アーク・ジョイアでは、スイス Soulution(ソウリューション)の最上位ラインである7 シリーズから、フラッグシップ・フォノ・プリアンプ「757」(¥13,200,000、税込)を12月13日に発売する。
757は、ノイズ成分を限りなく抑制しながら優れた周波数特性とコモンモード除去比を達成する事で、レコードの微弱な音楽信号再生において理想的な性能を有している。
入力段は、ノイズ性能を損なうことなくコモンモード除去を改善し、接続されたMM及びMCカートリッジの要件に応じて、抵抗値および容量負荷を最適化することができる。また、アナログのような微弱な音楽信号を扱うフォノ回路において、ノイズはできる限り少ない事が理想となる。広帯域幅(2MHz)で最適なコモンモード除去を実現する並列の計装アンプにより、きわめてわずかな音楽信号においても、損失なく伝送をする事が可能となっている。入力インピーダンスや負荷容量を細かく調整できる事で、多くのカートリッジやシステム、好みに合わせて正確に適合可能という。
接続端子は、MC、MMの他にオープンリールのためのテープ入力も搭載。入力部のひとつ(RCA)は、DS Audioの光カートリッジ専用となる。光カートリッジの出力信号を最適に受信するための広帯域トランスインピーダンスアンプを備えている。
古い録音のレコードの場合、正しいディエンファシス曲線(イコライザーカーブ)で再生する事で、理想的なサウンドを堪能する事ができる。757では、ほとんどのアナログレコードに用いられるディエンファシス曲線に対応。その実測値は、理想カーブと比較し、20Hz〜20kHzの範囲においてわずか+/-0.05dBの偏差しかないそうだ。
プリアンプ部には、ボリュームコントロールではなく、ゲイン・コントロールが搭載されている。一般的なフォノ・プリアンプは、最初に固定ゲインで信号を高レベルまで増幅し、次にボリュームコントロールにより希望の再生レベルまで減衰しているため、音楽信号は余計な回路を経由してしまう。
これに対し757では、ボリュームコントロールはなくゲインコントロールを搭載し、音量レベルを調整する際は、システムや環境にあった必要なだけのゲインを増減する。こうすることで、入力信号に対して最大限に純度の高い理想的なアナログ再生を実現しているわけだ。
電源部は、プリアンプの「727」と同じ回路を搭載。従来モデルではリニア電源を使用していたが、本機の電源部はスイッチング電源(SMPS)を介し、高効率のDC-DCコンバーターと、低ノイズで高速なリニア・レギュレーターによって、動作に必要な電源電圧を生成している。そのリニア・レギュレーターは、各電流シンク(オペアンプ、トランジスターなど)の隣に配置する事で、アナログ電源のノイズレベルが最低になり、信号パスも最短になっている。
「757」の主なスペック
●接続端子: MM/MC&テープ入力✕2(XLR、RCA)、光カートリッジ✕1(RCA)、アナログ出力3系統(XLR×2、RCA)※アナログバランス(XLR)出力は、2番ホット
●入力インピーダンス:MC 10Ω〜1,270Ω、MM 47kΩ、Tape head 20kΩ〜100kΩ
●出力インピーダンス:0.8Ω(XLR)、0.4Ω(RCA)
●周波数特性:0Hz〜2MHz
●S/N:110dB以上
●対応可能なディエンファシス曲線
レコード:RIAA、DECCA、コロンビア、ロンドン、TELDEC、NARTB
テープ:IEC2-30ips、IEC1-15ips、IEC1-7.5ips、NAB-15ips、NAB-7.5ips
●消費電力:60W(スタンバイ時 0.5W以下)
●寸法/質量:W480×H167×D450mm/28kg