フォスター電機(フォステクス カンパニー)は、フルレンジスピーカーユニット「FE203Σ-RE」(¥25,300、1台、税込)を数量限定にて9月下旬より発売する。
1979年に登場したフルレンジユニットの「FE203Σ」は、バックロードホーン型エンクロージャー専用として好評を得た。今回の「FE203Σ-RE」は、そのFE203Σを元に当時の要素技術と現代の最新技術を融合して造り上げたモデルとなる。
FEシリーズのバックロードホーン専用モデルの原点を、現代の技術を投入してリニューアルし、バックロードホーンの優れた特長を最大限引き出して楽しめる限定生産のスペシャルユニットとなっている。
「FE203Σ-RE」の主な特長
●2層抄紙超叩解NUKP振動板
振動板は主材料にNUKP(Nadelholz Unbleached Kraft Pulp=針葉樹未晒しパルプ)を採用し、2段階で抄紙することにより基層と表層の2層で1つの振 動板を構成する独自技術「2層抄紙技術」で製造している。
基層は長繊維パルプと短繊維パルプの配合比率を適正に調整した超叩解(長繊維パルプと短繊維パルプをそれぞれ別々に叩解し、混合して抄紙する製造技術)NUKPと、マニラ麻とミツマタの混合により適度な内部損失を保有しながら嵩高構造による剛性を両立した。
表層にはNUKPの短繊維パルプを配して振動板表面の高い伝播速度を実現した。これにより、原点であるFE203Σのバックロードホーン使用時の厚みと張りのある音色を元に、より実体感のある立ち上がりがいい中高域と、重心の低い厚みのある低域再生を可能にした。
●ハトメレスによる中音域の低歪み化
ボイスコイル引き出し線とティンセルワイヤーを接続するハトメを排除し中音域の高調波歪を低減。
●ポケットネックダンパー
ボイスコイルとダンパー、コーン紙の3つの振動系部品を同一円周上で接着するために、ポケットネックダンパー方式を採用した。また、ダンパーの形状と材料は直線性の高い振幅特性を実現。
●大型2枚フェライト磁気回路
磁気回路にはΦ133mmフェライトマグネットを、Σシリーズならではの2枚重ねで採用し、充分な磁束密度を確保。ポール部に銅キャップを被せて電流歪みを低減。力強い音楽再生を可能にした。
●FE203と同一取付ピッチのフレーム
FE203/204/206/207や最新のFE206NV2など、歴代の鉄板フレームモデルと同じ取付ピッチを採用。
●金メッキ端子
入力端子は、ファストン205タイプの低損失金メッキ端子を採用。スピーカーケーブルの確実な接合に加えて、音質劣化を防いでいる。
「FE203Σ-RE」の主なスペック
●型式:200mmコーン形フルレンジユニット
●インピーダンス:8Ω
●最低共振周波数(f0):54Hz
●再生周波数帯域:f0〜18kHz
●出力音圧レベル:96dB/W/m
●バッフル開口寸法:Φ185mm
●推奨エンクロージャー方式:バックロードホーン
●実効振動半径:81mm
●マグネット質量:1,160g/枚
●質量:4,080g