今年8月31日まで実施されていた、「レンタルビデオ 黄金時代が甦る! <あなたのリクエストで初ディスク化>」キャンペーン。StereoSound ONLINEではこの取組に注目し、逐一推移を追いかけてきた。結果として10作品中6タイトルが成立し、貴重な作品が手に入ると喜んだファンも多いだろう。一方でこういった形でブルーレイが発売されることに、一抹の寂しさを感じる人もいらっしゃるかもしれない。今回はそんなパッケージソフトを巡る現状について、映画ファン、パッケージ愛好家の立場から語り合ってみた。メンバーは、酒井俊之さんと飯塚克味さんのおふたりだ。(StereoSound ONLINE編集部)

「レンタルビデオ 黄金時代が甦る!<あなたのリクエストで 初ディスク化>」キャンペーン

 今回の企画は、ユニバーサル映画のカタログライブラリーから、主に80年代から90年代にVHSで発売されながら、DVD/ブルーレイで再発売されていない “本邦 未DVD&未Blu-ray(未ディスク化)”10作品のブルーレイ商品について、Amazon.co.jpで500枚以上の予約注文が入れば 商品化されるという「条件付き予約受注販売」だった。

 8月31日の期間でディスク化が成立したのは、10作品中6タイトルでそのタイトルは別掲の通り。Amazonではしばらくの間これらのブルーレイの販売を継続しているそうなので、買い忘れていた! という方はポチッとしてはいかがだろう。価格はそれぞれ¥4,980(税込)。

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――今日は、先日開催されて話題となったNBCユニバーサルとアマゾンによる「レンタルビデオ 黄金時代が甦る! <あなたのリクエストで初ディスク化>」キャンペーンについて、酒井さんと飯塚さんのおふたりで語り合っていただきたいと思っています。

 今回のキャンペーンは、パッケージソフトの販売方法についての新提案だと思います。おふたりともパッケージ愛好家ですが、酒井さんは近年配信にも注目していて、一方飯塚さんは相変わらずパッケージソフトを熱心にコレクションしているとのことです。まずはそれぞれの立場から、今回の取り組みをどのように感じているかについてお話し下さい。

飯塚 実は、初めてこのキャンペーンのニュースを見た時に、自分のSNSに “これからはこういう時代だ” と書いたんです。それくらい、パッケージソフトのメーカーが切羽詰まっているっていう状況を感じていました。

酒井 “こういう時代” というのは、パッケージソフトについて “いよいよこう情勢になってきた” と危機を感じた、ということですね?

飯塚 うがった見方かもしれませんが、今回のキャンペーンではブルーレイのパッケージは、少なくとも500枚は売れないと商売として成立しないっていう風にメーカーが暴露しているわけですよ。今までもそこまで売り上げが届かない作品はたくさんあったんでしょうが、そういう厳しい中でもヒット作で帳尻を合わせてきていたと思うんです。しかし、もはやそういうことも言っていられない、余裕がなくなってきている感じですね。

酒井 確かにそれは僕も同じ印象かなぁ。“いよいよこういう時代が始まるのか” という受け取り方もできたし、この10年ぐらいパッケージの販売が厳しいと言われてきた、その “終わりの始まり” がこれなんだな、と思いました。

 同時に、それでもパッケージを出そうという思いがある、しかもユニバーサルというハリウッドメジャースタジオがこの期に及んでパッケージにこだわったことに驚きました。しかもビデオレンタル時代の作品を集めましたっていう、あまりにピンポイントの企画(笑)。すごく攻めているなぁと。

画像: 『デビルゾーン』(11月6日発売)  ●1983年/1984年公開/1984年ビデオリリース ●映像:ビスタ(16:9) ●音声:DTS-HSマスターオーディオ(英語モノーラル) ●新規日本語字幕 ●映像特典:オリジナル劇場予告編

『デビルゾーン』(11月6日発売)
 
●1983年/1984年公開/1984年ビデオリリース
●映像:ビスタ(16:9)
●音声:DTS-HSマスターオーディオ(英語モノーラル)
●新規日本語字幕
●映像特典:オリジナル劇場予告編

