結婚に恋愛は不必要? 刺激的なタイトルが話題の『恋愛終婚』(レンアイオワコン)が、いよいよ10月18日に公開を迎える。結婚に、恋愛に悩みを持つ8人の男女が、それぞれの持つ結婚観、自身のコンプレックスに振り回されながら、真実の結婚を実現するために奮闘する群像コメディだ。ここでは、主役・永田遥を演じた秋月三佳にインタビューを実施。役作りの秘訣から、自身の結婚観まで聞いた。

――いよいよ主演作が公開となります。おめでとうございます。タイトルからはポップな作品を想像していましたけど、なかなかにクセのある登場人物が揃っていました。
 ありがとうございます。そうですよね。登場人物それぞれに乗り越えないといけない壁がいくつもありましたから。

画像1: 映画『恋愛終婚』に主演の「秋月三佳」にインタビュー。「結婚に本当に必要なものに、この作品を通して気付いてほしい」

――初めて台本を読んだ時は、どんな印象でしたか。
 まず、私の演じた永田遥についてお話すると、最終的に選んだ相手の家族には、そういう背景があるんだっていうことを知って結婚するわけですから、その家族を受け止められるだけの度量のある子を演じようと思いました。

――なかなかに難しいですね。
 そうですね、かなり難しかったです。

――さて、本作への出演の経緯と、作品の感想をお願いします。
 出演については、岡元監督にお声がけいただいて決まりました。作品については、最初は、『恋愛終婚』というタイトルから、ちょっとネガティブなお話なのかなとか、未来がどうなるのか分からないような内容なのかなと思っていましたけど、台本を読ませていただくと、本当にテンポがよくて、登場人物も豊かですし(笑)、すごく面白い作品と感じて、感動しました。

 ということもあって、遥を演じる上では、一世一代というか、人生の大きなターニングポイントである結婚を(遥は)どうしたいのかを明確に演じようと思いました。

――そこには、ある程度ご自身も反映されている?
 少しは入っています。けど、私が結婚相手を見つけるのは、遥ちゃん以上に難しいことだなと思っています。

 遥は基本(結婚に対して)ポジティブですし、婚活についてレクチャーしてくれる一輝(濱 正悟)がいて、どんどん成長していって、最後は自分を見つめられるようになり、本当に大事なものは何なのかっていうところまで短期間で行きつけるんです。それについては私も演じながら感動していましたし、夢があるなぁ~、希望があるなぁ~と思いました。

 私自身も、結婚相手を見つけられたらいいなと思える年齢にはあるので、何かハードルがあったとしても、カップルで話し合いながら乗り越えていくという姿は羨ましいですし、それがあってやっと結婚できるんだと思います。

――ちなみに、遥以上に難しいとは?
 私の場合は、90歳まで向き合える人を選ぶべきだと思っているんです。結婚は、かなり覚悟がいることなので、外見が変わっても愛してくれる人。そういう人見つけたいじゃないですか。生涯を通して向き合って、お互い切磋琢磨しながら生きていくのが理想です。

――相当な長生きを想定されているんですね。さて、少し話を戻しまして、今回主演ということで、気負いのようなものはありましたか?
 ちょうどコロナが終わったぐらいの時期だったので、お仕事(お芝居)できるという喜びと、脚本がものすごく面白かったので、何の気負いもなく、楽しみながら演じることができました。ロマンチックコメディは好きなので、憧れとか、こんな風にやりたいという気持ちの方が強かったです。

――思い通りに演じられた。
 はい! 監督もすごく私のことを気にかけてくださいましたし、共演者の皆さんもお芝居に真剣に愛を持って、現場に自分たちのキャラクターを持ち寄ってくるスタイルの方々だったので、本当に楽しかったです。

――共演の濱さんとは同い年ですね。
 そうなんです。だから自分がその年齢になって、それとぴったりなタイミングで、結婚適齢期のキャラクターが出てくるラブコメができたというのは、すごく運がいいなって思いました。

