PROSTOから、AudioVector(オーディオベクター)のスピーカーが7モデル発売される。そのラインナップと税込価格は以下の通り。

QR 7 SE ¥1,100,000
QR 5 SE ¥880,000
QR 3 SE ¥550,000
QR 1 SE ¥330,000
QR C SE ¥253,000
QR WALL SE ¥330,000
QR Sub SE ¥352,000

 オーディオベクターは1979年、オレ・クリフォート(Ole Klifoth)氏によって、デンマークの首都コペンハーゲンに設立されたスピーカーメーカーだ。オレ氏はハイファイに精通したオーディオファンであり、熱心な音楽愛好家だったが、1970年代当時その夢に適うスピーカーが見つからなかったそうだ。そこで自らスピーカーの設計に乗り出し、オーディオベクターを創設したという。

画像: 「QR 7 SE」(左)と「QR 5 SE」(右)

「QR 7 SE」(左)と「QR 5 SE」(右)

 この時代のデンマークスピーカー産業は黄金期を迎えており、今日使われている技術や構造も、デンマークで開発・改良されたものが少なくない。オーディオベクターもそれらの発展に寄与したメーカーのひとつで、1984年の低コンプレッション・ドームツイーターを皮切りに、ハイル・ドライバー型のAvantgarde AMT(Air Motion、Transducer)へと続くツイーターユニットは、現在まで一貫して自社内で生産されている。

 これらのツイーターは背面開放型として背圧を抑え、サウンドステージを拡張するSEC(Soundstage Enhancement Concept)システムとして多くのモデルに採用されてきた。さらにピアレス/スキャンピーク社との共同開発によるドライバーユニットには3点固定式の特殊なシャーシが採用され、NES(No Sound Storage)テクノロジーとして広く認識されているそうだ。

 今回登場したQR SEシリーズは、オーティオベクター最新のスタンダードモデル。自社製AMTツイーター、専用設計の3層サンドイッチ振動板によるウーファー、ダイナミック・フィードフォワード・ネットワークなどのオリジナル技術を採用して完成度を高めている。

 ラウンドコーナーデザインに彩られたキャビネットは内部に堅牢なブレーシングを施し、高剛性・低共振のウェルバランスな筐体を形成している。組み立てはすべてコペンハーゲンの自社工場におけるハンドクラフトで、1台ずつ慎重なテストを施して出荷されている。仕上げはダーク・ウォールナット、ブラック・ピアノ、ホワイトシルクの3色が用意される。

画像: 左から「QR 3 SE」「QR Sub SE」「QR C SE」

左から「QR 3 SE」「QR Sub SE」「QR C SE」

●ゴールドリーフAMTツイーター(Air Motion Transducer)
 同社では、ハイル・ドライバーをベースとしたツイーター、Avantgarde(アバンギャルド)AMTを1988年に開発し、改良を重ねながら高域ユニットとして採用を続けている。QR SEシリーズではゴールドリーフAMTを搭載。2kHz〜40kHzの広い帯域を受け持ち、高域再生限界は102kHzに及んでいる。

●ピュアピストン・デュアルマグネット・ウーファー/ミッドレンジ
 上級機のRシリーズなどで開発された技術をベースに、3層サンドイッチ構造の振動板を開発。2層の航空グレード・アルミニウムで柔軟なダンピング材を挟みこむことで、アルミの剛性を生かしながら固有音のない低歪みな特性を獲得している。強力なデュアル・マグネット磁気回路を搭載して歪みを大幅に低減することで、暖かく精密でダイナミズムに富んだ音調を広いレンジで実現。

●歪みを最小限に抑える独自のクロスオーバー
 ダイナミック・フィードフォワード・クロスオーバーは、2004年に開発されたオリジナルのネットワーク方式。コイル・レジスタンスを減少させることで回路の損失を50%まで低減。誤差0.8%以下という厳しい精度と自社製コンデンサーによって、ドライバー・ユニットの位相特性をリニアに保ち、ダイナミクスを改善している。

●ラウンドコーナー・キャビネットとQポート・バスレフダクト
 キャビネットは高密度ハードウッドHDFによる強固な設計。内部には入念なプレーシングを行い、高強度・低損失の動作環境を供給する。またナノポア・ダンピング材を配置することで中域の開放感を広げている。バスレフシステムの構造と配列を見直し、ドライバーユニットとの整合性を考慮して最適化を図っている。

画像: 「QR 1 SE」と「QR WALL SE」

「QR 1 SE」と「QR WALL SE」

「QR 7 SE」の主なスペック

●型式:3ウェイ4スピーカー
●使用ユニット:Gold Leaf AMT 2、6インチミッドレンジ、8インチウーファー✕2
●クロスオーバー周波数:425Hz、3kHz
●再生周波数特性:23Hz〜52kHz
●能率:90.5dB/W/m
●インピーダンス:6Ω

「QR 5 SE」の主なスペック

●型式:3ウェイ4スピーカー
●使用ユニット:Gold Leaf AMT 2、6インチミッドレンジ、6インチウーファー✕2
●クロスオーバー周波数:400Hz、3kHz
●再生周波数特性:24Hz〜45kHz
●能率:91dB/W/m
●インピーダンス:4Ω

「QR 3 SE」の主なスペック

●型式:2.5ウェイ3スピーカー
●使用ユニット:Gold Leaf AMT、6インチウーファー✕2
●クロスオーバー周波数:400Hz、3kHz
●再生周波数特性:28Hz〜45kHz
●能率:90dB/W/m
●インピーダンス:4Ω

「QR 1 SE」の主なスペック

●型式:2ウェイ2スピーカー
●使用ユニット:Gold Leaf AMT、6インチウーファー
●クロスオーバー周波数:3kHz
●再生周波数特性:44Hz〜45kHz
●能率:90dB/W/m
●インピーダンス:4Ω

「QR C SE」の主なスペック

●型式:2ウェイ3スピーカー
●使用ユニット:Gold Leaf AMT、6インチウーファー✕2
●クロスオーバー周波数:3kHz
●再生周波数特性:38Hz〜45kHz
●能率:90dB/W/m
●インピーダンス:4Ω

「QR WALL SE」の主なスペック

●型式:2ウェイ2スピーカー
●使用ユニット:Gold Leaf AMT、5インチウーファー
●クロスオーバー周波数:3kHz
●再生周波数特性:38Hz〜45kHz
●能率:86dB/W/m
●インピーダンス:4Ω

「QR SUB SE」の主なスペック

●再生周波数特性:20Hz〜180Hz
●カットオフ周波数:40Hz〜180Hz
●アンプ出力:350W

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