飯塚 宇多丸さんがラジオで今回のキャンペーンについて語っていたんですが、その時にこの10タイトルってどの世代の人にも売れるんだろうか? と話していました。僕はレンタルビデオ世代なので全部のタイトルを見ていますが、あの宇多丸さんでさえも10タイトルすべては知らなかったそうです。そう言われると、世代がちょっとずれただけで、どんな作品なのかわからないという人たちも多かったのかなっていう気もしました。

酒井 僕はこのあたりの作品がレンタルされていた頃に、ビデオ店でアルバイトをしていたんですが、その時の印象だと、メインターゲットは僕よりちょっと下の世代、今の50歳前後かなと感じています。

 例えば『バイオニック・ウォーズ/帰ってきたバイオニック・ジェミー&600万ドルの男』などは、僕らの世代はリアルタイムで『バイオニック・ジェミー』や『600万ドルの男』のテレビ放送を見ていたので、ディスク化の成立は早いのでは? と思っていたんです。でも、駆け込みで最終的に商品化が決まったあたりに、今回のキャンペーンに反応した世代の違いを感じています。

――今回はHDマスターがあって、かつ日本語字幕データも存在するという、それなりに厳しい条件を満たしたタイトルから頑張って選んだんだろうなっていう気はしています。

酒井 音楽ソフトでも、既にマスターがある作品について一定数の予約が集まればCD化するといった企画は昔からありましたよね。でも、音楽にしろ映画にしろ、そんなタイトルばかりじゃない。あまり売れてはいないけれど、その作品がどうしても欲しいというファンは必ずいる。そういう人たちの気持ちに応えるという意味では、今回のアプローチは正しいと思うんです。メーカーも過剰な在庫を抱える必要もなく、ディスクが欲しい人には必ず手に入る。Win=winの関係で、理に叶った企画ではないでしょうか。

 これがインディペンデントメーカーであれば、クラウドファンディングで支援を集めるというやり方などもありますが、ハリウッドメジャー作品となると、そうもいかない。でもアマゾンのような力のある販売ルートと組むことで商品化が可能になるならば、メーカーを問わず、こういう方法でニッチな作品をリリースできる機会が増えればいいな、と思っています。

画像: 『タイムリミットは午後3時』(11月6日発売)  ●1987年/未公開/1989年ビデオリリース ●映像:ビスタ(16:9) ●音声:DTS-HSマスターオーディオ(英語2.0ch) ●新規日本語字幕 ●映像特典:オリジナル劇場予告編

『タイムリミットは午後3時』(11月6日発売)
 
●1987年/未公開/1989年ビデオリリース
●映像:ビスタ(16:9)
●音声:DTS-HSマスターオーディオ(英語2.0ch)
●新規日本語字幕
●映像特典:オリジナル劇場予告編

飯塚 近年は、ハリウッドメジャースタジオでも日本盤ブルーレイのリリースが激減していますからね。逆にアメリカやイギリスでは独立系メーカーが積極的に色々なタイトルを出してくれるので、これは! という作品は海外盤を注文してしまうことはあります。今回のタイトルで言えば、『デビルゾーン』とか『ボーデロ・オブ・ブラッド/血まみれの売春宿』などは輸入盤ブルーレイで買っちゃいました(笑)。

 『ボーデロ・オブ・ブラッド』といえば、今回リリースが決まった効果か、前作の『デーモン・ナイト』も増産されたようですね。

酒井 やはり少なからず、業界にいい影響が起こるわけですね。

――いわゆるホラー系の作品はコレクターも多いので、今回のキャンペーンでも、比較的早い時期に成立していましたね。

飯塚 『FM』や『バイオニック・ウォーズ』は、酒井さんの記事がなかったら広く知られることもなく、ディスク化も難しかったかもしれません。

酒井 個人的には、この企画は少しでも広く知られないとダメだし、その一助になればいいと思っていたんです。『FM』は、サントラは馴染み深いんだけど、そもそも本編を見たことがなかったので、ぜひ見てみたいという思いがありました。

飯塚 ディスクの価格も悩ましいですよね。今回は1枚¥4,950で500枚売れたらディスク化という条件でしたが、1枚¥2,500で1,000枚という形は難しかったのでしょうか?