画像2: 映画『恋愛終婚』に主演の「秋月三佳」にインタビュー。「結婚に本当に必要なものに、この作品を通して気付いてほしい」

――では、その等身大な役を演じる上で、気を付けたことは?
 いつ恋に落ちたのか、いつ結婚を決めたのかっていうことは、あまり語られていないんですけど、真剣に婚活に取り組んでいく中で、何が必要なのか、本当はどういうことを心に感じているのか。それをすごく大事にしていました。本当に細かく、シーンごとに気づいていって、恋に落ちていく様子を表現できたかなと思います。

――ネタバレになるのであまり詳しくは書けませんが、中盤で二人の心が近づいたなと思うシーンもありました。
 正直私も、撮影の日までどうなるんだろうって思っていました。当日は、二人の相性という部分を重視して演じました。結局、遥はずっと表面的な部分しか見ていませんでしたけど、ふと振り返ると、自分のためになることをしてくれた(言ってくれた)。そこに気付けた、と。お互いがどう思っているかは口にしませんけど、大きなアクションをとれた。すごく大きな一歩だったのかなと思います。

――一方で、北原里英さん演じる友達の美月も、結構なキャラでした。
 そうですね。遥には恋人はいませんけど、割と女友達はいるんです。いろいろアドバイスをくれるんですけど、役に立つのかは……。

――作品は、結婚に恋愛はいらないというテーマで展開していきますが、監督と話し合ったりしましたか?
 監督は、かなり婚活に努力をしていたと聞いていたので、その思いをしっかりと受け継いで(笑)、撮影中は遥にどっぷり浸かっていました。とにかく遥自身は一輝から(婚活について)レクチャーされる受け身なキャラクターだったので、素直にやっていました。

 劇中で語られる結婚の条件(外見・性格・収入などなど)は、確かに耳が痛いじゃないですか。表面的な部分も、全部ではありませんけど、初めは大事だと思いますから、これは大事だよね、うんうんって思いながらやっていました。

――結局、監督は。
 結婚できました。ただ、作品が完成してからですので、ちゃんと恋愛しなくちゃ! って価値観が変わったみたいです(笑)。私も、心の繋がりがないと結婚はできないと思うし、そうであってほしいです。

――ネタバレしないように聞きますが、終盤にはすごい展開が待っています。
 そうなんです。最後のクライマックスが、二転、三転、四転ぐらいするし、群像劇ですからたくさんのカップル出てきますけど、それがきちんとまとまっていくんです。それがこの映画の面白さだと思うし、リズムがあるので、本当に2時間、飽きずに観られると思います。

 そこでは、遥も相手(遥の結婚相手)も本心を言っていて、精神的なつながりが必要だっていうことに、ようやく気づきます。そんな相手がすぐ傍にいた。本当に幸せなシーンになったと思います。

画像3: 映画『恋愛終婚』に主演の「秋月三佳」にインタビュー。「結婚に本当に必要なものに、この作品を通して気付いてほしい」

――最後に、本作に出演した感想をお願いします。
 節目の30歳で、その年齢にあったラブコメに出演できたことは、本当に運がいいと思っているので、今後も年齢に合った、その時その時で本当に心が感動するような、愛のある作品を作れたらいいなと思います。90歳まで頑張りたいです。

映画『恋愛終婚』

10月18日(金)より全国公開

画像: 映画『恋愛終婚』

<キャスト>
秋月三佳 濱正悟 北原里英 芹澤興人 辻川慶治 古澤メイ 野島健矢 粟森涼 ほか

<スタッフ>
監督・脚本:岡元雄作
音楽:田中マコト
撮影:伊集守忠
製作:株式会社アストロサンドウィッチ・ピクチャーズ
配給:MAM FILM
(C)2022-2024 ASTROSANDWICH PICTURES INC.

秋月三佳 プロフィール
1994年4月13日生まれ
東京都出身
O型
特技:クラシックバレエ、日本舞踊、イラスト

ヘアメイク:白銀一太
スタイリスト:末吉久美子
衣装:Matilda rose
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