U-NEXTは19日に「新戦略発表会」を開催し、新たな業務提携とそれに伴う戦略を紹介した。

 U-NEXTは日本における動画配信サービスの老舗として、映画はもちろん、舞台、スポーツのライブ中継など様々なコンテンツを提供してきた。4Kやドルビーアトモスなどのフォーマットにも積極的に取り組んでおり、StereoSound ONLINEの連載「麻倉怜士のいいもの研究所」でもその取組や配信クィリティについて紹介している。

画像1: U-NEXTが、ワーナー・ブラザース・ディスカバリーの動画配信サービス「Max」との提携を発表! 料金据え置きで、2,500以上の作品や、新たな4K/HDRコンテンツの視聴が可能に

 冒頭登壇した同社代表取締役社長 堤 天心さんから、ワーナー・ブラザース・ディスカバリーが展開する動画配信サービス「Max」について、9月25日(水)14時からU-NEXTでも配信をスタートすることが発表された。

 そのMaxでは「HBO」「max ORGINAL」「ハリー・ポッター」「DC」など8つのカテゴリーが提供されているが、今回の協業によってU-NEXTのユーザーは、追加費用なしでそれらすべてのコンテンツを楽しめるようになるそうだ。

 U-NEXTは今年の9月で約450万人の有料会員を獲得しているが、そこでは2023年7月のTV見逃し配信サービス「Paravi」との統合によるコンテンツ強化も大きかったそうだ。さらに最近はライブコンテンツにも注力しており、J-POP、K-POPの配信も増えている。

 加えて、サッカー、ゴルフ、格闘技、Bリーグなどのスポーツジャンルも拡大しているとかで、お父さんから子どもたちまで、ファミリーのそれぞれの嗜好に応えることができる番組の充実が進んでいるわけだ。今回のMaxのコンテンツ配信は、その大きな後押しになるだろう。

画像2: U-NEXTが、ワーナー・ブラザース・ディスカバリーの動画配信サービス「Max」との提携を発表! 料金据え置きで、2,500以上の作品や、新たな4K/HDRコンテンツの視聴が可能に

 さらに堤さんは、今後の目標として有料会員500万人を目指すと宣言し、そのために「オリジナルIP(知的財産)」と「グローバル」のふたつのキーワードを重視していくという。

 オリジナルIPについては2020年以降積極的に取り組んでおり、書籍66点、コミック47点、縦スクロールコミック7点を発行、その中から2作品が実写化(BSドラマなど)が決定している。

 グローバルでは、世界のドラマなどの魅力的なコンテンツを日本のユーザーに届けていくという側面き加え、日本独自のコンテンツを世界に届けていくことも目指すという。コンテンツが世界に届けば動くほど、様々な方針も含めて達成可能なエコサイクルが作れると考えているようだ。

 続いて、ワーナー・ブラザース・ディスカバリー・アジア・パシフィック・プレジデントのジェームズ・ギボンズさんが登壇し、ワーナー・ブラザーズ・ディスカバリーとMaxについて紹介してくれた。

画像3: U-NEXTが、ワーナー・ブラザース・ディスカバリーの動画配信サービス「Max」との提携を発表! 料金据え置きで、2,500以上の作品や、新たな4K/HDRコンテンツの視聴が可能に

 同社は世界有数のブランドやフランチャイズを多く抱えており、ストリーミング、テレビ放送、映画館、そしてライセンシングの多くの面で作品を展開している。現在は北米、ラテンアメリカ、北欧、イベリアなど世界65の国と地域でサービスを展開しており、今回そこに日本も加わることになる。

 同社では、アジア太平洋地域は単なる配信先でなく、世界に対するコンテンツの発信源として捉えているそうだ。日本制作のコンテンツは世界の視聴者の人気を得ており、今後も世界発信に向けての取り組みを続けていくとジェームズさんは語っていた。

 続いてU-NEXTの取締役COO 本多利彦さんから、今回の業務提携に関する具体的な内容が発表された。

 U-NEXTでは、これまでもワーナー作品を配信してきている。今回はそれだけではなく、作品数で2,500以上、エピソード数では16,000を超えるMaxの作品が視聴可能になるわけで、本多さんも、「プラットフォームとしてのU-NEXTのポジショニングが上がった実感を持ちました」と語っていた。

画像4: U-NEXTが、ワーナー・ブラザース・ディスカバリーの動画配信サービス「Max」との提携を発表! 料金据え置きで、2,500以上の作品や、新たな4K/HDRコンテンツの視聴が可能に

 同時に、StereoSound ONLINE読者諸氏には気になるであろうクォリティ面についても、4K/HDRコンテンツが強化されていくとのことで、ホームシアターファンとしては、ここには大いに期待したいと思った次第だ。

 さらに本多さんからは、今後の注目タイトルも発表された。まず9月20日からは『THE BATMAN-ザ・バットマン-』のスピンオフとなる『THE PENGUIN -ザ・ペンギン-』の配信がスタートする。さらに11月からは『デューン 預言』が、その後も『AND JUST LIKE THAT…… シーズン3』『THE LAST OF US シーズン2』が予定されているという。

 「U-NEXTから日本の素晴らしいコンテンツを、Maxを通じてワールドワイドにお届けしていきたいと思っております。しかも海外のMaxにラインナップするというだけではなく、Maxと共に日本のエンタテインメント文化を全世界に届けることで、海外での日本コンテンツのブームを構築していきたいと思っています。今後のU-NEXTとMAX のプロジェクトにご期待ください」と本多さんは話していた。

画像: 左から株式会社U-NEXT 取締役COO 本多利彦さん、ワーナー・ブラザース・ディスカバリー・アジア・パシフィック・プレジデント ジェームズ・ギボンズさん、株式会社U-NEXT 代表取締役社長 堤 天心さん

左から株式会社U-NEXT 取締役COO 本多利彦さん、ワーナー・ブラザース・ディスカバリー・アジア・パシフィック・プレジデント ジェームズ・ギボンズさん、株式会社U-NEXT 代表取締役社長 堤 天心さん

 U-NEXTを含めた動画ストリーミングサービスは、リビングでの動画視聴のメインソースとして広く普及してきている。実際にパッケージメディアよりもストリーミングに触れる機会の方が多いという方も増えているだろう。

 今回のU-NEXTとMaxの協業は、コンテンツの数はもちろん、画質・音質という面でもさらなる充実が期待できるわけで、家庭におけるオーディオビジュアル体験にとっても、大きな価値をもたらしてくれることだろう。

『THE PENGUIN-ザ・ペンギン-』
●見放題・全8話●配信開始日:9月20日(金)AM10時より毎週1話ずつ配信

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