酒井 1,000枚という数字はかなりハードルが高いような気もします。HDマスターは既にあるにしても、日本語字幕を入れるなどのオーサリング作業やディスクのプレス、ジャケット、スリーブの製作費などが必要になります。それらのコストを考えると、1枚¥4,950という価格はけっこうぎりぎりなのかも知れませんね。

画像: 『ビデオゲームを探せ!』(11月6日発売)  ●1984年/未公開/1986年ビデオリリース ●映像:ビスタ(16:9) ●音声:DTS-HSマスターオーディオ(英語2.0ch) ●新規日本語字幕 ●映像特典:オリジナル劇場予告編

『ビデオゲームを探せ!』(11月6日発売)
 
●1984年/未公開/1986年ビデオリリース
●映像:ビスタ(16:9)
●音声:DTS-HSマスターオーディオ(英語2.0ch)
●新規日本語字幕
●映像特典:オリジナル劇場予告編

飯塚 あくまでも購入者側の意見ですが、6枚オーダーして全部成立しちゃったら、3万円近い予算を確保しておかなくてはいけませんから、そこも悩みどころだったと思うんです。

 結果的に、『ボーデロ・オブ・ブラッド』『FM』『バイオニック・ウォーズ』の3タイトルが11月27日に発売日が変更になりましたが、コレクターにとってはよかったかもしれません。

酒井 飯塚さんは、今回のディスクの仕様はどう思われましたか?

飯塚 画質はHDなので、海外盤と同じだと思います。そこは予測がつきますが、音声はどうなのかなどは気になっていました。昨日発表されたスペックではDTS-HDマスターオーディオで、2.0chと5.1ch作品が混在しているようですね。これはオリジナルマスターをそのまま収録しているということなのでしょう。

 あと、特典でオリジナル予告編を収録してくれたのはファンには嬉しいポイントでした。本来はこのあたりについてもうちょっとていねいに紹介してくれる解説ページがあったら、予約も伸びたのかもしれませんよ。

酒井 飯塚さんがお持ちの海外盤には、予告編以外の特典映像も入っているんですか?

飯塚 『デビルゾーン』にはプロデューサーらの音声解説が、『ビデオゲームを探せ!』はメイキングなどの特典がひじょうに充実しています。ただ、そもそも海外ではユニバーサル以外のスタジオから発売されていることが多いので、特典映像の権利をユニバーサルが持っていない可能性もあるんです。そうなると日本盤にそれらの特典を収録するのは難しいでしょう。

――そもそもわれわれ(50代後半〜60代)は、ビデオやLD(レーザーディスク)で映画をコレクションできるようになった最初の世代でした。だからお気に入り映画を所有していたいという思いも強い。しかし最近は、映画を見る手段が増えてきたが故に、作品を所有して繰り返し見直すといったことも少なくなってきたのかもしれません。

酒井 逆に考えると、映画を楽しむための選択肢は増えていますよね。30 年前はビデオかLDしかなかったけど、その後DVDやブルーレイが出てきて、今はデジタルセルやサブスクが加わった。そう考えると、好きな映画を好きな時に見るという機会は意外と減らないんじゃないかと楽観視しているんです。もちろん再生手段はディスクではなくなっていくんでしょうが……。

画像: 『ボーデロ・オブ・ブラッド/血まみれの売春宿』(11月27日発売)  ●1996年/未公開/1997年ビデオリリース ●映像:ビスタ(16:9) ●音声:DTS-HSマスターオーディオ(英語5.1ch)、DTS(日本語2.0ch) ●新規日本語字幕 ●映像特典:オリジナル劇場予告編

『ボーデロ・オブ・ブラッド/血まみれの売春宿』(11月27日発売)
 
●1996年/未公開/1997年ビデオリリース
●映像:ビスタ(16:9)
●音声:DTS-HSマスターオーディオ(英語5.1ch)、DTS(日本語2.0ch)
●新規日本語字幕
●映像特典:オリジナル劇場予告編

飯塚 パッケージについては、日本国内では是空とかスティングレイ、フィールドワークスといったインディペンデントメーカーが頑張ってディスクを出してはいるけど、売上としてはなかなか厳しいところもあるんじゃないかなって思います。

酒井 海外ではUHDブルーレイが発売されているのに、日本ではブルーレイしかないということもままありますから、そのあたりももどかしいですよね。パッケージコレクターにとっては、日本ではインディペンデントメーカーが最後の砦ということになりかねませんね。

 実はデジタルセルも同じような状態で、USやUKのiTunes Storeでは4K版が出ているのに、日本では4K版がないタイトルも目につきますので、ここもなんとかして欲しいところです。

――ちなみに酒井さんは、配信よりディスクのほうが映像や音声のビットレートが高いという点は気になりませんか?

