1時間59分の映画だけでなく、カットされたシーンも含め、愛おしく感じています。
エンドクレジットで出てくるけれど本編には登場しない三千子の元カレ・篤志とのシーンなど、中嶋イッキュウさんによる主題歌『Our last step』のMVが解禁されたらぜひ、チェックしてみてください。また、パンフレットに掲載されるプロダクションノートも私が書きました。撮影期間だけでなく、企画当初からの変遷や、撮影後のポスプロ(ポストプロダクション)についても細かく書いたので、本作について深く知ることができると思います。ぜひお読みください!

▲企画・プロデューサー:登山里紗
留学中に、フランシス・フォード・コッポラ監督の会社American Zoetropeでインターンシップを経験。その後、国内でアシスタントプロデューサーを経て、2015年に『無伴奏』でメインプロデューサーを務める。以後、『歩けない僕らは』(2018)で2作目のプロデュースを手掛け、本作が3作目のプロデュース作となる。
撮影:大駅寿一
――今回、監督を務めた矢崎仁司氏は、『無伴奏』(2015)でもタッグを組んでいます。矢崎氏起用の理由を教えてください。
矢崎さんの、同じく東京に住む女性たちを描いた『ストロベリーショートケイクス』が大好きなのですが、『ストロベリー~』の登場人物のデリヘル嬢や摂食障害の女性などは、私の状況とは離れすぎていたので、私や多くの女性が直面したことのある状況を描いているこの小説をぜひ矢崎さんに映画化していただきたいと思いました。矢崎さんの映画は性描写のあるものがほとんどですが、「年齢にかかわらず誰でも観覧できる」映倫G区分でも、素敵な映画になるだろうと信じていました。ここまで映画的な映画になったのは、矢崎さんの力量だと思うので、ぜひ原作の小説と比べてみていただきたいです。
――キャスティングについては、何か提案・担当をしていますか?
橋本愛さんを決めてから、のちに本作の製作幹事となるmurmurさんに売り込み、他の役は、他のプロデューサーさんたちとキャスティング打ちで合意できた方にオファーしています。
矢崎さんが、美奈子は可愛い系でなく美形で、口論のシーンもあるのでお芝居も大切だとおっしゃったので、久保田紗友さんを推薦したり、私がパブリシストを担当した『神田川のふたり』という映画で主演されていた平井亜門さんが、会ってすぐの人と仲良くなれる杉野にぴったりだと推薦したりしました。
三千子役などは、オーディションで選ばせていただきました。三千子役に決まった根矢涼香さんは、たまたま原作で三千子が通っている設定の立教大学出身でした!
――柚木麻子さんの原作を映画化しようと思ったきっかけ、理由は? あるいは原作のどこに惹かれたのか教えてください。
原作は、各章の主人公の目から見た香夏子を描いているのですが、皆、香夏子と自分を比較して、香夏子を羨ましく思っているところがあって、そんな香夏子が素敵だと思ったし、同じ独身女性として、亜依子にもめちゃくちゃ共感しました(原作を読んだ時は、自分は香夏子の性質と亜依子の性質半々という印象だったのですが、映画化してみると、麻衣子は意外にきちんとNOと言える子で、自分はカナコより麻衣子に近いかもと思ったりするなど、いろいろな見方ができるのもこの原作の魅力です)。
実は、初めて読んだのは10年以上前で、当時は私自身がフェミニストだと認識していなかったし、どうして自分に刺さるのかや、この小説がフェミニズムをベースにしているというところまで分析できていなかったんです。知り合いの演劇の作・演出をしている方に、私は「フェミフェミしてる」と言われたこともあったのですが、何のことを言っているのか分からなかった位です。それが、2019年4月に上野千鶴子先生が東大の入学式の祝辞で、東大でも東大女子が入れないサークルがあると言って話題になり、この小説がフェミニズムをベースにしていると認識でき、奇しくも、世の興味が「早稲女、女、男」の内容に追いついてきたと感じました。
本作はただの”恋愛映画”と思われがちですが、カナコの部屋や池での“カナコと麻衣子”、“カナコと亜依子”の女性同士のシーンもすごく重要だと思っています。
――原作を映像化する際に、どのようなアレンジを行なっていますか。
先にご説明した各大学のあるある要素とみなみと習子のカット以外だと、murmurさんから、特に主人公のカナコと長津田の出会いから10年後のシーンが、令和の今だとリアリティがないと指摘していただき、10年後のシーンの設定を2024年として、少々変えました。助監督が矢崎さんと、各シーンが何年何月か細かく設定していきましたが、矢崎さんは、衣装などは、当時の流行りなどに寄せなくていいとおっしゃっていたので、『花束みたいな恋をした』のような、その時々の時代・カルチャーを反映したような映画にはしていません。
手帳などの小道具に何年の設定と出てはきますが、前のシーンから何年飛んだかなど時間の流れが分かれば充分なので、テロップでは意図的に何年かというのは出していません。普通の映画では描くであろう、「告白されるシーン」「付き合い始めるシーン」などがシーンとしてはないので、時間の飛び方が独特の映画だと思います。
また、原作は各章の主人公の目から見た香夏子を描いていますが、映画では章立てはせず、カナコの心情も冒頭から描いていったので、そうすると、“大学1年の時から付き合ってきたダメ男の長津田と、告白してくれたハイスペックな吉沢とどちらか選べない"というのが悩みなのではなく、カナコの根本的な問題は、親友の三千子にだけ吐露した、人がどう思うかを気にしてしまうという過剰な自意識だということが、原作よりは分かりやすくなったと思います。
原作は女性たちの視点から描いていたので、特に長津田のことを好きな麻衣子以外の章だと長津田はいけすかない男に感じられたかと思いますが、murmurさんからのリクエストもあり、改稿時にさらに長津田の描写も増やしてもらいました。それに加えて、中川大志さんが人間味を加えてくださったので、原作や脚本を読んだ後に完成した映画を観た方には、「中川さんが演じたことで、長津田がチャーミングになった」と言っていただけています。中川さんに聞いたら無意識だったようですが、長津田が少々キザなことをしたりする時に、さっとやるのではなく、直前に、一口お酒を飲んでからやるというワンクッションが入ったことで、人間味が出て、チャーミングに感じます。そこをカットしてしまう編集の方もいらっしゃるかと思いますが、そういう余白を残してくださる目見田健さんの編集も素晴らしいです!
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実は、原作では、カナコと亜依子がナンパされそうになった時にカナコが、「私達、二人とも死ぬ気で就活してきたんです」と言って、男性二人を追い払うという場面があったのですが、亜依子を30代にしたため、同じセリフにはできず、カナコが、亜依子にセクハラ・パワハラをしてくる大御所の作家から亜依子を守るというシーンを知 愛さんに書いていただいたのですが、(脚)本打ちでカットされてしまったのは、痛恨の極みです。フジテレビ問題で揺れる今の日本に、セクハラ・パワハラから同じ女性を守るシーンを提示できたら、救いになったのではないかと思います。
あとは、原作にはヘルメットの色はなかったと思いますが、私はいつも女性が赤かピンク、男性は青と決まっていることに違和感を覚えているので、脚本でヘルメットはカナコが青、長津田が緑としていたら、衣装もカナコは青系の衣装が多くなって、嬉しく思っています。ちなみに、カナコはワンピースを持ってなくて、着ている時は、同居している親友の三千子に青系のワンピースを借りている、という設定です。
――作品としてはカナコをメインに、主に3人の女性の悩みに焦点をあてて進んでいきます。男から見てある程度分かりやすく表現されていますが、主役のカナコについては、当人を通しての悩みが分かりづらいです。演出の意図を教えてください。
麻衣子は、自分が好きな人(長津田)が明らかに元カノ(カナコ)を引きずっているという分かりやすい悩みがありますが、麻衣子は、「長津田との恋がどうなるかという話」というよりは、ルッキズムの問題を体現する存在です。私も10代の頃、ファッション誌や好きなモデルに影響されすぎて、似合いもしない髪型にした経験があります。失敗して教訓を得たので、無駄ではなかったと思いますが、そういう自分らしさが分かってくる時期をドラマチックに描いていると思います。
亜依子は30代になり、周りが結婚していく中、結婚計画が白紙になったという悩みがありますが、亜依子の場合も、「結婚を視野に付き合っていた吉沢とどうなるかという話」というより、『五年先のプランのために今すべきこと』を考えて逆算で行動してきた女性が、自分にはコントロールできないことにぶち当たり、どう成長するかという物語です。
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カナコの悩みは、先ほど説明したように、「大学1年の時から付き合ってきたダメ男の長津田と、告白してくれたハイスペックな吉沢とどちらか選べない」というのが悩みなのではなく、人がどう思うかを気にしてしまうという過剰な自意識ですが、あそこまでこじらせている人も珍しいので、万人に分かりやすい・理解しやすい悩みではないと思います。劇中、せっかく親友の三千子にヘアアイロンで髪を巻いてもらったのに、同じく髪を巻いた麻衣子を見て、ゴムで結んでしまうシーン等がありますが、カナコはその過剰な自意識についてセリフではあまり吐露せず、長津田と親友の三千子くらいしか気づいていないので、そこまで分かりやすくないと思います。そこが理解できないと、ただの優柔不断な女の子に見えてしまうかもしれません。
――一方で男の悩み、特に長津田については、他人があの人(長津田)はこういうことで悩んでいる、という発言はありますが、本人が悩みを口にするのは終盤になってからです。私の読解力がないからなのですが、悩んでいるというより、カッコつけているというか、逃避しているように見えます。その演出の狙いは?