酒井 ディスクで見たい、つまり最高のクォリティを求めたい映画、配信で満足できる映画、エアチェックでもいい作品があるわけで、自分自身の好みによって使い分けているという感じです。

 最近は “これはディスクで欲しい” と思わせてくれるタイトルが減ってきているんです。10代の頃に夢中になった作品は、UHDブルーレイが発売されたら海外盤であっても手に入れたくなるんだけど、ちょっと見ておこうかな、という程度ならサブスクで充分だったりしますよね。

――飯塚さんは、ご自身が今でもパッケージソフトを集め続けているモチベーション何だとお考えですか?

飯塚 習慣と言ってしまったらそれまでですが(笑)、僕が集めている作品は旧作が圧倒的に多いんです。つまり、そもそも配信から除外されているタイトルなので、それをホームシアターで楽しむことができるのは、パッケージしか選択肢がないと思っています。

 僕自身は輸入盤であっても、英語字幕があればなんとか理解できるんですが、友達と一緒に見たり、ディスクを貸したりするには、やっぱり日本盤の方がいいですよね。未だに大学生の頃みたいに、友達同士でソフトの貸し借りをしていて、お互いにこれがいい、あれがいいっていう話をしているんです。

画像: 『FM』(11月27日発売)  ●1978年/未公開/未VHS ●映像:スコープ(16:9) ●音声:DTS-HSマスターオーディオ(英語5.1ch)、リニアPCM(英語2.0ch) ●新規日本語字幕 ●映像特典:オリジナル劇場予告編 ●ミュージックチャプター仕様

『FM』(11月27日発売)
 
●1978年/未公開/未VHS
●映像:スコープ(16:9)
●音声:DTS-HSマスターオーディオ(英語5.1ch)、リニアPCM(英語2.0ch)
●新規日本語字幕
●映像特典:オリジナル劇場予告編
●ミュージックチャプター仕様

――商売の規模として、メジャースタジオとインディペンデントメーカーでは求める収益の規模も大きく違います。現在はそれだけの売上が見込めないというのも、メジャースタジオがディスクを出しにくくなっている一因なんでしょうか。

酒井 買う側の世代交代もあると思うんです。今まで僕らがパッケージのメインユーザーでしたが、最近はもっと若い世代に移っているんじゃないでしょうか。そんな印象はありません?

飯塚 若い人たちはパッケージソフトというと、せいぜいDVDで、LDなんて見たこともありませんからね。僕の娘も映画館にはよく行きますが、自宅ではサブスク・オンリーです。パッケージを買うということに関して、お財布の紐は硬いかもしれません。

 ただ一方で、僕の知り合いには映画が好きでたまらない、学校に行って映画の勉強をしているといった若者もいるんです。彼らはちゃんとディスクを買っていたりして、びっくりしました。割合的には昔ほど多くないでしょうが、若いディスク愛好家がいないわけじゃないんです。

酒井 そういう人たちが、今回の企画に賛同してくれたのもしれませんね。

飯塚 今回のキャンペーンページのレビューを見てみると、海外盤も持っているけど、やはり日本語字幕が欲しいといった書き込みもあって、熱心な人は本当に熱心だなと感心していました。

酒井 しかし、500枚のディスクを売るというのが、もう本当に難しいんだということが、今回のキャンペーンの動きを見てよくわかりましたね。

飯塚 インディペンデントメーカーも今回の企画に結構反応していて、「うちが出しているタイトルは500枚に届かないですよ」っていうようなことを公言しているメーカーもありました。

酒井 たとえばユニバーサルでは、以前は直販限定でスチールブックを販売していましたよね。僕も『ジョーズ』を迷わず買っちゃいましたが、もうあんな企画もなくなりました。

画像: 『バイオニック・ウォーズ/帰ってきたバイオニック・ジェミー&600万ドルの男』(11月27日発売)  ●1989年/未公開/1992年ビデオリリース ●映像:スタンダード(TVサイズ) ●音声:DTS-HSマスターオーディオ(英語モノーラル) ●新規日本語字幕

『バイオニック・ウォーズ/帰ってきたバイオニック・ジェミー&600万ドルの男』(11月27日発売)
 
●1989年/未公開/1992年ビデオリリース
●映像:スタンダード(TVサイズ)
●音声:DTS-HSマスターオーディオ(英語モノーラル)
●新規日本語字幕

飯塚 メジャースタジオとして、これくらいの売上がないと事業は継続できませんっていう基準があると思うので、そこに達しなかったとか、そういうことが原因かもしれないですね。

 話は変わりますが、今回のキャンペーンではディスク発売成立後に予約が伸びたタイトルもそれなりにありましたね。

酒井 11月6日で予約受付終了というわけでもありませんでしたし、これで安心して予約できると思った人も多かったのでしょうね。

――ユニバーサルによると、販売期間の制約はないので、しばらくは各タイトルとも販売を継続するようです。アマゾンから追加オーダーが入ればユニバーサルとしては当然プレスもするでしょうし。

飯塚 アマゾンも、在庫が少なくなってきたら残りの数を発表すればいいと思いますよ。そうすればバーッと売れちゃって、完売したりするんです。そんな風に、メーカーが自分たちの製品を売るために努力するのは大事だと思います。

――さて、今回は10作品6作品のディスク化が成立しました。それなりの好結果なので、今後同様のキャンペーンが開催される可能性もあると思います。その場合、おふたりはこのタイトルが欲しい、とか思いつくものはありますか?

酒井 ユニバーサル作品で選ぶなら、海外では既にKino Lorberからリリースされることが発表になっている『ザナドゥ』に期待したいです。同じく海外ではリリース済みの『ストリート・オブ・ファイヤー』も国内盤で出てもいいタイトルでしょう。今回と同様の企画で、どれくらい支持が集まるものなのか見てみたいんです。

飯塚 僕が熱望しているのは、『時計じかけのオレンジ』の初公開時の字幕版ですね。初公開は高瀬鎮夫さんの字幕だったんですが、その後VHSになる時に原田眞人監督が監修して、以後そのバージョンが使われています。それぞれロシア語っぽいなまりだったり、原作本の翻訳に合わせたりといった具合で、日本語としての表現が変わっているんです。こういった面白さを、パッケージソフトで楽しめたらいいなぁと。

画像: 以前から親交の深い酒井さん(左)と飯塚さん(右)。今回はリモートで対談していただいた

以前から親交の深い酒井さん(左)と飯塚さん(右)。今回はリモートで対談していただいた

酒井 字幕にこだわる人もいれば、吹き替えの収録を楽しみにする人など、それぞれ重視するポイントは違いますよね。

飯塚 色々な楽しみ方があってもいいと思うし、それを堪能できるのがパッケージのいいところなんですよ。

――パッケージの発売方法は、今後こういったリリース形式もあり、ということになっていくのでしょうか?

飯塚 というか、パッケージディスクは、こういう売り方が主流になっていくんだろうなと思っています。

酒井 ディズニー/20世紀スタジオ、SPEなどのハリウッドメジャースタジオのパッケージへの取り組みを見ていると、もう既にディスクリリースのための負担を減らす方向にかじを切ったという印象は間違いなくあります。

 インディペンデントメーカーが、独自の企画としてディスクを出すというケースは今後も続いていくかもしれませんが、ハリウッドメジャーがすべての作品をリリースすることは、もう期待できない。今回のようなスタイルや枚数限定販売など、ディスクメディアは本当に欲しい人だけに届けるといった形になっていくんじゃないでしょうか。

――われわれにとって一番困るのは、UHDブルーレイであれブルーレイであれ、ディスクが発売されないということです。ハリウッドメジャーに限らず、パッケージソフトの発売が微妙な場合には、今回のような形でファンに広くアピールする、そんな習慣が定着してくれるように期待したいですね。

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