女性たちと同じく、長津田についても基本原作の性格を踏襲していて、大学4年で卒業して就職するカナコとの対比で、モラトリアムの象徴のような役です。大学時代の長津田は、演劇部の部長ですし、芝居じみていてカッコつけています。セリフの通り、社会人になったから大学時代の自分のことを振り返って当時の自分の行動の理由が分かったのだと思います。劇中でも長津田は、最初はカッコつけているので、試写を観た方も、「最初は乗れなかった」とおっしゃる方もいますが、三千子との橋のシーンから弱さを見せるようになり、(映画の登場人物として)魅力的になっていくと思います。
――もう一人の男性・吉沢については、物分かりがよすぎるように見えます。この人物の登場理由(原作にいるのでしょうが)を、教えてください。
吉沢は、原作にも登場する、ダメ男の長津田の対比となる、ハイスペックな理想的な男性です。カナコと吉沢の墓地でのシーンが2回ありますが、2つ目のシーンで、それまで二次元だった吉沢が三次元になるので、そこに注目して観ていただければと思います。
――本作は10~30代の女性をターゲットにしているように感じます。登山さんの思うターゲット、見てほしい、感じてほしいポイントがあれば教えてください。
大学1年生の麻衣子は、“男性にモテる服やヘアメイク”などを真似していて、大学4年生のカナコは、自意識が過剰で人がどう思うかを気にしすぎていて、30代の亜依子は、結婚は早い方がいいという世間体や自分自身の計画性に縛られていて、自分らしさや自分の本当の気持ちや現実が見えなくなってしまい、生きづらい思いをしています。特にSNSで“映え”が競われる時代になって、さらに人と比べて窮屈な思いをしている人もたくさんいると思います。本作のメインターゲットは3人と同じ10代、20代、30代の女性ですが、本作では男性の生きづらさにも触れていますし、男性も感じるものがあると思います。ぜひ彼女たちが殻を破って一歩踏み出す姿を見て、無理せず自分らしく生きるヒントにしてほしいです。
と言う私も、「何のために、誰のために白髪染めをしているのだろう」と思うこともあるので、40代になっても麻衣子と変わらないではないか、と思うこともあります(笑)。私の場合は、大学時代にフランス人の友達とした、「黒髪を茶髪に染めない」という約束を今も忠実に守って、日本人らしさを追求しているというところがありますが。本作が描いていることは、広い視野で見れば、10代、20代、30代の女性特有の悩みではなく、もっと普遍的なことを描いていると思うので、そこまで感じ取っていただけると嬉しいです。
――3本目のプロデュース作の感想をお願いします。
麻衣子、亜依子が、それぞれ一歩踏み出して、さあカナコは? という映画ですが、麻衣子役の山田杏奈さんと亜依子役の臼田あさ美さんが、それぞれのプロットのラストで清々しい表情を見せてくださったこともあり、何度観ても、観終わった時には清々しい気持ちになれる作品になったと思います。音響効果も、東京生まれの私だとびっくりするような、山梨在住の矢崎監督ならではの東京の表現になっていますし、ぜひ映写環境、音響環境が良い映画館でご覧いただきたいです。観終わった後に、どの役に一番共感したかなど、話が盛り上がる作品なので、ぜひお友達を誘って観てください。
映画『早乙女カナコの場合は』
2025年3月14日(金)、新宿ピカデリー ほか全国公開
【あらすじ】
大学進学と同時に友達と二人暮らしを始めた早乙女カナコ。入学式で演劇サークル「チャリングクロス」で脚本家を目指す長津田と出会い、そのまま付き合うことに。
就職活動を終え、念願の大手出版社に就職が決まる。長津田とも3年の付き合いになるが、このところ口げんかが絶えない。長津田は、口ばかりで脚本を最後まで書かず、卒業もする気はなさそう。サークルに入ってきた女子大の1年生・麻衣子と浮気疑惑さえある。そんなとき、カナコは内定先の先輩・吉沢から告白される。
編集者になる夢を追うカナコは、長津田の生き方とだんだんとすれ違っていく。大学入学から10年――それぞれが抱える葛藤、迷い、そして二人の恋の行方は――。
<キャスト>
橋本愛
中川大志 山田杏奈
根矢涼香 久保田紗友 平井亜門 /吉岡睦雄 草野康太/ のん
臼田あさ美
中村蒼
<スタッフ>
監督:矢崎仁司 原作:柚木麻子『早稲女、女、男』(祥伝社文庫刊) 脚本:朝西真砂 知 愛 音楽:田中拓人 主題歌:中嶋イッキュウ「Our last step」(SHIRAFUJI RECORDS) 製作:石井紹良 髙橋紀行 宮西克典 プロデュース:中村優子 金 山 企画・プロデューサー:登山里紗 プロデューサー:古賀奏一郎 撮影:石井勲 照明:大坂章夫 音響:弥栄裕樹 美術:高草聡太 装飾:杉崎匠平 編集:目見田健 衣裳:篠塚奈美 ヘアメイク:酒井夢月 キャスティング:北田由利子 助監督:古畑耕平 制作担当:福島伸司 宣伝協力:FINOR 製作幹事:murmur KDDI 配給:日活/KDDI 制作:SS工房 企画協力:祥伝社
2024/日本/DCP/2:1/5.1ch/119min 映倫区分:G
(C)2015柚木麻子/祥伝社
(C)2025「早乙女カナコの場合は」製作委員会
- YouTube
youtu.be中嶋イッキュウ 公式X
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